ホームページ タイトル


(社会主義労働者連合・ネット版機関紙 2009年9月20日付国際記事)

http://swl.jinbo.net/bbs/zboard.php?id=st&page=1&sn1=&divpage=1&sn=off&ss=on&sc=on&select_arrange=headnum&desc=asc&no=262


 

日本の‘選挙革命’

 

体制に対する不満の拡大、しかし、<真の対案>が必要だ!

 



△歓呼する鳩山代表。しかし、大衆が民主党を願うのでは無い。/写真・ヨンハップ

 

 

○史上最悪の失業率、格差社会の拡大、1000万人を超える年収200万以下のワーキングプアー。日本社会の問題は、もっぱら資本主義自体を覆す事によってのみ解決が可能だ。

 

○破綻した自民党の新自由主義政府も、民主党の改革的新自由主義政府も、同様に資本主義体制である。民主党と言う選択は、日本大衆の憤怒の、歪曲された審判である。

 

○日本には、(少なくとも)大衆の目の前には、社会主義革命を明確に指向する政治勢力が全く無い。「民主党」と言う歪曲された「対案」でなく、「社会主義革命」と言う「真の対案」によって、大衆の憤怒が(日本で、韓国で、そして世界で)資本主義体制それ自体に向かう闘いに集約されねばならない。それには、革命的社会主義政党の建設が急務である。

(本文より―訳者)

 

 

8月30日、日本の総選挙で民主党が圧勝した。54年ぶりの政権交代だ。‘選挙革命’だと云々して、全世界が大騒ぎした。民主党の選挙勝利の原因は、一つに集約されている。自民党の新自由主義路線に大衆が反発したのだ。

 

日本は、小泉の市場万能主義の下、深刻な‘格差社会’となって行った。小泉政府の派遣社員制投入で、非正規職が急増したし(2008年34%)年間200万円以下のワーキングプアー(いくら働いても、貧困状態から抜け出せない人びと)が、1000万名を越えた。過ぎし10年の間に、国民平均所得が100万円も減少し、社会保障関連予算は2005年以後、毎年2200億円ずつ減少した。

 

今回の選挙で、民主党の圧勝は、こんな状況に対する大衆の反撥だった。言論でも、‘大衆が民主党を選択したと言うより、自民党を審判したと見るのが当たる’と話すように、自民党政権に対する不満が民主党に対する投票に繋がったのだ。長期不況以後20年を越えて、低成長とこれによる史上最悪の失業率を解決できない自民党政権を、大衆が審判したのだ。

 

 

民主党(と言う選択)が、<対案>なのか?

 

 

しかしこれは、‘歪曲された審判’だ。

新たに登場した民主党政府は,同様に資本家政府であり、たかが、改革的新自由主義に過ぎないからだ。

これは、民主党政府が、自主‘日本式キム・デジュン(金大中)、ノ・ムヒョン(盧武鉉)参与政府’に比喩されるのを見れば分る。言論でも、民主党の構成員達を分析し、大きい変化は無いものと言う。

 

日本の問題は、もっぱら資本主義自体を覆してしまう事を通してのみ、解決される事ができる。そして、これを可能にするのは、ただ、社会主義革命だけだ。しかし日本には、社会主義革命を指向する政治勢力が全く無い。最小限、大衆の目の前には無い。この事が資本主義体制に対する大衆の不満が、歪曲された形態で表現された主たる理由だ。

行く所なき大衆の不満が、それでも民主党に集められたのだ。

 

これは国民達が、圧勝の要因として‘有権者の政権交代の希望が、大きい理由なのか?’と言う質問に、81%が‘そうだ’と答えた反面、‘政策を支持するのか’と言う質問には、38%だけが‘そうだ’と答えた点で、見えている。(朝日新聞世論調査)だけではない。国民は、民主党が‘古い日本の政治を大きく変える事が出来ると考えるのか、’と言う質問に‘いいえ’(45%)を更に多く回答し、民主党政権下でも、日本の政治が容易く改革されないと言う悲観的視角を持っている事を表している。

 

 

真の<対案>が必要だ!

 

 

こんな現象が、韓国でも類似するように繰り広げられている。昨年、イ・ミョンパク政権誕生以後、イ・ミョンパク政権は、まともな硬い大衆の支持を、一度も受けて見た事が無い。そしてそれは蝋燭闘争として、あまりにも明らかに確認された。とうに、イ・ミョンパク政権は、常時的な‘政権退陣闘争’の脅威の下に置かれている。しかし、イ・ミョンパク政権は、自身に対する大衆の不満にも拘わらず‘決定的な危機’は免れている。むしろ、支持率はただの一度も1位を逃した事は無い。そしてこんな状況は、資本家体制を覆す確実な対案勢力が登場する前まで、持続されるだろう。

 

今回の日本の総選挙で現れた様に、各国の資本家政府、そして世界資本主義体制に対する大衆の憤怒が、積もるままに積もった。それは、すでに頭を持ち上げている。しかし、大衆の憤怒を、資本主義自体に立ち向かう挑戦として、正しく乗り出す事ができる闘争の求心点が、確固として守られていなければ、その(大衆の)憤怒は、再び集める事が出来なくて、散ってしまう他はない。

 

だから今、我々に社会主義革命政党の建設は、あまりにも重要だ。闘争指導部、革命指導部を、まともに立てるのか、散すのかは,我々の闘争の成敗にかかっている。

 

ジョ・ヨンテ

 

(訳 柴野貞夫 2009年10月14日)