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(韓国・労働解放実践連帯―「社会主義政治新聞・ヘバン(解放)54号」2010・5・11)

http://hb.jinbo.net/view.php?ho=54&cat=diagnosis&pg=&no=5432

 

 

 

資本主義的畜産業の悲劇、口蹄疫

 

 

 

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4月8日、韓国で四番目の口蹄疫発生

 

 

4月8日、カンファグンソンウォンミヨン(江華郡仙源面)の韓牛農家で発生した口蹄疫が、全国に拡散されている。4月22日には、チュンジュウ(忠州)の豚農場で口蹄疫陽性判定が出て、4月30日には、チュンナムチョンヤングン(忠南青陽郡)にあるチュンナム(忠南)畜産技術研究所にまで口蹄疫が発生した。口蹄疫発生から半月も経たないのに、全国的に拡散する様相である。これによって、各自治体などは口蹄疫の拡散を阻止するため、各種行事を延期、縮小しており、チェジュ市(済州島・済州市)は、口蹄疫が終息される時までノロ生態観察院を閉鎖する予定だと言う。既に口蹄疫感染が疑われる所と、豚だけではなく該当地域の家畜に対しても、予防的殺処分をし、43000余頭ほどの偶蹄類が殺処分された。

 

韓国で最初の口蹄疫は、2000年に発生したが、2002年以後8年間、口蹄疫が発生せず、今年1月12日から、口蹄疫清浄国として認定される予定だった。しかし、1月7日ポチョン市(抱川市、韓国北西部・京畿道の北東にある市―訳注)で、3回目の口蹄疫が発生する事となった。そして、今回で4回目の口蹄疫がまた発生したのだ。

 

 

 

 

何が口蹄疫を深刻な疾病とするのか?

 

 

口蹄疫が、どうして畜産産業に深刻な衝撃を与えるのか、そして、どうしてそのように深刻に口蹄疫に対応するのかは、口蹄疫がどんな病気であるか知る時、理解する事が出来る。

 

口蹄疫は、言葉通り口と蹄に、水泡が生まれるのが主要な症状として現れる病気だ。この病気は、ピコナバイロスというものが発病原因で,

牛、豚だけではなく、羊、鹿、野牛など偶蹄類全体に罹る、感染性が高い疾病だ。口蹄疫ウイルスは人間、動物、車両などにくっ付き、モンゴルまで移動が可能であり、直接接触だけでなく空気や感染された精液などを通しても感染が可能だ。従って極めて伝染性が高い特徴を持つ。

 

しかし、口蹄疫が深刻な疾病として受け取られるのは、伝染性が強い為ではない。伝染性が強い疾病だと言って、その疾病が人間や動物の生命を危険にすることはない。口蹄疫の場合には一部言論で致死率が50%に達すると言うが、これは豚の場合40~50%の致死率が発生すると言うことで、牛の場合には5%未満だ。そして大部分の生きた個体は完治が可能だ。人間に対する感染が憂慮されたりするが、これも心配するほどの事はない。人間もまた、水泡発生、高熱、嘔吐などの症状を見せて完治されるが、人間の感染が確認されたのは、1966年以後はない。口蹄疫で死亡した事例も、1884年英国で感染された牛乳をのんだ子供が死亡した記録が存在するだけだ。

 

口蹄疫を深刻な病気とするのは、家畜が、口蹄疫が完治されても成長が振るわず、乳牛の場合には牛乳生産量が落ちる為だ。従って口蹄疫に罹った家畜は、商品としての価値が顕著に落ちる事となる。即ち、こんな特徴の為に、口蹄疫と言う病気が世界的に最も深刻な家畜伝染病となったのだ。

 

 

 

 

商品性の低下を阻止する為に、数百万頭の家畜を殺処分する資本主義の畜産

 

 

即ち、口蹄疫は、強い伝染性を持ったまま感染された家畜の商品価値を落下させる為に、徹底して予防し、発病時には大々的な殺処分で処置しなければならない病気だ。口蹄疫が過ぎ去って、商品性のない家畜を持っているよりは、口蹄疫の発生地域の家畜をすべて殺しても商品性を維持する様にすることが、資本の口蹄疫対処法だ。家畜に対する殺処分感染家畜、未感染家畜を選ばず進行されて、その規模は又莫大なものだ。1967年-英国、44万2千頭、1997年-台湾、44万2千頭、2001年―英国、7百万頭が殺処分された。韓国でも4月半月で4万3千頭が屠殺された。疾病を阻止するためと言うこんな処置は、決して正当化されるものではないし、疾病に対する治癒策となる事は出来ない。

 

これに加え、口蹄疫が発生すれば、他の国々は自国へ口蹄疫が拡散される事を阻止する為に、口蹄疫発生国の畜産物に対する禁輸処置を取る。口蹄疫のワクチンが存在するが、ワクチンを接種した家畜は、血液検査のとき感染家畜と結果が区分出来ないから、ワクチン接種国も、貿易制裁がとられる。

 

したがって、口蹄疫が発病した国の畜産業自体は、深刻な打撃を受ける事となる。しかし口蹄疫に対する措置は、世界の資本主義的側面で見れば、胴体を保護する為にしっぽを切るトカゲの行為同じだ。特定地域が血を見ても、畜産業自体の市場性を守るのが口蹄疫に対する資本の姿勢だ。



(訳 柴野貞夫 2010・5・23)