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07年2次6者協議は、北の「核無力化」と、米の「テロ支援国家指定解除」の同時解決に向かっている!!

 

                                                        07年10月2日付

 

(1)  切り離せない二つの課題


 

 

9月30日、各紙とインターネット情報は、北朝鮮「非核化問題」を巡る6者協議会が、「次の段階の措置」の具体化を定める、「共同声明案」で暫定合意し、それぞれ本国の承認を経るまで2日間の休会とした、と報じている。その声明案(合意文)の内容は伏せられているので、日本の各紙は「北朝鮮の妥協」であるとか「テロ支援国家リストの解除の結論は出ていない」など、憶測を基に見当はずれの分析をしたものが多いが、朝日新聞(10.1)は、「年内に、ヨンピョンにある5000キロワット級の原子炉、放射科学研究所(核燃料再処理施設)、核燃料加工施設、3箇所を無能力化し、ウラン濃縮計画を含む核計画の申告を明記する一方、米国が北朝鮮にたいするテロ支援国家指定を解除する方針も盛り込まれている」と、ほぼ正確に報じている。(我々は、いくつかの根拠から、この内容が事実だと判断している)

 

また、韓国のトンア・イルボ(東亜日報)10月1日付は、「米首席代表のクリストファー・ヒル国務次官補は、“この合意文は大変具体的で有用だ。共同声明は、合意に至るとおもう”と述べた。韓国の首席代表のチョン・ヨンウ(千英宇)外交通商部韓半島平和交渉本部長も、ケンピンスキーホテルの会見で“今回の合意文は05年9月の、6者協議会共同声明の履行に向けた2段階措置”と命名した。韓国当局者も採択されない可能性は0・01パーセント」と報道した。

 

この合意文が取り交わされれば、北朝鮮が、年内12月31日までに、すべての核施設の無力化と核計画の申告の義務を実行し、一方米国は、北に対する「テロ支援国家指定、および敵性国貿易法による制裁の解除」を同時に履行しなければならないはずである。

一段階6者協議(07年3月)から、今回の二段階6者協議の中で、他でもなく北の「核の無力化」と、米国による「テロ指定国と制裁の解除」と言う二つの問題は、両者にとって切り離すことの出来ない「一体化」した問題であり、中心的課題として話し合われてきたことが、今明らかになりつつある。

 

今日まで、北が何故一貫して、朝米二国間交渉を要求してきたのか、6者協議の場なら応ずるとしてそれを拒否してきた米国が、何故今年に入ってからベルリン、ニューヨウク、ジュネーブと実質的な二国間交渉を重ねざるを得なかったのかは、この二つの問題を、切り離しては解決できなかったからである。

 

 


(2)  6者協議は、北が一方的に義務を負うことと、エネルギー支援のみが目的ではない筈だ

 

 

 

北は、単に「核」と引き換えに、「重油100万トン」と言うエネルギーでの「見返り」と言う経済的要求をするために協議に参加しているわけではない。

また、そもそも6者協議の目的が、「北朝鮮に対する、核の無力化と核計画の申告を履行させるロードマップを協議する」会議であると言う、日本の左から右までの言論界の見方は、朝鮮半島の平和体制に向かって義務を履行せねばならない国が、北朝鮮一国かのごとき構図を生み出すことによって、極東と、朝鮮半島の軍事的緊張と平和への危機が、あたかも北朝鮮に全て責任があると言うに等しい。

 

北の核が「無力化」されたところで、極東アジアに配備された米国の核が無力化される訳ではない。それ(6者協議の目的を北の核無力化に置く考え)は、戦後60年に亘る日米韓による、北への軍事的包囲はもとより、「冷戦終結」後も、特に9・11後、独立国家へのテロとも言うべき、アフガニスタン、イラクに対する米国による、テロを口実とした世界的な侵略戦争の過程で、北朝鮮に対しても「テロ支援国家」呼ばわりすることにより、核を持たない国家への核による脅しを絶えず繰り返してきた米帝国主義の行為を正当化するものである。同時に、日本の自公民政権と右翼国家主義者どもの「北脅威説」にも、根拠を与えるものとなるのだ。

 

6者協議で各国(特に日本が)するべき仕事は、北の核無力化だけではなく、同時に、米国と日本による、北への軍事的圧力・経済的制裁と言う、敵対行動を直ちに止め、朝鮮半島の〈戦争状態〉を終結させ、極東の平和体制を前に一歩進めることでなくてはならない筈だ。特に、北に対する貿易を含む経済的制裁は、1950年朝鮮戦争以降、世界経済の枠組みの中でアメリカの主導で継続し、米国主導の世界銀行の借款からも排除されてきた。日本もまた、1965年の日韓条約によって、三十五年に亘る半島植民地支配の清算・賠償を、南韓軍事政権だけへの経済支援として行ったが、北に対してはその国際法上の義務さえ、いまだ履行していないことを強調せねばならない。

 

