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定率減税の廃止と住民税増税(6月)による国民の生存権に対する、安倍内閣の攻撃に抗議する!!



① 安倍内閣は、6月の住民税の国民負担を誤魔化している!!



安倍自民公明政権は、この6月から始まる住民税の大幅な増税が、国家から地方に3兆円の財源を移し替えるに過ぎないのであって、「国民の税負担は、0である」との宣伝を、国税庁、財務省のホームページや市町村の“お知らせ”だけでなく、電車の吊りポスターにまで行っている。しかしこれは、国家による大掛かりな欺瞞キャンペーンである。

国民は、04年から顕著となった、自公政権による各種減税控除の絶え間ない半減、廃止政策によって生活を直撃されて来たが、今年になって[定率減税]が全廃され、1月の所得税の増税に引き続いて6月には、住民税の大幅な増税に直面するのだ。安倍は、この事実を隠蔽している。

しかも、日本国憲法の理念に基づく「応能原則」による税の徴収を否定し、支払い能力の無い社会的弱者からも、一律に徴収すると言う、徴税の理念に関わる変更が、国民に納得の行く何らの説明もなく強行されようとしている。  

6月に始まる住民税増税は、所得税と住民税を合算した3兆円の財源を国家から地方に移し替える限りにおいて、国民の負担が増える訳ではない。

しかし、国家は、二つの税にかかる「定率減税の廃止」によって、07年1月より所得税で1兆3000億、07年6月より住民税で4000億、年間計1兆7000億の国民負担による税収を目論んでいるのだ。

安倍政権が進める「三位一体税制」(国庫支出の削減、地方交付税の見直し、税源の地方への移譲)とは、国民生活に対する国家の義務を否定し地方行政府に責任を転嫁、交付税の削減を社会的弱者からの税徴収で埋めろと言う、憲法が国家に義務付けている国民の基本的人権の尊重に対する攻撃に他ならない。もともと国民の生計の中に恒久的な税制として組み込まれた各種税控除を、自公政権は、今日までことごとく廃止し、国民への税負担を底なしに積み重ねてきたのだ。

加えて安倍自公政権の残酷さは、住民税の算出基準で所得額に関わりなく10%の税率を課したことだ。増税の矛先を所得の低い老齢者や弱者に向けて来た点が特に悪辣且つ非人道的であり、日本国憲法の人権主義と福祉主義の原理を蹂躙し憲法25条の生存権を踏みにじる行為である。







② この4年間に、国民は全ての税控除を奪われた!!





住民税は、07年6月から、住民税に対する定率減税の全廃とともに、すでに所得税に対する定率減税の廃止によって増税されている所得税(1月実施)を算定根拠として、確実に大幅増税となるのだ。

「住民税」とは、府県税と市町村税の合算(2対3)で、基本的に「所得割」プラス「均等割り」を基準に、以下の各種控除よる減税措置によって算出根拠としされてきた。即ち


1、老齢者控除        65歳以上で、合計所得が1000万以下の場合、所得額に対し48万の控除


2、高齢者非課税      65歳以上で125万以下の所得の場合住民税率を非課税とする


3、生計同一の妻に対する   均等割り非課税措置   4000円


4、公的年金等の控除    65歳以上の、所得が330万未満の場合、所得額に対し120万を控除 


5、配偶者控除と配偶者
   
  特別控除        一定の収入の配偶者と専業主婦への控除


6、定率減税        所得税額の20%(最大25万)

              個人住民税の15%(最大4万)を税額から控除

従来、少なくともこれ等の各種控除が、住民税控除として認められ、且つ所得税にもまたがる減税控除として、リストラや低賃金、劣悪な労働条件の中で、生計に組み込まれた国民の既得権として、存在したのである。

