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(論考/「極右団体・日本会議で繋がった、安倍と籠池の二人三脚」 2017年4月1日) 


       
[森友学園ゲート]その(1)
     極右団体・日本会議で繋がった、安倍と籠池の二人三脚


                                                  柴野貞夫時事問題研究会


瑞穂の國記念小學院は「靖国型国家主義教育」の理想と考えた安倍と右翼

「森友学園」をめぐって、極右団体「日本会議」と「日本会議・国会議員懇談会」の組織と人脈の流れの中で、安倍とその徒党が仕組もうとした国家組織と地方行政を連動させた大掛かりな国家犯罪が次第に明らかになって来た。
「森友学園」理事長・籠池泰典は、極右団体「日本会議」の大阪支部運営委員55名の中の一人であり、安倍と財務大臣・麻生太郎は、「日本会議・国会議員懇談会」の「特別顧問」(実態は、二人とも同格の会長である。特別顧問は、この二人だけだ)である。また、稲田防衛相もその構成員だ。
籠池理事長は、安倍総理が来阪すると、定宿の『リーガロイヤルホテル』に駆け付けることもあった〉とすっぱ抜いた雑誌が2誌ある。安倍はあくまで否定するが、その雑誌で籠池とその妻はそれを認めている。
森友学園「瑞穂の國記念小學院」開設に伴う<国有地不法払下げ>と、大阪維新一派・松井知事による、学校開設許認可における<教育行政の壟断>問題の本質は、安倍とその政権与党と、大阪府を牛耳る「日本維新の会」のファシスト集団が、「森友学園」が経営する「塚本幼稚園」の運営方針と姿の中に、自分達が目指す国家主義教育の理想の姿―靖国型国家主義教育のモデルを夢見ただけでなく、これを世論化する事が、彼らの教育支配に効果があると考えたところにある。結果、籠池泰典理事長が計画した「瑞穂の國記念小學院」開設を、全面的に支持応援する事を決断した。


「安倍晋三内閣総理大臣夫人」の肩書を使った未曽有の犯罪

安倍と松井が籠池泰典理事長と結託して、人種差別を助長し、アジア侵略の歴史を正当化し、皇国史観と軍国主義に基づく国家主義を教育指針とする「瑞穂の國記念小學院」開設の為に、骨身を惜しまず奮闘することとなった。

国民の巨額の血税を不法な手段でつぎ込み、行政の許認可権を総動員した歴史上稀に見る凶悪犯罪が、実行され始めた。
安倍は、自分の女房・昭恵を、森友学園「瑞穂の國記念小學院」開設にむけて、「安倍晋三内閣総理大臣夫人」という肩書きで名誉校長を引き受け「関与」させ、寄付金100万円を持たせた。また、昭恵お付きの官邸政府職員・谷査恵子を隠れ蓑に、国有地処分の権限を持つ「財務省」に圧力をかけ、「森友学園」側に時価を8億も下回る不当な安値で売却させた。
(後で触れるが)201595日、安倍昭恵は、講演の為に「森友学園」を訪問した時、“安倍晋三からです”と言って、百万円の現金を学校開設の寄付金として差出し、理事長側から講演料して10万円が手渡された。この時、籠池泰典理事長から「瑞穂の國記念小學院」の「名誉校長就任」を要請され、“一秒ほど間をおいて”快く引き受けた”と323日の証人喚問で、籠池理事長が、爆弾発言をしている。
一方、新設学校認可権限を持つ「大阪府」は、「森友学園」側に、露骨な便宜を画策し、松井知事のもとで、124月、「小学校設置認可基準」の「緩和」を図り、「瑞穂の國記念小學院」の20174月開校認可を強行した。
ここに、日本国憲法を否定する立憲的ファシスト政権・安倍自公内閣と、大阪府を乗っ取った「大阪維新」一派の松井知事との結託が成立し、「靖国型軍国主義教育のモデル校」と彼らが考える、学校法人「森友学園」による「瑞穂の國記念小學院」の20174月開校に向け、@国民財産の不法簒奪(国家の介入)、A教育行政の壟断(地方行政の介入)が進められたのだ。

2006年教育基本法改悪の狙い-国家主義と皇国史観で貫く事を目論んだ安倍

2006年(平成18年)926日から2007年(平成19年)827日まで、一年と持たなかった第一次安倍内閣時期の20061215日、安倍自民公明政権は教育基本法(以下教基法と言う)改悪を強行し、教育に対する際限なき国家介入への道を拓いた。これを、日本の右翼は、第1次安倍内閣の最大の成果だと自賛している。それは、安倍一派が、よりハードルの高い「平和憲法」の解体を準備する第一歩として、教育基本法の改悪を企んだからに他ならない。
「改定教基法」は「旧教基法」の前文−「平和を希求する人間の育成」と言う文言を削除、また、その第10条―「国民全体に対する直接責任」を削除し「この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの」との文言に置き換えた。
「法律の定めるところ」とは、 「省令」「政令」と言った、国家権力と、それと連動した地方行政権力が、「その行政的裁量によって出すことのできる一方的な命令」を多く含み、しばしば憲法の国民主権の理念や国民の諸権利を侵害する場合が多い。教員の管理制度、勤務評定、教科書検定、一斉学力テスト、日の丸君が代強制職務命令等、前教基法の下でも、国家は、この「行政裁量」を日常的に乱用してきた為、国家による不法行為として無数の違憲訴訟が行なわれてきたのだ。(教育現場以外でも、“NHK放送命令”などがそれである。)従って、安倍右翼国家主義政権は、彼等の権力介入を縛る10条の規定を削除、「行政裁量」によって、まず、教基法を、国家による教育支配の道具にしようとしたのである。
日本国憲法と教育基本法は、共通の理念に立ってきた。即ち、国家権力に対しては国民主権の行使によってそれを制約し、国家権力による、基本的人権の侵害を制約し、平和主義によって戦争と軍隊の放棄と集団的自衛権を禁止すると言う、平和憲法の精神は、教育に対する、国家権力の行政裁量による介入を拒み、国家が教育目標を管理強制する事を否定し、教育現場において、人権と平和主義を貫く事を要求するのである。安倍は、教基法前文の「平和を希求する人間の育成」と言う文言を削除し、憲法の平和主義を否定したのである。
安倍は、思想統制、人格統制、言論統制「自虐史観」、教育機関の国家支配は、日本資本家階級の労働者・民衆支配の道具として、「教育政策」を重点的にとり組んで来た。安倍は、日本の「教育体制」を、国家主義と皇国史観で貫く事で、日本の民衆を国家に統合する「棍棒」だと考え、異常なまでに「教育支配」に執着して来た。

