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(朝鮮中央通信 2010814日付)
http://www.kcna.co.jp/index-k.htm

 

 

                  日本政府に送る手紙

 

 

 

(ピョンヤン812日発、朝鮮中央通信)朝鮮民主主義人民共和国の全体被害者達と遺家族一同は、12日、日本政府に送る手紙を発表した。手紙の全文は次の通り。

過ぎる日の不幸な歴史を潔く清算し、国家間、人民達の間の真情な和解と友好を図るのが国際的趨勢となっている今日、過去日帝に強制連行され、酷い精神・肉体的苦痛と犠牲を強要され、原子爆弾の被害まで被った朝鮮民主主義人民共和国の被害者達と遺家族達は、日帝の敗亡65年、韓日合併条約(原文のままー訳注)のでっち上げ100年に臨み、ピョンヤンで日帝の反人倫犯罪被害者たちの証言集会を持って、貴政府にこの手紙送る。
日帝が条約を捏造し、朝鮮を不法強占した時から100余年が過ぎ、我々が日帝に引っ張って行かれて、あらゆる民族的蔑視と不当な扱いを受け、奴隷的な徴兵暮らしと、強制労働、性奴隷暮らしを強要されてから長い年月が流れた。
しかし、日帝が、我々の体と心に負わせた痛む傷は、一生の痣(あざ)となり、我々に酷い精神的苦痛と欝憤を負わせている。
日帝の侵略戦争遂行のために、我々は一日に1418時間づつの、耐えがたい労働に苦しめられ、銃爆弾が激しく降り注ぐ戦争の場で、銃弾を受けることに追い立てられてきたし、朝鮮の女性たちは、性奴隷として最前線にまで引っ張って行かれ、一日に3040名の日本軍に性暴行を受けなければならなかった。
そうであっても、あらゆる種類のひどい仕打ちと蔑視、苛酷な暴行と飢えに直面したのであり、多くの朝鮮人たちが、人間の想像を超越する野獣的蛮行によって虐殺された。
徴兵、徴用令状一枚に、父と兄上、息子達娘達を奪われて、長い間生死の当否も分らないまま遺骨もない式を執り行うとか、或いはまだ生きているかも知れない血縁を探し、胸を悩まして日本の土地に引っ張って行かれたが、原子爆弾の被害まで受けて不治の病に苦しんでいる人達がどれだけなのかは分らない。
いまも、目を閉じれば、日本軍の悪行に怨恨を抱いて倒れた我が兄弟たちの姿がありありと浮かび、耳を傾ければ、万里他郷の山と河、海、平野に、投げ捨てられた同胞達の無縁仏の、やるせない慟哭の声が、いま聞こえる様だ。
しかし、この苦痛と犠牲に対して、日本政府は長い65年の間も、謝罪と賠償を回避している。日本政府は、この様な不幸を招来した自らの行為を、破廉恥に正当化し、美化粉飾している。
今、日本で朝鮮に対する強占史に対しては無論、強制連行と日本軍慰安婦犯罪に対して叙述した教科書は、唯の一つも探して見る事が出来ない。
政府高位官吏たちと政治家たちが先頭に立って、朝鮮に対する軍事的強占(??-カンチョム)を正当化し、御用言論達が強制連行と慰安婦犯罪を公然と否定するなど、甚だしい歴史歪曲行為が広がっている。
日本政府と右翼勢力が主導する反共和国騒動に、全日本社会が巻き込まれてしまうのかと思うと、日本の過去犯罪の直接的被害者である在日朝鮮人達を、粗略に差別し弾圧する妄動が、合法的に、組織的に、強行されているのが、即ち日本の現実だ。
日本の、これと同じ仕打ちでは、時間を引っ張りながら我々の被害者達がすべて死亡する事を待って、過去清算を必死で回避する一方、軍事大国化を急き立て、大東亜共栄圏の昔の夢を、実現してみようと言う陰険な目的が隠されていると計って見る他はない。
仮に、我々の被害者達がすべて死ぬとしても、清算されない日帝の反人類的犯罪は、永遠に世上の人々に醜悪な日本の姿として映ずるだろうし、我が人民は世紀を置いて積まれた怨恨を絶対に忘れず、血の対価を必ず受け取るだろう。
日本が時間を引き延ばしながら、過去犯罪に対する謝罪と賠償を回避すればするほど、それに対する我が人民の怨恨と憎悪は、さらに増大するものであり、何倍も大きくなるだろう。
朝鮮民主主義人民共和国の全体被害者達と遺家族達、人民達は、日本政府が840万余名に達する朝鮮人たちを侵略戦争の戦場と苦役場に、強制で連行していったのであり、100余万名を虐殺し20万名の朝鮮女性達を日本軍の性奴隷に転落させた醜悪な犯罪に対する清算を、今日までも執拗に回避しているが、向かい合って厳粛に抗議しながら、一日も早く過去犯罪に対する謝罪と賠償に乗り出すのを今一度強力に要求する。
日本が、我が人民に犯した過去犯罪に対する清算は、しても良く、しなくても良い問題ではない。過去犯罪に対して、誠実に謝罪し賠償する事は日本政府の国際法的、道徳的義務であり、必ず履行しなければ駄目な、歴史的国家的責任だ。
日本政府が真情に、国の前途の為に国際社会の一員として晴れて生きることを願えば、過去清算に対する全体の被害者たちと人民達の要求を受け入れて、被害者達が生きている間に、自からの責任と義務を尽さなければならないだろう。
朝鮮民主主義人民共和国の全体被害者達と遺家族達を代表し、日帝の反人倫犯罪被害者達の証言集会に参加した被害者、また、遺家族一同             主体992010)年812日、ピョンヤン

(訳 柴野貞夫 2010814