しかし、これ等の控除は、07年6月の「定率減税」の全廃によってすべて廃止され、その分、恐るべき事に国民の頭上に大増税となって襲い掛かっているのだ。

 03年11月小泉政権時、与党公明党は総選挙のマニフェストで、「基礎年金の国庫負担の引き上げの財源」として、こともあろうに「定率減税の廃止」と「年金増税」をかかげ、自民党とともに、それが、「百年安心の年金制度」だと国民を欺いた。04年自民と公明は、まず、「老齢者控除の廃止」と「公的年金等控除の縮小」を強行した。同時に「配偶者控除」と「配偶者特別控除」を廃止した。  05年には、「住民税の高齢者非課税」と「生計同一の妻への非課税措置」の廃止を実施した。

 「福祉の党」(?!)を自称する公明党は、「国庫負担の引き上げ」の公約を実行するどころか、年金の財源を、年金生活の老齢者から取り上げただけである。自民党と公明党は、国民のありとあらゆる減税控除に手をつけ、国民の首に巻いた真綿を締め付ける様に毎年「移行措置」と称して、増税を積み重ねてきたのだ。





③ 大企業は労働者の犠牲と底なしの優遇税制度で、史上最高の利益を出している!!





5月上旬各局テレビニュースは、2007年3月期決算を報告する東証一部上場企業の社長たちが「史上最高の利益」を記者団に誇らしげに語る姿を映し出していた。

彼らは一様に「コスト削減」によって「輸出競争力」を勝ち抜いて来たと自慢していた。 中でも日経連前会長、奥田の企業であるトヨタは、売り上げ24兆円、税引き後利益一兆6000億と、史上最高の業績だと言うのだ。

しかし彼らの言う「コスト削減」とは系列企業を含め80%を占める派遣労働者(非正規労働者)の悲惨な労働条件と、東南、北東アジアの6分の一とも十分の一とも言われる低賃金の海外労働者の犠牲の上に実現されている事実を、彼らが省みることは決してない。

偽装労働や社会保険料逃れを行って、私的利益をむさぼってきた犯罪企業の贖罪の道は、その利益を国家に納め、増税に苦しむ国民に還元することにあるはずだ。彼らがそうしなければならない理由がある。

 98年小渕内閣時、企業破綻と不景気の中で資本の一方的な労働への犠牲の転嫁が行われた時代、首切り、低賃金への対応として(景気対策)として、「定率減税」が実施された(99年、所得税額の20、住民税の15各パーセントの減税)。 一方、それと同時に大企業に対しても、「法人税の減税」(実行税率ではない)が実施された。84年時の43.3パーセントから、89年40パーセント、99年30パーセントと、一気に13.3%も引き下げられた。

 大企業に対してはこの、「法人税」だけではない。グループ企業の節税対策としての「連結納税制度」、最大20%の法人税軽減となる「研究開発減税」、更に、05年まで続いた「IT投資促進税制」そして「減価償却制度の見直し」など、本来、資本の責任でやるべき私的投資に対するものまで含め、手厚い優遇減税を繰り返してきた。しかもそれは、現在もなお実施されている。

しかし、小泉の大企業優遇税制を引き継いだ安倍自公内閣は、 働く国民と年金暮らしをする老齢者を含む社会的弱者にたいしては、唯一残された減税措置とも言うべき「定率減税」を06年半減し、07年からは「全廃」を強行し、あらゆる減税控除をとりあげ、実質的な大増税によって国民の身包みを剥ぎ取ろうとしているのだ。





④ 大企業の減税5兆円を国民に負担させる安倍内閣!!





 彼らは、財務省のホームページで「定率減税」廃止の理由を次ぎの様に言う。「景気対策のための暫定的な税負担の軽減措置として導入したもので、経済状況の改善を踏まえ09年1月より廃止する」と。彼らが大幅な法人税減税を強行したのも同じ理由で同じ時期であった。   万一、「経済状況の改善」が、大多数の国民にも同様に、恩恵がもたらされているものと仮定しよう。であれば、国民の減税措置が廃止されれば、同様の理由(景気対策)で導入された、大企業の「税負担軽減措置」も同時に廃止されなければならないはずである。国家が資本の代理人となった時、自分の言っている言葉が思わず無意識に、その立場を表し、その立場を擁護してしまうものなのである。“国民にはその権利を認めない。よって「廃止する」”と言うわけだ。 