国家の為に死ぬ人間を作るのが教育の目的と主張する安倍晋三と稲田朋美

安倍は、200411月、第1次安倍内閣発足の2年前、「日本会議国会議員懇談会特別顧問」として靖国神社崇敬奉賀会シンポジューム」において、次の様に言った。
“国家危急の時、命を捧げると言う人がいなければ、この国は成り立たない。”と。安倍は、国家の為に死んでもよいと考える、また国家の為に死んでもらう若者を、日本の教育によって育てなければならない―と主張したのである安倍は、1890年に発布され、1948年に廃止された「教育勅語」の文言をそのまま引用し、自らの信念として語ったのだ。
「常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ一旦緩アレハ義勇ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」(常に皇室典範並びに明治憲法を始め諸々の法令を尊重遵守し、万一危急の大事が起ったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧げて皇室国家の為につくせ。)
教育勅語は、国民主権と国民の基本的人権を踏みにじり、「天皇主権の下、皇室の運命を守り、そのために民衆は命を投げ出せ」と「朕」が命令しているのである。これは、アジアを血に染めた日本帝国主義の侵略戦争と、日本民衆を塗炭の苦しみに陥れたイデオロギーであり、人種差別主義を生み出した根源である。
森友学園「瑞穂の國記念小學院」開設にかかわって来た、安倍をはじめ、稲田防衛大臣、麻生太郎、松井知事を中心とする「維新の会」、そして有象無象の極右論客と言論の待女達が、賞賛のエールを送って来た「森友学園−塚本幼稚園」では、「教育の要(かなめ)」と称して日常的に園児達に、「教育勅語」を暗唱・素読させ、運動会では“安倍首相がんばれ、安保法制成立よかったです”と強制的に宣誓させ、自衛隊の公式行事やイベントに、園児を集団動員させていた。また中国人、朝鮮人に対するあからさまな差別文書を父兄に配布する事もした。
稲田朋美防衛大臣は、かって、夫と共に顧問弁護士に名を連ね、防衛大臣になってからも、「塚本幼稚園」園児を防衛省管轄の諸行事に動員した功績を称え、「森友学園」に感謝状を贈って来た。また少なくとも3回にわたって「講演活動」を行ってきた。
また稲田朋美は、38日の予算委員会で、「森友学園」に関する野党の関連質問への答弁の中で、2006年の月刊誌の対談で、「文部省が、“教育勅語を園児に素読させている幼稚園があるが適当ではない”と言っているが、何処がいけないのかと文部省に問い合わせた」と言った事を追求され、“道義国家を目指す、親孝行などの核の部分は取り戻すべき”と主張し、「森友学園」の園児による教育勅語の素読を正当化した。

基本的人権を否定する「教育勅語」の復活を許すな

31日の参院予算委のテレビ中継で、共産党の小池晃書記長による安倍と政府側役人に対する追求が行なわれていた時、「塚本幼稚園」の園児による「教育勅語」素読や、「宣誓」を問題にした書記長に、「素晴らしいことだ」とか「何が悪い」と言った自民席からのヤジが飛んだ。アジアの諸民族と、戦争の災禍に苦しんだ自国の民衆を愚弄するヤジと言わなければならない。これら戦争狂いの無知蒙昧の輩の存在を、一時も早く始末する事が緊急の課題だ。
皇国史観を洗脳され、将来、戦争に駆り出され、国家によって命を奪われる事を受け入れる子供たちを作ってはならない。教育勅語は、永遠に続くべき皇室の運命を助けよと命じる軍国主義的イデオロギーであり、基本的人権は一つもない。こんなことを、幼稚園児に叩き込むことは許されない。 
(次回へ続く)
●2月15日、国会(衆議院)財務金融委員会で、初めて学校法人「森友学園」と、所管行政との、国有地払下げを巡る疑惑が俎上に上り、疑惑解明の追及が始まった。
321日、国交省―補助金交付の取り消し。支払い済み5600万の返還請求「塚本幼稚園の土地、建物仮差し押さえ。工事費滞納。安倍の裏切り・大阪府の裏切り
●証人喚問(見せしめ喚問)拒否していた安倍が応じた訳.明恵の喚問は不可欠。「証明責任」を、籠池だけに求める欺瞞。
●「森友学園」に共鳴し、用地確保に不法な方法で圧力をくわえ、国民の財産を簒奪しようとした責任はどうなるのだ。
●関わりがあれば、辞めると言った安倍に、責任取らせて辞めさせようではないか。