北への歴史的責任を棚に上げ、北朝鮮の貧しさと経済的困難性を挙げつらい、嘲笑して話題にしている、自称“北朝鮮専門家”や“朝鮮問題学者”たち、そしてテレビ局の無知蒙昧は、犯罪的である。

 

1991年12月のソ連の崩壊は、社会主義経済圏に依存してきた朝鮮経済にとって致命的であった。発電設備、港湾、鉄道、道路などインフラの老朽化を、韓国の新聞は指摘している。北もまた、労働新聞新年共同社説でその問題点を「共和国の経済発展は、現時期の切迫要求」との表現で認めてきた。

 

自らの歴史的犯罪を清算せず、国際的義務も放棄して、北に対する敵対行動を継続、平壌宣言の履行を、〈拉致〉の政治的利用によって拒否して、国交を回復しようとしないどころか、朝米合意が進み、朝鮮半島の平和枠組みが進展しつつあるこのときに、安倍右翼集団の方針を踏襲して、北への「テロ支援国家指定解除」に執拗に反対し、今また、10月13日に期限切れとなる北朝鮮への〈制裁〉を決定した福田自公政権は、アジアの平和に対する破壊者である。これは、北との対話を壊し拉致の実態さえも明らかにすることも出来ないであろう。

 

 

(3)  北核問題は、米国の核による脅しが生み出したもの

 

 

 

米国は、1945年朝鮮半島が日本帝国主義者から解放されると同時に、不法に軍事力で占拠し(朝鮮半島とその民族は、連合軍の敗戦国ではない)、1947年、南北民衆の統一運動を武力で鎮圧し、1950年朝鮮戦争で南北分裂を固定化した。それ以来、南軍事独裁政権の軍事的後ろ盾となり、87年代民主化後も基本構図は変わることなく北に脅威を与え続けてきた。今なを、朝鮮半島には南北を隔てる軍事境界線が横たわっているのである。

この状況を、北の核問題を通して解決することこそ、6者協議の核心であろう。

 

北の核問題こそ、米国による軍事的威嚇と核テロの脅威から生み出されたものに他ならない。(詳しくは当サイト、〈世界を見る〉―〈最新の世界情勢を分析する〉―〈六カ国協議を通して見る東北アジアの現状と展望〉参照)日本もまた、米帝国主義の極東での核の脅しの尻に乗り、世論を誘導し、憲法改悪を狙い、憲法を蹂躙し自衛隊を米軍の世界再編に組み込み、極東アジアや北に、軍事的脅威を生み出し、北の核武装への引き金となったことを知るべきである。

 

 

 

(4)  6者協議での、朝、米の認識の共有

 

 

 

従って、六カ国協議が行うべき仕事こそ、まず第一に、米国に、北に対する「テロ支援国家指定国」と言う核の脅しを伴う恫喝をやめることを履行させ、同時並行的に、北が核の全面的な放棄を履行することにあった。2・13合意に定められた「行動対行動の原則」の履行と言う点において、朝米は、今回基本的に合意した。別の言い方をすれば、米国による「テロ支援国家指定解除」と、北が「核無力化を、どの程度すすめるか」は、同時履行の関係に在ることにおいて、両国が認識を共有したと言うことが明らかになったのだ。

 

これ(合意)は、1953年以来続く朝鮮半島の「休戦状態」という敵対関係(中朝対米韓という)を解消し、四カ国の平和条約の締結に向かう大きな一歩と成るに違いない。それは、極東アジアの平和構築にとっても、おおきく貢献すると期待できるのだ。もちろん之によって、極東アジアに恒久的平和体制が生まれるなどとは考えられない、北の核が無力化されても在日、在韓米軍は核を持ち続けるであろう。侵略的目的での核の脅しをかけることをやめないであろう。まず極東から全ての核が撤去されなければ、極東に於ける帝国主義の軍事的脅威はなくならない。

 

 

 

(5)  「テロ支援国家指定解除」に反対し、「拉致問題」を持ち出す日本は、極東平和の破壊者

 

       

 

一方6者協議における日本政府の態度は、この流れの中であまりにも惨めであった。日本の代表である、佐々江・アジア太平洋局長は、安倍逃亡の後も安倍政権の対北朝鮮政策、即ち6者協議の場を利用し「拉致問題」を「最優先課題」と位置付け、北の脅威を煽り憲法改悪と軍国化につなげる狙いを持った軌道を修正できないで居る。

米国の「北テロ支援国指定」政策に便乗して、北朝鮮が「テロ国家」であると国民世論を煽り、北朝鮮に対し“死んだ人間を生き返らせよ”と言う、およそ外交交渉でありえない無理難題を吹っかけて協議そのものの破壊を意図してきた。

 

また、米国のテロ支援国家指定解除の時期をめぐっての文書化で、年内解除の明確化に反対し、「北の言う“核無力化”の中身が不充分だ」と難癖を付け、協議を妨害しているとの報道も、韓国のメヂアにある。一方で核の無力化が12月31日期限で履行されれば、他方で同時にテロ指定解除が履行されねばならないのは当然である。

