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(韓国民衆言論 チャムセサン 国際記事2013111日付)

http://www.newscham.net/news/view.php?board="news&nid=68931&page=1&category1=38

 

 

 

米国は、新しい冷戦構造をつくるのか?
米・日の戦略関係は、アジア太平洋の平和を阻害するものだ

 

 

[(チャムセサン)編集者注] 南北、並びに中・米・日の新政府の就任を前後に、アジア太平洋を取り巻く情勢が急激な変化を予告している。昨年、釣魚島(日本名―尖閣列島)、南中国海(訳注―日本表記では、‘南シナ海’)での領有権紛争を始まりに、該当地域の国家間の軍事的緊張が高まっている。

 

米国は、アジア太平洋への外交中心軸の移動を闡明(せんめい)にし、ミャンマー、フィリピン、ヴェトナムなど、アジア国家と結束を強化し、対中国包囲戦略に乗り出した。

 

一方日本も、これ等国家と経済協力を強化し、軍事並びに経済分野の全てで、中国との対立が深化されている。独島など歴史問題と関連して、韓国との対立を深化させた日本に対する米国の牽制の下、韓・米・日−局長級安全保障会議が定例化される等、韓・米・日−共助も強化される動きだ。

 

この様な状況で、11日、人民日報海外版にロン・ウェイトン(任衛東、中国現代国際関係研究院研究員)は、“米国は、新しい冷戦構造を作るのか?”と言う題目で、“最近、中・日、中・米、米・日、中・日・米、韓国など、二国間、多国間の敏感さと複雑性によって、アジア太平洋の情勢は一層、敏感にすすめられている”とし、アジア太平洋情勢を眺望し、これに対する中国の立場を助言している。

 

(中国は)韓国、また同様にアジア太平洋を取り巻く情勢に、主要な行為者であると同時に、この様な情勢は東北アジアの平和、南北問題、経済と関連して、韓国に直接的・間接的な影響を及ぼすものと展望される。歴史的変化の時期を迎えているアジア太平洋情勢に対するロン・ウェイドン(任衛東)の意見を探ってみる。

 

 

○アジア太平洋は、既に世界の地政学的中心となっている

 

近代以後、世界の地政学的中心は一貫してヨーロッパ、そしてその後には、ヨーロッパと米国だった。第一次大戦と第二次世界大戦によって形成された基本的な世界構造は、主として強大国がヨーロッパで形成した戦略構造によって定められたものだ。冷戦を通して、米国は世界の覇権を争った唯一つの相手であるソ連を崩壊させただけでなく、ヨーロッパを確実な統制下に置いた。

 

内戦終結後、最初の10年である1990年代、米国は依然として戦略の中心をヨーロッパに置いていた。つぎの10年である2000年代、米国は、特に中東に戦略の中心を置いた。

2010年代に入ると、米国は世界戦略の中心をアジア太平洋に移動し始めた。この背景が、中国を世界覇権の主要相手に明白に位置付ける様にした。これは米国の覇権の論理に、完全に符号する。中国はソ連崩壊後あらゆる分野で、米国と競争関係を構築することができる唯一の国だ。

 

当然、アジア太平洋の利害得失は、中・米だけではなく、多くの国の発展の展望と国際的地位に重要な影響を及ぼす。アジア太平洋の構造の全般的な展開が進められる事によって、世界の地政学的中心は一層はっきりと、欧米からアジア太平洋へ移動している。

 

米国にあって、アジア太平洋は中国抑制の為の地政学的に重要な戦場だ。米国は現在、全力でアジア太平洋地域に、新しい冷戦の地政学構造を作ろうとする。こんな努力のなかで、米国は既存の軍事同盟を更に強化する一方、新しい特徴も示している。

 

第一に、米国は中国を念頭に置いた統一戦線を最大に構築している。

ヴェトナムとの経済並びに政治関係、特に軍事関係の全般的な強化、ミャンマーと、長期間萎縮されたラオスとの関係改善などがそれだ。

 

第二に、米国を中心として、ひとつの蜘蛛の糸模様の戦略構造の構築だ。

 

第三に、戦線配置強化とともに、戦略の垂直化だ。

これは日本の軍事力の発展を支持し、沿海地域の戦闘艦のシンガポール配置、フィリピンのスービック湾海軍基地再開、東アジアでの戦線配置愛強化などがそれだ。

 

第四に(中国に対する)経済的分離だ。米国は中国を排除した環太平洋経済同伴者協定(TPP)を大々的に宣伝している。

 

○日本の戦略関係は、反ファシズム戦争勝利の成果(訳注―日本軍国主義ファシズムの敗北)を犠牲にさせて、アジア太平洋の平和を阻害するもの

 

米国が、アジア太平洋で新冷戦構造を構築する過程で、最も積極的姿勢を見せているのは日本だ。

 

日本は、米国の手先のように戦略の最前線に進んで立ち、至る所で深く関与し、戦略網を構築しようとしている。米日の戦略関係が、中国抑制を焦点として高度に統一されたのは明らかだ。しかしこれは、その代価として反ファシズム戦争勝利の成果を犠牲にさせ、アジア太平洋の平和と政治的基礎を破壊するものであり、アジア太平洋情勢の激烈な動揺が不可避となる。

 

実際に、アジア太平洋の諸国家は新冷戦に反対している。米国が新冷戦構造を作ろうとする中で、日本の様な国家は極めて少数だ。

アジア太平洋の多くの国家は、明白に、両方のどの側に付く事を願わず、小国として大国に、勢力均衡政策を実施、アジア太平洋地域で大国間の戦略的均衡を図る事で、自国の安全性を高め、利益を図る余地を広げる事を希望している。

 

無論、状況は例外的に複雑で、機会と試練が併存している。米国にあって、アジア太平洋は唯一の、時期を問わない最大の戦略的中心と言う事ではない。現在米国は、ヨーロッパ、中東、アジア太平洋すべてを、選び出す事が出来ない状況に直面している。

 

アジア    太平洋は、世界地政学上の中心であり、中国にあっては開拓して獲得しなければならない主たる方向であり、同時に外部の脅威の主たる根源でもある。

アジア太平洋の地政学構造には、現在、第二次大戦以後、最も深く複雑な変化が起こっている。

中国が、アジア太平洋を世界地政学戦略の重点としなければならない事は間違いない。アジア太平洋の新旧構造の過渡期には、不確実性と可塑性が同時に存在する。

 

アジア太平洋の地政学構造には、現在、歴史的変化が起こっている。プラスとマイナス両面の闘争が交差し、複雑さが際立っている。各勢力はすべて、自身の位置をもう一度確定することとなる。新しい構造が、長期間の激烈な闘争と動揺後に形成されるだろう。中国は、(この)過程で主導的であって積極的な役割を発揮し、この変化の適切な方向に発展を促進しなければならないし、その条件も備えている。