ホームページ タイトル

 

(韓国・民衆言論 ハンギョレ 2008年1月20日付)
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/264404.html


             大統領に当選した李明博の反統一的詭弁


大統領職引継ぎ委員会が、去る16日統一部廃止案を発表した以後、イ・ミョンパク大統領当選者と引継ぎ委員会・ハンナラ党関係者の行動をみると、統一問題に対する低級な認識水準と、即興的接近態度がそのまま現れている。参与政府の政策の否定だと言う水準で、全てのものを裁断してみるので、平和統一と言う国家課題(への対応が)いたずら小僧のようになっているのだ。建国以来、類例なきことだ。
(大統領職)引継ぎ委員会は、“海外資源の開発、投資誘致などを主業務とする特認長官が南北関係業務を担当する。”と語った。統一政策を立案して総括する統一部の頭と手足・胴体などを分解して調べさせた後で、腕の一つを特任長官の肩に付けると言うやり方だ。世論の反撥を鎮めようとする臨機応変式対応だと言っても、醜く下手な手だ。引継ぎ委員会側は、“分断国家だった東ドイツでも、統一専担部署がなかった。”という、間違った話までした。真実を糊塗した(ごまかした)としても、統一部を処分すると言うのは、意図が、本当に何やら気がかりだ。
アン・サンス、ハンナラ党・院内代表は、去る18日の放送に出て、“統一部が統一問題を理念的次元や、国内政治的次元で取り扱いながら放漫に運用されてきた。”と主張した。いままで、統一部がしてきた業務が、理念的・政治的次元で、気に入らなかったと言う話だ。客観的視角で厳正に是々非々を選ぶのではなく、否定的認識を前提に統一部の廃止を追い込んでいることを吐露する発言だ。国民は、眼中にも無い姿だ。
イ・ミョンパク(李明博)当選人は、更に一歩踏み出して、“統一問題で、統一部と、北韓統一戦線部の二つが、ひそひそと話して為る物ではない。”と主張した。“(その間、対北交渉は)密室で、行ったり来たりした。”という話もした。南北の専門担当部署のあいだの、統一関連の交渉を‘密室接触’の水準に格下げさせて、これを統一部廃止の名分に押し立てるのだ。これは今後、統一政策を正しく推進しないと言う宣言と同じだ。南北当局間の出会いが、最も公式的である事なのに、これさえ否定しているからだ。一個の野党政治人と言うのであれば、分からなくても、すぐ大統領に就任する人として、憲法に規定された‘平和統一努力の義務’を放棄する行為だ。
統一への努力は、決して外交で代替されない。そうでなくても、新しい政府の曖昧な対北政策の基調と関連して国民たちの疑がいが大きくなる状況だ。初めのボタンを掛け間違えたら、全てのことが捻じ曲がる。イ(李)当選者と引継ぎ委は、詭弁から出て、歴史と民族の前に責任ある姿勢を見せることを願う。
                                              (訳 柴野貞夫)