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(柴野貞夫時事研究会 日本を見る 最新の時事特集 2011年3月16日)

 

 

柴野貞夫時事問題研究会

 

 

 

菅政府と日経連の、民衆の命と生活を破壊する、反民衆的核政策と、東北大震災への対応を、糾弾する。

 

 

 

 

○国家は、避難民の救済、行方不明者の捜索の責任を、地方自治体になすり付けるな!

 

○日経連と東京電力は、原発事故避難者と働く全国民に生活と生命の救済に、全面的な責任を取れ!

 

 

 

 

東北大震災は、一万数千名以上の死者と四十五万名以上の避難者を生み出す未曾有の大惨事となっている。今国家は、決して適切な援助を周辺市町村に出していない。首長を先頭に住民たちが、国家の無策が人間の命をないがしろにしていると、涙ながらに訴えている。

 

‘地方分権’と言う、国家の国民生活に対する地方行政への責任転嫁のシステムが、国家からの連絡もなく国家からの情報もなく、無力な地方行政機関を孤立させている実態を浮き彫りにしている。それは。惨事を更に促進させている。国家は、一切の国民への責任を放棄している実情が地方首長から訴えられている。

 

「命がけで」努力すると空言を弄する菅政府は、言葉でなく、輸送手段の提供、ガソリン、食糧、医薬品、衣料、医療関係者、エリアを拡大した避難所の確保等、被災した国民の命を守る手立てを実行しなければならない。

 

多くの地方首長は、港湾、道路等運搬手段は、すべて破壊されたのではなく、使えるものは、まだまだあると指摘している。

 

阪神大震災時、関西の多数の建設業をはじめとする地元企業や在阪支店業者が、無償の援助を会社ぐるみで惜しまなかった。陸がだめなら船で、また瓦礫の陸路を、食糧を積んだリヤカーで運んだ地方企業もある。その事を考えると、今回の惨事に対する日本の大企業経営者達の姿勢は、恥ずべき無関心で支配されているとしか見えない。(日経連会長米倉は、16日になってやっと、会員企業による震災支援を表明したが、200兆円もの内部留保を、非正規労働者に対する奴隷労働でため込み、更なる企業減税のために消費税のアップを主張し続ける事は、被災国民の命を守る事とは絶対に相容れない。)

 

 

一方、大震災に追い打ちをかけるように、歴代政府の原子力政策の破綻が生み出した福島原発の連続的な爆発事故に依る放射性物質の爆発的飛散から逃れて、周辺市町村住民・数十万名の避難が始まっている。

 

彼等の多くは、悲惨なことに、震災(津波)被害との二重被災者である。

 

国家は、数十万の周辺住民に「自主避難」と称して国家のいかなる手立てのない避難勧告を連発するだけである、住民を土地と家を突然放棄させられ、家族とも分かれ離れにさせられ、狭い避難所に押し込められている。地方首長は、国家の責任を果たさず、我々無力な自治体に何をせよと言うのかと叫んでいる。

 

国家は完全に国民を見捨てているのだ。こんな事が許されるのか!

 

 

16日午後3時現在、福島第一原発の4基すべてにおいて、使用済み核燃料の冷却プールがあらゆる電源が断たれている為、冷却作業が不可能となり、(火災で原子炉建屋が破壊されている1号、3号基、さらに加えて新たに、使用済み燃料の水蒸気爆発で建屋が破壊された4号基は、空気中に剥き出しとなっている)余熱による水蒸気爆発が継続的に繰り返され、放射性物質が空中に大量にばら撒かれている。

 

周辺では計り知れない量の放射性物質が、拡散されている。瞬間的に浴びるだけで、瞬時に、人間の生殖機能、白血球の減少、赤血球の破壊を生み、特に<よう素>は、子供の甲状腺に蓄積し確実に癌となることは、チェルノブイリ周辺の多くの子供達が、治療に来日して来たのが我々の記憶に新しい。

 

日本政府と危機管理に従事する一部核学者らは、飛散する核放射線物質の種類や、飛散する場所別、時間別データと言う、最も必要な情報何一つとして発表していないと、良心的学者たちは一斉に批判している。

 

更に今、廃棄核燃料から生み出したプルトニュームと、ウラニュームとの混合燃料(MOX)で稼働するプルサーマルを、世界で初めて産業運転をした3号炉は、格納容器が破損し、16日時現在、本体内部の水蒸気が白煙を上げ、破壊の危機に瀕している。

 

3号炉破壊の重大な問題は、我々が先日報道した様に、この炉が他と際立っているのは、プルトニュームと言う最も大きい濃度と毒性を持つ、放射性物質を撒き散らす核燃料を使用している事だ。政府と多くの識者はこの事実に触れた事はない。国民を欺いているのだ。

 

残る5号、6号基も、廃棄燃料貯蔵プールの冷却機能が働いていない以上、1~4号基と条件は同じだ。

 

ロシアやフランスの核専門家は、福島原発の現実は、すでにスリーマイルを遙かに超え、チェルノブイリ惨事へと向かっていると断言している。一度に4基の原子炉が破壊された事態は、世界に類のない惨事である。

 

このPRESSIANが紹介する記事は衝撃的である。

 

現在進行する、福島原発の恐るべき原子炉の破壊が、基本的に圧力制御システムに重大な欠陥があり、冷却システムの機能を破壊すると言うGE社の製品自体にあるとすれば、今日の事態はまさにその事を証明している。

 

この惨事は、日本政府がこの様なモデルを使用した事実と同時に、原子力発電が普遍的に持つ危険性の問題の到達点なのかもしれない。

 

日本の歴代政府と資本家階級は、原子力政策を国家のエネルギー政策の中心に据え、しかも同時に、プルトニュームを原発燃料として使用し、将来の核兵器製造にも備えようとする魂胆をもっているのである。

 

しかしこれらの政策は、今、何百万の日本国民にとって、生命の危機と、生活の破壊、子供達の未来や子孫の繁栄に、計り知れない危険と恐怖を撒き散らしている。

 

もし、これら東電福島原発の爆発と破壊がこのまま進めば、広島型原爆の何百倍の被ばくを、日本国民が受ける事となるのだ。

 

日本政府と日本の資本家階級は、国民の生命と生活を守るため、おのれのあらゆるものを犠牲とし、責任を全うすべきである。

 

日本のブルジョアジーの執行部<日本経団連>の米倉弘昌は、16日、福島原発が国民の命と生活を重大な危機におとしめたのが、資本家階級の原子力発電政策であるばかりか、彼等の欠陥原子炉の導入であり、危険極まりないプルサーマル発電である事に対する、国民への謝罪を行うどころか、次の様に、悲惨な現実を直視せず、痴呆老人の様に呟いた。

「ずいぶん津波の影響を受けたが、収束の方向に向かっているのではないか。(日本の原子力行政についても)1000年に一度の津波に耐えているのはすばらしい。原子力行政は、もっと自信を持って胸を張るべきだ。」(16日付サンケイ・ネットニュース)

 

このボケ老人は、一体何処の世界の事を語っているのだ!

 

200兆円を社内留保し、尚彼等の、更なる大企業減税を強行する為に、消費税を上げ民衆への収奪をたくらむ事には頭が働くが、民衆の命と生活にはどんな関心もないのだ。

日経連は、国民の命を犠牲にして来た原子力政策の破綻に対し、国家と共に全面的な責任を取るべきである。

 

こんな資本家階級の独裁(資本主義制度)は、徹底的に民衆の戦いで踏みつけて行かなければならない。



(文責 SS)