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(韓国週刊誌 <ハンギョレ21>709号 200858日)
http://h21.hani.co.kr/section-021019000/2008/05/021019000200805080709062.html


         ‘資本主義式経済革命’を推進するネパール共産党


                               トマンズ・ポカラ・カプリ(ネパール)=文・写真
                                       イ・ユギョン国際紛争専門記者


“今後10年、ネパールで‘資本主義式経済革命’を推進する計画だ。”1967年‘ネパール共産党’(CPN)に加入した以降、分裂と合党を重ねて来た共産党の歴史で、絶えず急進的な路線を追ってきたマオイストの核心幹部中の一人、ティナナトゥ・シャルマ(62)ではないか。
ネパール共産党=マオイスト代弁人である彼の口で、‘資本主義式経済革命’と言う言葉が、たやすくも漏れ出たことは、明らかに意外だった。
彼は、マオイストを相変わらず‘テロ団体’と規定している米国との外交関係に対しても、“どうせ避けることが出来ないことではないか”と、悠然たる姿勢を見せた。
 期待以上の善戦に驚かなかったか。
われわれは、直選の議席としてさえ130席以上を確保すると予想した。無論120席を得たことも満足に値するが。
  <ネパール議会党>と<ネパール共産党・マルクスレーニン連合>側から、選挙をめぐってうるさい。内閣辞退も繋がったし。
未成熟な行動だ。選挙結果が彼らの予想値に届くことが出来なかったことは、国民から信任を失ったためだ。しかし、われわれは連立政府を希望している。この点で、二党とすでに合意点があったと信じている。
  制憲議会の初の会議で、‘共和国宣布’が物理的に不可能だと言う主張もあるが。
‘連邦共和国’は、すでに現議会が合意した事項だ。制憲議会は、単にその合意に従い、宣言の手続きを踏むことにすぎない。再論の余地はありえない。(△ マオイスト幹部 ティナナトゥ・シャルマ
  キャネンドゥラ国王に、王宮を自発的に去れと要求したが、まだ別に反応がないが。
人類史を見れば、封建王政の終末は二種類だった。亡命の道につくか、人民の手に処断されるか。二種類全て我々の願うところではない。彼が平和的に王宮を去ることを願う。万一、王宮を去ることを拒めば、彼の次の処置は他の党と協議して決定をする。
  人民解放軍と、王制冶下の国民軍の合併が易しくない様だが。
平和協議を持続しなければならない。軍隊合併問題も平和協議の重要な部分だ。これ以上武装闘争を願わない。ネパールには大きな規模の軍隊が必要でない。軍合併以後、減軍など軍改革を断行する予定だ。
  ‘資本主義経済革命’を挙論するが、率直に(言って)意外だ。
去る10余年の間、封建王制にけりを付ける‘政治革命’を経験した。今、‘経済革命を遂行する順番だ。’封建王政は資本主義の障害物だった。現ネパールの資本や生産力の水準では、共産主義も社会主義も不可能だ。
○ 貧富格差など、資本主義化が量産する矛盾はどうして解消するのか。
労働と資本の矛盾はよくわかる。下層民に恵沢(恵み)を分かち合うことは我々の最優先課題だ。共産主義を放棄することではない。無論、過去に存在したその様な共産主義に従う事もない。民主的体制に平行して開発する新しいモデルを追及する。
○ 経済開発のためには国際社会の手助けが必要であろうに、膨張主義者と批判してきたインドの影響力が広がることはないのか。
全ての国際社会が、協力と援助の手を送っていただくことを願う。ネパールはインドと中国と言う二つの巨大な隣家と友好的関係を維持しようとする。無論膨張主義政策は反対だ。
○ 米国はマオイストを、相変わらずテロ団体と規定している。
帝国主義に絶えず反対してきたし、これからも帝国主義者たちの政策は、決して支持することは出来ない。しかし、米国との基本的外交関係は避けることは出来ない。テロ団体規定は、彼等が改めなければならない。
○ チベット難民に対してはどうか。難民の示威に対する警察の対応が過度だったと言う指摘が多いが。
チベット問題は中国内部の問題だ。どんな難民も、我々の土地を利用して第三国に越えていくことを願わない。(絶対多数のチベット人たちが、ネパールを経由して亡命政府があるインドのタラムサルラに向かっているー編集者)原則的に表現の自由を尊重する。チベット社会に対してはこれ以上言う言葉はない。
○ 過去史を究明して戦争期間中の惨状を治癒する‘真実と和解委員会’構成に積極的でないと言う批判も出ているが。
全く、そうじゃない。最も多い犠牲を払ったのは我々だ。大部分の失踪事件はマオイスト側に発生した。われわれは、真実と和平委員会がきちんと構成され効率的に運営されることを願う。
 マオイストが招いた失踪事件に対しても調査するのか。
勿論だ。
                                              (訳 柴野貞夫)

<解説>
ネパール共産党・毛沢東主義派が、中国革命における毛沢東の理論と実践を歴史的な手本として来たのかどうかを問うのは、あまり問題ではない。「マオイスト」は、シンボリックな意味はあっても毛沢東思想のコピーではないようだ。彼らが、70年代の創設から、80年代からの国内戦をたたかいぬき、農民と下層階級不可触抑圧民の解放を掲げ、王制廃止と共和制を主張、多くの知識階級の支持を受け国家権力と平行してネパールの多くの地域を、武装した「二重権力」によって実効支配してきた歴史を検証することこそが必要である。
それが、選挙を通して制憲議会の多数派形成に繋がった事実と、議会多数派として今後、民衆に訴えてきた党の目指す社会主義の目標と理想をいかに実現するのかと言う道筋を明らかにするかもしれない。
一方そのことが、武装闘争を否定してきた「ネパール共産党・マルクスレーニン派」が、4月総選挙において連立与党「議会党」と共に惨敗した原因も同時に明らかにするであろう。
しかし、「マオイスト」たちが“政治革命にけりをつけ、今は、経済革命の段階”と言うとき、二重権力下での民衆の行政権力や代議組織がどんなものであったのか、それと既存の制憲議会との関係をどうするのか、また“ネパールは、社会主義の実現に至るには資本と生産力の水準が低い”と言うとき、資本主義世界経済に包囲され、帝国主義世界市場の支配から逃れられない「一国社会主義」と言う反革命理論への批判であれば良いが、社会主義は、資本主義の発展を「経由」してしか実現できないとする理論を主張するものであれば、それはスターリニストの悪しき「二段階革命」に他ならない。
中国革命に於いて、民族ブルジョアジーとの四民ブロック(国民党・蒋介石との同盟)が、上海クーデターを引き起こし、中国労働者階級とその組織を解体し、中国共産党の「労働者階級の基盤を欠いた」農民と知識人階級の「プロレタリヤ独裁」が登場した。その後の中国共産党と毛沢東主義の混乱は、後進国革命がそのブルジョア的課題さえ、資本家階級によってではなく、プロレタリヤ階級とその組織によってけりをつけることができると言う、ロシヤ革命の「永続革命」の理論を否定したからだ。
記者の、「資本主義が量産する矛盾はどうするのだ」と言う疑問は、広範なれパール民衆の不安でもある。これに、マオイストがどのように答えていくのか、今までの共産主義に捉われない『新しいモデル』に、われわれは期待をしたいものである。