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社会主義の展望シリーズ第4段




(韓国・社会主義労働者政党建設準備会<社労準>機関紙2009年9月2日) 

 

http://spt.jinbo.net/

http://sptzin.tistory.com/149

 

ベネズエラ統合社会主義党:社会主義への移行の加速化を準備する

 

 

 

8月1日ベネズエラ統合社会主義党(PSUV)は、全国的に1556箇所で地域総会を開催し、党の組織的土台を、地域‘パトロール’(Patrullas:警備隊/巡察隊)に再編する計画を論議した。こんな動きは、国内外的に反革命攻勢が強化される緊迫した情勢の中で、革命組織を強化する為の対応だ。

8月4日、ウーゴ・チャベス大統領は自身の役割が、“ボリバリアン革命の加速器(アクセル)をひき続き踏むこと”だと明らかにしながら、“今日、ベネズエラで我々は、真正な社会主義的民主主義を創造している。”と主張した。










△写真(上)2008年12月16日、‘改憲案掲げ戦線へ’と書いたプラカード。(下)2008年12月6日カラカス。チャベス執権10周年記念行進。プラカードには、‘10年はとても短い、チャベスと革命は生きるためにある’

 

革命政党の再組織化

 

 



2006年、再選に成功したチャベスは、民衆と革命、社会主義に服務する新しい党を基層から建設する事を訴え、この訴えに応じ、約600万名が2007年4〜6月にPSUVの党員に登録した。この当時、約300名の地域‘大隊’(battalian)の形態で結合した数十万名が、2008年初めに、創党大会の過程で結合した。

 

しかし、創党大会で提起された全国指導部の評価は、基本組織としての大隊構成の過程で、多くの実務的難関が発生し、その結果、地域集会が深刻に縮小されたし、党の事業と政治活動が萎縮されたと言う指摘だった。従って、党指導部は,過去の召還投票(と各種選挙対応の為に組織された選挙闘争団(UBES)の経験を生かし、基層党組織の再編計画を発表した。

党組織再編の核心は、同じ地域に住みながら互いによく知る活動家たちを、20〜30人規模のパトロールに再組織するものだ。この様な基本組織規模の縮小は、党の組織力量と凝集性を強化しようと言う目的を持っているのであり、10月10日に予定されたPSUV・2次党大会まで、10万、乃至20万のパトロールが組織されるものとして予想されている。

党指導部は、このパトロールを、地域単位で編在されるものだと明らかにしたが、党内左派たちは、事業場単位でも現場パトロールを組織するはずであり、青年党員達は高等学校と大学でもパトロールを組織するはずだと言う。

今年新たに加入した150万名の新入党員の中で、60パーセント以上が29歳以下の青年層であるが、彼らの総会参加率は極めて低調だ。

党再編計画を明らかにした文書は、地域活動とイデオロギー的強化を強調したし、これは“社会主義への移行を加速化”するのに決定的だと主張した。この移行過程は、ブルジョア国家の、革命的・民主主義国家への変革、生産手段に対する社会主義的所有関係の創出、イデオロギー文化革命を通して、労働民衆の間で革命意識の創出等を指向している。

 

ボリバリアン革命と革命政党

 

(訳注―19世紀スペインの支配から、ラテンアメリカの解放の為に戦ったSimon Bolivarの名をとっている)

 

 

ベネズエラの、21世紀の社会主義革命はまだ進行形だ。従ってこの革命を容易く評価すると言うのは早い。

けれども、クーデターと石油サボタージュ、召還投票(チャベス再選)など主要な階級闘争を媒介に急進化されたボリバリアン革命は、21世紀の社会主義革命として方向を定めた。革命勢力を総結集させた革命政党(PSUV)の、下からの組織化に、その未来が繋っている。

紆余曲折のあげく、(大統領の)再任制限を解除した改憲が通過されるが、チャベス政府に対する国内外的反動の攻勢が強化される中で、チャベス政府よりは、革命政党の民衆的結合と組織的強化が、21世紀社会主義の物質的土台を構築するのに、更に決定的要素となるだろう。新しい政党の革命の実験なしに、21世紀社会主義の建設は不可能だ。

 

ウオン・ヨンス

 

 

 

PSUVの、パトロール総会討論用情勢分析―要約翻訳

 

 

国際的状況

 

 

○現時点で、最も重要な国際的問題は、過ぐる何年間かのウリベ政権の挑発によるコロンビアとの外交断絶だ。コロンビアは、五つの米軍基地を建設する事を決定したし、チャベス政府がコロンビア民衆解放軍(FATC)と連携したと言う非難を続けた。

 

○米国の軍事基地は、我が革命に対する挑発であり米国とコロンビア政府はラテンアメリカで革命勢力の前進を阻止しようとしている。

 

○コロンビアは、米国と自由貿易協定を締結したし、その結果、両国間の交易が減少するであろうし、コロンビアは第2の市場を失うであろう。それによって、コロンビアの経済危機は激化されるだろうし、ベネズエラの反帝国主義的立場は強化されるであろう。

 

○もう一つの重要な問題は、ホンジュラスのクーデターだ。クーデターは、ホンジュラスの民主主義と民衆運動に対するクーデターであるとともに、ラテンアメリカ、特にALBA(我がアメリカ民衆の為のボリバリアン対案/同盟)に対するクーデターでもある。米国政府の曖昧な態度にも拘わらず、帝国主義が軍事クーデターに介入したのは疑問の余地がない。

 

○ホンジュラスのクーデターの教訓は、革命過程がいささか少ない帝国主義であり、あらゆる革命、或いは民主化過程は、民衆に根を張った統合された革命政党を通して、帝国主義から革命を防衛しなければならないと言う点だ。ベネズエラ革命に対する帝国主義の攻撃に対決する準備をしなければならないし、反帝国主義的進歩勢力の大陸的―全地球的団結を強固にしなければならない。

 

 

国内状況

 

 

○国際情勢とともに、ベネズエラの革命プロジェクトもまた、革命が前進することに従って、さらに一層矛盾的状況のなかで展開されるであろう。チャベス政府は危機対応策を通して経済不況を避けるのに成功し、石油価格下落と世界経済危機を考慮すれば甚だしい成功だ。

 

○これによって、革命の政治的地位は強化されているし、革命の進化の為の公的統制に効率性を高めなければならず、PSUVは監視者の役割と政府に対する政治的指導力を強化しなければならない。

 

○社会主義への移行を加速化する戦略は、1)ブルジョア国家の、革命的民主主義国家への変革。2)経済発展と生産手段に対する社会主義的所有関係の創出。3)深奥なイデオロギー的―文化的革命を通して、労働大衆の革命意識の創出など3大闘争路線を綜合しなければならない。

 

○こんな状況で、社会的所有、教育、地域評議会、労働者、労働者評議会、選挙参加、文化などに対する立法が推進されなければならず、民衆の支持と革命の政治的ヘゲモニーを確保しなければならない。

 

○最後に、私的言論財閥が政派的に悪用するラジオ周波数と、TVチャンネルの不法使用を制止する法案を準備しなければならず、2010年議会選挙を控えて、チャベス大統領の除去を図る‘ホンジュラスの道’を利用する可能性を遮断しなければならない。

 

○ベネズエラは、ホンジュラスではない。我が革命が社会主義に向かった前進を防御する事が出来ることを証明しなければならない。

 

翻訳 ウオン・ヨンス

 

(訳 柴野貞夫 2009年11月28日)