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〈韓国 ハンギョレ紙 2008年10月3日付〉

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/313883.html

 

 

突破口が見える、北韓核検証の葛藤


 

 

●     ヒル国務次官補の訪北で、〇ヨンピョン核施設不能化、〇テロ支援国指定解除、〇対北エネルギー支援を主たる内容とする「二段階」(行動措置)は、締めくくりの段階に入った。

 

 

● もともと、米国が当初(北に)要求した“核検証の国際的基準”なるものは、“敗戦国でなければ受け入れられない”水準のものだ。 米国が、こんな水準の要求を継続すれば、交渉はうまく行くはずがない。

 

 

●信頼の水準を高める為に、「平和体制の論議」を、最大限早く始めることが必要だ。

(本文より引用 訳注)

 

 

 

検証をめぐる葛藤で、やまを迎えた北韓の核検証問題が、クリストポ・ヒル米国国務部次官補の訪北協議を通して、解決の手掛かりを探るようだ。

六者会談全体が、座礁する危機は一旦越すと見える。ヒル次官補は、キム・ケグァン外務省副相は無論パク・ウイチュン外務相、リ・チャンボク・板門店代表部代表(板門店・北韓軍代表 - 訳注)などと、あまねく会った。

 

 

三日間の訪北を終えて、昨日ソウルに帰ってきたヒル次官補と消息通の言葉を綜合すると、解法の基本構図は、ヨンピョン核施設・活動とその他の施設・活動の分離にある。予め、北韓が去る6月申告したヨンピョン核施設・活動に対する検証計画を6者会談議長国である中国に出せば、米国が対北テロ支援国指定を暫定的に解除する言うものだ。これによって、ヨンピョン核施設不能化とテロ支援国指定解除、対北エネルギー支援を主たる内容とする2段階〈行動措置―訳注〉は、締めくくりの局面にさしかかることになる。これだけでも、6者会談の相当な成果だ。

 

 

無論、ヨンピョン以外の核施設・活動をどんなにするかが課題として残る。そこにも忍耐心ある交渉が必要だ。米国が当初要求した検証案は、北韓に対する徹底した不信に根ざし、北韓が検証団のあらゆる要求に応ずる様に明示している。ひとりの核専門化の指摘通り、“敗戦国でなければ、受け入れられない”内容だ。

 

 

米国が、こんな水準の検証を継続要求すれば、交渉がうまく出来はしない。米国など会談参加国は、根拠ある情報を基礎に目標を圧縮し、北韓は、疑惑解消方案の工夫に、積極協力しなければならないはずだ。

 

 

今回の核検証の葛藤は、信頼の問題が6者会談進展の鍵である事をみせてくれる。米国が、所謂‘国際的基準’の検証を北韓に要求した事、や、北韓が、核施設再稼動で対応した事や、全て互いに対する不信に根ざしている。こんなに不信が衝突する構図を作っては、何も成し遂げる事はできない。従って、信頼の水準を高める事が出来る平和体制の論議等を、最大限早く始める必要がある。ヒル次官補とリ・チャンボク代表の出会いが注目される理由だ。

 

6者会談は、完全な核廃棄と北―米さらに、北―日関係の正常化、平和体制樹立などを最終目標とする。それぐらい、行くべき道は遠い。何時も念頭に置かねばならないことは、明らかな目標意識と現実性ある実践方案だ。段階毎に成果を出さなければならないが、ひっくるめて全てのものを成し遂げる事は出来ない。であるから、行動対行動の原則の順守が重要になる。

 

 

〈訳 柴野貞夫〉