ホームページ タイトル


 

(韓国 時事週刊誌‘ハンギョレ21’ 2009年4月3日第754号)

http://h21.hani.co.kr/arti/world/world_general/24664.html

 

 

 

ハンギョレ21・〔創刊15周年企画〕(世界の進歩メディアを行く)


 

 

“社会的に連帯し、反撃しよう!”

 

日本共産党機関紙として、創刊81周年を迎える総合日刊紙

 

<赤旗>編集局長






△奥原紀晴(64)編集局長


 

“野球担当記者も居ますか?”最近、ワールドベイスボールクラシック(WBC)予選戦取材のために、日本を訪問した或る韓国の記者が、東京ドームで‘同業者’に会った。日本共産党機関紙<赤旗>のスポーツ部所属の記者と会った彼は、‘意外’と言う表情が歴然としていた。そうだ、‘共産党機関紙’にもスポーツ部がある。実際のところ<赤旗>は、発行部数や、取材・報道領域を見れば、単純に‘機関紙’を越え、進歩的独立媒体(メディア)であるのが分る。<ハンギョレ21>は、3月23日午前、東京渋谷区の<赤旗>事務室で奥原紀晴(64)編集局長に会った。

 

 

―韓国の読者達には馴染がない。<赤旗>の紹介をお願いします。

 

 

=日本共産党の機関紙であると同時に、総合日刊紙だ。1922年4月15日、共産党が創党され<赤旗>は6年余後である、1928年2月創刊号を出した。創刊当時、天皇制を中心として一つの軍国主義が巨大な力を握って抵抗勢力を徹底して弾圧した。<赤旗>も激烈な弾圧を受けた。真実を知らせるために命を掛けた先輩記者たちの努力で、創刊81週年を迎えることとなった。毎日16面を発行するが、構成は一般新聞と同じだ。国際ニュースを重視して、‘国民運動’面を別途においてあると言うのが特徴だ。日刊紙と日曜版を合わせ記者は300余名で、米国、英国、中国など7カ国に支局を置いている。

 

 

―読者はどの程度になるのか?

 

 

=1880年代の一時、日刊紙と日曜版を合わせ、350万部程を発行した。現在は日刊紙30万部、日曜版160万部を発行する。定期購読義務がある共産党員40万名を除いても多様な階層の読者が<赤旗>を求めている。特にタプロイト版型で取りだす日曜版は、内容が面白く党員でなくとも楽しんで求める人が多い。

 

 

―日本も、経済危機から例外でないが、状況がどれだけ深刻なのか?

 

 

=国内総生産(GDP)成長率が、-12,1%まで墜落した。根本的な原因は大きく二つだ。はじめに、‘雇用条件’が破壊された。非正規職、働く貧困層が、過去10年間急増した。こんな状態に追い立てられた人々は、商品を消費する力がない。従って内需が崩壊した。二つ目は、輸出依存型経済体制の破局だ。自動車、電子製品、輸出依存度、特に米国の依存度が、度を過ぎて大きかったので、経済危機に外需まで破壊され、二重的に危機を経験する事になった。

 

 

―韓国も、青年失業と非正規職、働く貧困層問題が深刻な状況だ

 

 

=貧富の格差が極端化することは、新自由主義的政策を使った国々の共通点だ。日本は、年収入200万円以下の低賃金の、労働者1千万名の時代を迎えた。特に、非正規職労働者達は、雇用保険にも加入されていない上、あちこちに散らばっているので、団結して労働組合を作る事も難しい。極端な事例が‘日雇い’(日庸職・ナルプムノドンジャ)だ。彼等は、携帯電話で職場を通報され、全く知らない場所で一日仕事をし、次の日また、異なる職場を転転とする。‘社会的に連帯し、反撃しよう’と言うのが、<赤旗>のスローガンだ。

 

 

―最近世界各国で、マルクスが甦(よみがえ)っている。日本でも共産党員の加入が、増えていたと言うが・・・・。

 

 

=‘このままでは、資本主義が長続き出来ない’と言う声が、大きくなっている理由だ。‘そうであれば、共産党に一度、対案を問うて見よう’と言う雰囲気だ。他の側面もある。派遣職、非正規職、労働者達が解雇を受けた後、共産党へ連絡して来て、‘生かしてくれ!’と訴える事例が増えている。<朝日新聞>は、最近、日本共産党を‘日本版駆け込み寺’と報道したところだった。‘(カケコミデラ)駆け込み寺’と言うのは、江戸時代に、夫と別れるために逃げて出てきた女性を、保護して、離婚が可能になるように助けてやった寺院だ。一種の‘避難所’と言おうか?明日どうなるか分らない不安な人生(いのち)を、守ってもらう場所を探す彼等の足取りが、日本共産党へ繋がっている。

 

 

―危機の時代、進歩媒体(メディア)の役割は何と見るか?

 

 

=国民が、国の主人公となる社会に向かって、一歩ずつ進む事が進歩だと考える。もどかしくも現実はそうは出来ない。巨大企業の利益が最優先視される社会、国民はどんな傷を負おうと、神経を使わないのが今日の日本社会だ。





△日曜版創刊50周年迎えた去る3月1日、<赤旗>は、各界の祝賀メッセイジを1面に上げた。共産党機関紙であることでも、<赤旗>日曜版は、豊富な読み物で、一般読者達の愛情を受けている。

法と正義が生きている社会、巨大企業が思うままに出来ない社会、その様にできる政府が必要だ。‘今わが社会には何が問題なのか’を明らかにし、‘こうすれば変えられる’と言うことを、知らせることが進歩媒体の役割とみる。

 

 

―財政的困難さが、進歩媒体の最も大きい難関中の一つだ。<赤旗>はどうなのか?

 

 

=概して、楽観的だ。160万部を消化してくれる読者がいる。単純に読むだけするのではない。配達と購読料集金、読者倍加運動に支願して出る、固い草の根支部が、全国的に2万2千余箇所にもなる。日本共産党の全体財政収益の70%が、<赤旗>と<前衛><学習><経済>など雑誌購読料から出て来る。世界的に類例がない事だ。

 

 

―‘紙の媒体’の終末を取り上げる人達も居る。<赤旗>はインターネット時代をどのように生きているのか?

 

 

=インターネットの普及で、紙の新聞を読まない傾向が現れた事は事実だ。しかし、紙の新聞と言う媒体は、いろんな長所を持っている。編集の妙味を通してニュースの価値を判断する事が出来、ゆっくりと読んで行き、解説を添える事もできる。また、全面を使って特集記事を作る事もできる。一目瞭然に懸案を整理する‘一覧機能’はインターネットと比較することは出来ない。平素、<赤旗>に接する事が出来ない人達がインターネットを通して<赤旗>を知る事となり、読者となることもある。インターネットを通した‘相乗効果’を発展させていく計画を準備中だ。韓国の読者に(日本語で書かれた)<赤旗>を読んでくれと頼む事が出来ないし、・・・(笑い)指向点が一致すると言う視線で読んでくれるのを期待する。

<赤旗>は、創刊当時から日帝軍国主義に反対したし、中国と韓国の植民地化に反対し、戦う伝統を持った新聞だ。平和的地域共同体を作り出す事にも関心が多い。このため韓国にも支局を作って特派員を派遣する計画をたて、現在、韓国政府の許可を待っている状態だ。



東京=文・写真 ファン・ジャヒョ専門委員

 

(訳 柴野貞夫 2009年4月25日)