現在、誰がその景気の大きな恩恵を受け、誰がその「恩恵の犠牲」となっているかは明らかであろう。大企業減税を即時取りやめ彼らから正常に税を徴収し、国民の増税を取りやめ減税を復活させなければならない。

 1兆6000億の税引き利益をあげるトヨタだけではない。東証上場企業の64パーセントが「未曾有」の利益を上げる一方で、低賃金、不安定雇用下に置かれている「非正規雇用労働者」は、1726万人(総務省、労働力調査07年5月29日)と、雇用者(役員をのぞく)5120万人(同上)の33.7パーセントに達し、過去最高である。268万の完全失業者(同上)とともに厳しい生活条件にさらされている。国家による社会保障制度の解体が進む中、120万生活保護世帯は生存の危機にさらされている。

 「経済状況の改善」とは、大企業と資本家階級の事をいうのであって減税控除を奪われた国民の事ではない。

 

 2006年8月25日記者会見で、当時の谷垣禎一財務相は、「法人税収は(現法人税で)13兆3000億円である。40%で試算すれば18兆円だ。」と言うのだ。国家と安部自公民政権は、大企業の「合法的な」脱税行為に手を貸しているのである。

「経済的状況の改善」にもかかわらず資本家どもから税を徴収しない為に、この5兆円を国民の生計費から強奪するのが庶民大増税の狙いである。





⑤ 税の応益負担を公然と主張する安倍内閣は国民の敵だ!!





6月から始まる住民税増税は、広く国民全体を襲う増税であるが、とりわけこの増税が、低所得者と年金生活をする老齢者に向けられている点が許しがたい。

国税局の住民税ホームページは、2005年までは125万以下の所得者(65歳以下)が非課税であった課税所得表は、すでにない。05年、この「非課税控除」は廃止されて税を徴収され、しかも06年には、200万以下のグループに組み込まれ一律10%の税率をかせられた。定率控除が半減された上徴税され、この6月の定率控除の全廃により更に負担が増えるのだ。

総務省のホームページは、低所得の国民に対するこの徴税行為を(貧者の財布から強盗やかっぱらいの様に奪い取る自らの行為を)、合理化して次ぎの様に説明する

「従来、住民税の所得割りの税率は三段階の超過累進構造になっていました。これを、所得の多い少ないに関わらず一律10%の比例税率構造に変える事になりました。(応益原則の明確化)」と。

日本国憲法は、国民の生存権、個人の尊重、法の下の平等を含む国民の基本的人権を尊重し平和と福祉を原理とする法である。それに従えば、国家や自治体の徴税の理念と、税を用いる理念もまた、人権と福祉の原理に沿わねばならない。能力に基づく「応能負担」・「応能主義」こそが、原則である。


 憲法の原理を貫けば、弱者の負担の上に能力を与えられた者から徴税し、社会的弱者を国家がささえるもので無ければならない。支払い能力のある者が負担すること、とりわけ今、税を不当に逃れている資本家階級と大企業から累進的に取り立て国民の基本的人権の擁護に基づく税の執行こそが国家の責任である。 サービスを受けるものが負担し、サービスの利益を得るものが負担すると言う「応能主義」は、国家の国民に対する義務の放棄であり、日本国憲法の原理と国民の生存権に対する全面的な否定である。「所得の多い少ない」ことこそが問題なのである。この税に於ける累進構造を守らなくて国民の基本的人権を守る税の執行も出来ないのだ。いままでかって、「累進課税」の原則や「応能主義」の原則を公然と否定する執権政府はなかった。



安部自公政権は、この国を、働く国民を食い物にして、私的利益を増やし続ける資本家階級の私物化された国家にしょうとするのか。安部自民政権の、この住民税増税と定率減税廃止に見る国民の生存権否定の攻撃は、9条改憲による平和的生存権の否定ときをいつにしているのである。今こそ、安部自公民政権の打倒に向かって、国民的運動があらゆる職場、あらゆる手段で開始されねばならない。