ホームページ タイトル




(韓国 ハンギョレ紙 2009年3月12日付社説)

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/343860.html

 

 

 

‘政治的活用’の道具となったキム・ヒョンヒ(金賢姫)

 

 

○人道的事案を政治的に利用する不純な意図。

 

○重大な転換点を迎える六者会談の障害物。

 

○日本拉致被害者とキム・ヒョンヒの出会いは、植民地時代に犯した犯罪行為はそっちのけで、自身を、むしろ被害者に装う日本の狙いがある。

 

○軍事政権時代の真相糾明を求める勢力に、親北、反国家のレッテルを張る保守言論                  

 

(本文から 訳注)


 



△大韓航空機爆破犯キム・ヒョンヒ氏と、キム氏に日本語を教えるために拉北された、田口八重子の家族との面談を大大的に報道した日本の12日付新聞ら(出処 ハンギョレ紙)

 

 

 

1987年大韓航空(KAL)858機爆破テロ事件の犯人、キム・ヒョンヒ氏が、北韓に拉致された日本人、田口八重子の家族に一昨日会った。キム氏はピョンヤンで、イ・ウネ(李恩恵)と言う名前だった田口から日本語を習ったと言う。そんな田口の息子が一歳のとき、生き別れした母の消息に気をもむ姿を、多くの人々が、不憫な心境になる様させて見せたのだ。

 

 

どんな理由からであろうと、人を拉致して肉親を引き離すことは、明らかな犯罪行為だ。北韓は、2002年、過去の日本人拉致を是認して謝罪した。今は、その解決に一層努力する姿をみせるのが道理だ。

 

 

(しかし)問題は、こんな人道的事案を、政治的に利用しようと言う不純な意図にある。

 

 

日本は、今回の出会いを契機に、対北圧力を一層強化する態勢だ。韓国までここに引き入れようとする。そうであると、拉致問題が容易く解決されるか疑問だが、まかり間違えば、北韓との対決様相が固まれば、重大な転換点を迎える北核6者会談にも、障害物となるので心配になる。

 

 

日本のこんな態度が、過去、植民時代に犯したあらゆる犯罪行為はそっぽを向いたまま、自身を却って被害者であるかの様に押したて様と言う意図だとすれば、更に非難されて当然だ。今回の出会い(拉致被害者との面談)が成り立ったのは、拉致問題を争点化し支持率を上げて見たかったと言う麻生太郎内閣の下心もあったと言う。こんな事に筵(むしろ)を敷いてやった計算となった韓国は、人道的事案に協力したと言う名分は得たのかも知れないが、食い違ったまま捻じれた南北関係に対する負担は、さらに大きくなった。

 

 

尚且つ、保守性向の言論たちが、先の政府(ノムヒョン参与政府)の‘KAL機爆破捏造説’介入論難を膨らませたことは、見っともない。キム氏は、去年、話でも、ノ・ムヒョン政府の国家情報院が、一部の捏造説を認定するように強要したと主張したところだった。こんな物議に対しては、(ノ・ムヒョンから)イ・ミョンパク政府に入って、国情院が真相調査を拡げているのだが、何の根拠も見つかっていない。国情院出身であるハンナラ党の議員まで、キム氏が何か誤解したようだと言ったという。そうなのに、根拠ない陰謀論を唆(そそのか)しているので、反対勢力に親北(朝鮮)や反国家のたぐいの色を塗ろう(レッテルを貼ろうと)と言う態度だと呼ぶしかない。

 

 

こんな物議自体が、本末が転倒されたものだ。キム氏は、乗客と乗務員115名を犠牲にさせた航空機テロの犯人だ。肉親を失った遺族達の前で、自由闘士のように出しゃばる立場ではない。こんなキム氏を推し立て、政治的に悪用しようとする勢力たちは、更に悪い。

 

 

 

(訳 柴野貞夫)