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改憲手続き法=国民投票法と、その衆議院強行採決は、憲法が保障する国民の諸権利(言論と表現の自由)の圧殺と蹂躙であり、安倍極右政権によるクーデターである。



4月13日、安倍政権は、衆議院に於いて「改憲手続き方=国民投票法」を強行採決し、憲法改正手続きのハードルを限りなく下げる事により、9条改憲と、国民の諸権利や人権の制約を狙う社会に向けて走りはじめた。



「国民に、憲法を改正する権利を、与えるもの」(自民中川幹事長)と、人を小馬鹿にした表現で、国会審議での十二分な討議と説明責任を必要とする,この法の複雑な内容を、国民に知らしめぬまま、目晦ましをして採決を強行した。国家の全ての法の基本となる最高法規である、憲法の改正手続き法を、たった58時間の審議で強行した。 一体、国民の何人が、この法の内容を知っていると言うのであろうか?



これは、「議会の民主主義手続きを通じての国家権力」と言うブルジョア民主主義の否定、即ち安倍極右政権によるクーデターにも比すべき暴挙と言わざるを得ない。

憲法の改正に関して、96条は「憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会がこれを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票または国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする」と規定している。 



この規定は、憲法の改正の発議さえもが、国民の大多数の意思に基づき国民の意見が正しく反映されること、国民の間における十二分な検討が必要なこと、そして憲法改正の決定については、国民の「過半数の賛成」を義務とすることを取り決めているのだ。



一般の法律制定の手続きが衆参両院の出席議員の過半数の賛成で良いのに対して、総議員の三分の二以上賛成がないと発議さえ出来ないということは、それだけ、憲法改正の手続きの重さを義務ずけているのだ。 安部自民公明政権は、この96条の規定を踏みにじり 審議時間を制限し、この法の内容を国民に伝えることを妨害した。国民に知らしめる事を恐れたこの法の中身とはどんなものか? 

1、安倍は、この法を、憲法、第九条1,2項を改悪し、集団的自衛権を合法化する軍隊の保持を明記する事と、教育の国家介入を制約する第十九条の否定を初めとする、国民の諸権利の圧殺を目的とした憲法改悪の手続き法と位置ずけている。単なる手続き法ではないのだ。

2、「国民投票」が成立する為の「最低投票率」を明記せず、有効投票数の過半数の賛成が有れば成立するとしている。即ち、総有権者の10~20パーセントと言った、どんなに低い投票率であっても「国民投票」が成立するしくみだ。憲法96条が規定する憲法改正の手続きの「国民の過半数」とは、全有権者を分母とする数の重さで無ければならない。しかし、この法は「成立」のハードルを限りなく低くして、国民の意思表示と権利行使を制限し、権力が恣意的に法の改悪をし易くする民主主義的手続きの全面的な蹂躙である。

3、この法の、実に70パーセントが、国家権力によって国民の言論と表現の自由、および国民の自由な政治活動を制限する項目でうまっている。憲法改悪を、国民の権利を制限し蹂躙する法律(国民投票法)で実現しようと言う二重の犯罪である。 130万人の教育公務員と400万人の国家公務員の「国民投票運動」を禁止する条項は、憲法が保障する思想信条と言論表現の自由に対する許しがたい攻撃である。即ち「国民投票運動」そのものを、国家権力が支配すると言うファシズム的法体系と言うべきものである。

4、「国民投票 運動」は、15日前は禁止されるものの、その前までの有料放送は無制限であるとするが、これは日経連と資本家階級の贅沢な資金力をもつ執権政党や改憲政党による、国民と言論界に対する野放しの買収工作と言うほかないのである。



国民投票法のごく一部をとりあげても,それが国民の物言う権利と政治参加の極端な制限によって憲法改悪を押し通す為の道具であり、アジアと世界に軍事行動を示威することが、日本資本家階級の私的利益に適うことと信じている安倍国家主義集団の、民主主義圧殺の仕組みであることを明らかにしている。



日本の朝野に、無数の「九條の会」が結成され「日本国憲法の平和の理念を世界の理念にしよう」との声が日増しに大きくなっている。安倍とその執権政党がクーデター的に民主主義じゅうりんの国民投票法をごり押ししようとするのは

この日本の民衆運動の高まりに恐れを成している事の証明でもある。



国民投票法の参議院通過を阻止し、阿部と改憲勢力、日本資本家階級による、日本の軍事国家化と民衆の諸権利を制約する抑圧国家化を許してはならないのである。