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(韓国 民衆言論ハンギョレ紙 国際記事 200984日付)http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/369529.html


      日本、新しい歴史教科書を作る会の歪曲教科書採択拡散

横浜市立中学の半分決定・・・自由社版、初めての採択


                                        東京=キム・ドヒョン特派員



日帝の韓半島植民地支配を美化するなど、侵略戦争の肯定史観を拡げている日本の右翼集団である新しい歴史教科書を作る会(新歴会)関連教科書の採択が拡散している。

横浜市教育委は、来年春から使用する中学校歴史教科書採択会議を開き、全体18個口中、8個口で、新歴会が編纂した自由社版歴史教科書を使用する事と決定した。これによって、横浜市内145の市立中学校の中で、71の場所の1学年25000名が、新歴会教科書を2年間使用することとなった。今回、横浜市の新歴会教科書採択は、行政教委単位では最近までの最大規模だ。
今田忠彦・横浜市教育委員長は、日本人として、生まれた事を悲しくさせる様な教科書は、絶対に駄目だ。としながら、自由社教科書は実に理解し易く、祖先たちがどんなに生きて来たのか、深く取り扱っている。と語った。新歴会関連教科書中、自由社版が第一線の学校で教材として採択された事は、今回が初めてだ。
これに先立ち、東京都杉並区など5つの教育委員会で、扶桑社版の新歴会教科書を採択した。4年前である2005年、全国中学校の歴史教科書中新歴会の採択率は、0.4%に過ぎなかったのに、現在趨勢としては、これよりも高くなるように見える。
新歴会は、何年か前から執筆路線を巡って内紛が発生し、既存の扶桑社版に対抗して、自由社版が別に独立し、去る4月文部科学省の教科書検定を通過した。しかし、編集方向と内容は全く同じだ。
自由社版・中学校歴史教科は、扶桑社版・歴史教科書と同じで、江華島事件の挑発主体と目的、経緯を隠蔽し、日本の韓国侵略意図を故意に否定したのであり、韓半島の地政学的位置に基いた韓半島脅威説を強調し、韓国に対する侵略と支配を合理化しようとしたと言う批判が提起されている。
                                     (訳 柴野貞夫 200987日)

 

 

<解説>

 

ハンギョレが指摘するように、「新歴会」を軸に、歴史教科書検定を通しての国家と右翼改憲勢力の教育への介入が、一段と拡大している。

 

2010年から使用する中学校歴史教科書の採択が始まった中で、20094月、文部科学省が検定合格とした「自由社」版の中学歴史教科書を、44日横浜市教委が採択した。

 

この「自由社」版の筆者らは、2005年検定合格となった「扶桑社」版と同じ、現「新歴会」(新しい歴史教科書を作る会)会長である藤岡信勝を「代表執筆者」とするグループだ。2005年、サンケイグループである扶桑社版の、全国での採択率が039%に惨敗したことによる内紛が、歪曲史観にもとずく同じ教科書を、二つの出版社から出したと言うことに過ぎない。

 

2005年当時(各教委の採択作業は、指導要領が変わるまで、5年単位で行われる)横浜市ではこの教科書を、教委6名中5名が反対したが、その後市長の中田宏は、当時ただ1人「扶桑社」版採択を主張した教委の今田忠彦を、教育委員長に指名し市教委の右傾化を促進した。

中田宏は、2005年「扶桑社」版教科書を採択した東京都杉並区長・山田宏とともに、「日本人の誇り」を理念とする「よい国作ろう日本国民会議」なる右翼団体を立ち上げようと画策し、その政治活動のため、市長辞任を表明したばかりの男だ。

 

「作る会」元会長・八木秀次が作った「日本教育再生機構」の代表委員を務める千葉県の森田健作(知事)は、彼等のグループを県教委に任命し、歪曲教科書の採択を狙っている。

 

杉並区教委は、2005年に引き続き812日、歪曲教科書の採択を画策している。

 

国家による帝国主義的侵略を美化し、日本資本家階級の私的利益のために、教育の国家支配を通して従順な国民の育成を狙う、右翼改憲勢力との広範な闘いを展開しなければならない。

 


(文責 柴野貞夫200988日)

 

 

 

<参考サイト>

 

☆ 158 韓国侵略正当化・戦争賛美―「自由社」版歪曲教科書検定通過 (韓国・ハンギョレ紙 2009年4月9

 

 

☆ 159 日本の右翼教科書(検定)を出したところは、‘品の無い’二つの出版社 (韓国・ネット新聞オーマイニュース 2009年4月10日付け)

 

 

☆ 174 《<雲揚>号事件と<江華島条約>に、光を当てた強盗的蛮行》 (朝鮮民主主義人民共和国・労働新聞 2009年7月2日付け)