 

もし米国が、「指定国解除」の期限を12月31日に明記できなければ、北が「核無力化」のレベルをそれに合わせて下げたとして、それを批判する筋合いはないのだ。

たとえ合意文書に、もし期限が明記されなくとも、すでに北朝鮮外務省は9月3日次のように声明している。「共和国と米国は、年内に現存各施設を無力化することを合意した。それにそって、米国は、テロ支援国の名簿からわが国を削除し、敵性国貿易法による制裁を全面解除する政治経済的保障措置をとることとした。」と。内々、朝・米の「指定国解除」は、二国間では合意済みということを暗示しているのだ。

 

日本は、テロ指定解除と核の無力化が表裏一体である事を、理解できないか、意図的に妨害しているかのどちらかである。それは、いずれにせよ極東アジアの平和への敵対行動に他ならない。

この一両日に発表されるであろう第二段階6者協議合意文書で、日本の北敵視政策の破綻が明らかになるであろう。それでも尚、福田政権は、安倍の拉致を利用した民族排外主義的反人道主義的対北政策を継承し、極東の平和体制構築の破壊者となるのか、見届けなければならない。

 

 

(6)  ○国家権力の、朝鮮総連に対する人権蹂躙と、腐敗堕落した「救う会」との癒着

    ○ 北朝鮮に対する経済制裁延長に抗議する

 

 

福田政権は、10月13日に期限切れとなる北朝鮮に対する経済制裁を更に延長することを決めた。拉致問題が解決しないからだと言うのだ。唯一、60万在日同胞の祖国への直行便である“万景号”の入港禁止、輸出入や銀行口座の閉鎖等、人権を無視した制裁の継続である。安倍の反社会的遺産である、日本軍慰安婦問題に対する米下院決議への、国家としての回答と行動を無視することも含めて、許しがたいことである。

 

安倍は政権を手に入れた直後から、「法の厳格な適用」と「総連内部のテロ関係者の摘発」と言う根拠薄弱な理由や微罪をでっちあげ、公安警察と機動隊を動員して総連本部、地方組織の建物、朝鮮学校施設等、手当たり次第に、強制捜査に入り、それを全国化していった。マスコミは、権力の情報を鵜呑みに垂れ流し反民族的敵意にも似た北朝鮮キャンペーンに同調した。在日朝鮮人婦人が病弱の祖国の母親に送ろうとした「栄養剤を」を「薬事法違反」だとして家宅捜査までおこない、マスコミが「生物兵器への転用か?」と大騒ぎした責任を取ったと言う話は聞いたことが無い。「救う会」の西岡力常任幹事と「特定失踪者問題調査会」の荒木和博代表は、国会で横田めぐみさんを見たと証言をした「北工作員」安明進をマスコミに売り込み出演させ、あること無いことを吹聴させた。かれは、過日ソウル地裁で麻薬の売買と常用で4年の懲役刑を受けたが、西岡らと麻薬を所持したまま、日本を出入りしていた事実が明らかとなったが、権力とつるむことなしに、こんなことが出来るのか。つるんでないとすればどうしてこんなことが出来るのか、国家は、明らかにする責任がある。安は、西岡、荒木などと一緒になって、日本の至る所に北工作者が満ち溢れているかのように証言し、単なる行方不明者を失踪者に仕立て上げ、その数は増えるばかりだ。クリストフアー・ヒルならずとも「日本の言う拉致の解決とは何を持っていうのか?」と聞いてみたいものだ。「救う会」では、全国市町村の窓口に置かれた「寄付」用紙によって送られてくる善意の寄付金の使途をめぐって横領疑惑も取りざたされている。こんなことは、いずれはっきりするだろう。

極東の平和にとって有害無益な、拉致問題を食い物にし、「拉致」を商売とする、これら「救う会」グループと国家権力との、黒い関係を今後暴いていかねばならない。

 

警察公安が新たな拉致事件やスパイ事件を捏造し世論を炊きつけるごとに、権力と連動した反人間集団の蛮行が、盲目な国民、右翼国粋主義者の薄汚い魂に火をつけ、拡大している。朝鮮総連本部施設や関係者に対する斧による脅迫、切り落とした小指の送付、放火、朝鮮学校生徒に対する嫌がらせは、安倍が権力についてから特に顕著である。これらは、かって、天皇制帝国主義の植民地朝鮮における、朝鮮人狩りという、おぞましい非人間的姿や、1923年関東大震災時の6000人〜7000人とも言われる朝鮮人虐殺事件とダブルのである。これらの事件は、権力がそれを牽引し、また誘引してきたことを、今こそ福田自公政府は恥じて省みるべきであろう。

福田は、安倍時代の蛮行を究明再調査し、公安警察と安倍政権の責任を取って、朝鮮総連と在日朝鮮人に対し謝罪すべきである。

これら日本の国家権力の行為が、極東アジアの平和を模索する、アジアの民衆の願いを踏み躙るものであることは、明白である。

 

(文責 柴野)