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(朝鮮民主主義人民共和国 労働新聞 <情勢論解説>20131125日)http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2013-11-25-0036&chAction=L

 

 

 

≪核兵器なき世界≫と言う(オバマの)決まり文句は欺瞞だ

 

 

 

人類は大昔から、平和に豊かな土地で、幸福に生きる事を念願して来た。その誰も、搾取と略奪が敢行され災難が尽きることのない処で生きることを願わなかった。

神話に出てくる‘エデンの園’の話について見てもそうだし、16世紀、英国のトーマス・モアが書いた空想小説、≪ユートピア≫の内容を見ても、人間が願う世界が、やはりどんなものかが良く知る事が出来る。

その時から、多くの歳月が流れた。しかし人類は、この様な理想が込められた世界を、この地球上に今まで創造する事が出来なかった。

むしろ、もっと大きな脅威に直面している。戦争と衝突、紛争と対決の影が少なくない国と地域に、ひつこく、付きまとっている。人類の文明を脅かす、最も危険で最も非人間的な手段が即ち核兵器だ。

世界は、前21世紀から核兵器による侵略と脅威、核軍備競争と核対決の渦捲きに巻き込まれていたのであり、数多い人々がその代価を、あまりにも痛切に体験している。

地球上で、核兵器が一旦使用される場合、数百数千年に及んで経験して来たあらゆる災難を、すべて合わせたものより、もっと途方もない悲劇を持ってくるだろう。そうであるから、今日に来て人類の最も大きい念願となっているのは、繰り返すまでもなく‘核兵器のない世界’で暮らす事だ。

今、核兵器のない世界を建設する事は、焦眉の問題として人類が抱かえている最大の現実的課題として現われている。国際社会では、毎日の様に、核兵器がない世界の建設を主張する声が響きわたっている。

ここに、一番熱が上がって、生臭い声を上げる国がある。資格も名分もない国、世界に核脅威の黒い雲を引っぱって来る米国だ。

≪核兵器のない世界≫を騒ぎ立てる米国は、地球上に核兵器と核脅威を生ませた張本人だ。

米国は、一番最初に核兵器を作り出し、唯一それを使用した。それでも足りず核実験を継続しながら、全世界を核で脅かしている。こんな米国が、≪核兵器のない世界≫と言う決まり文句を、口苦しく並び立てている。しかしそれは、平和な世界で暮らしたいと言う、人類の理想に対する愚弄である。

≪核兵器のない世界≫建設構想と言う欺瞞的詭弁の提唱者はオバマだ20094月、欧州のある国で演説したオバマは、≪核兵器のない世界≫を志向した包括的な構想と言うものを発表した。

彼はこの構想を発表して、まるで自分が≪核兵器のない世界≫を建設することで≪模範≫を見せる様に、手品を弄した。

国連安全保障理事会成員国の首脳者会議で、≪核兵器のない世界≫建設と関連した決議と言うものを採択する事とし、ロシアと核軍縮問題を≪真摯に≫論議する真似も弄した。20105月には、自分達の核弾頭保有実態を具体的に公開する、尤もらしいドラマまで演じた。しかし、米国が提唱する≪核兵器のない世界≫建設構想と言うものの欺瞞性は、絶対に覆う事は出来ない。

2010年に作成された米国の≪4カ年国防戦略報告書≫では、≪核兵器のない世界≫が誕生される時までは、米国の核武器庫を継続維持しなければならないと言う内容が明らかにされている。世界のあらゆる国々で、核兵器をなくした後になって初めて、自分達も動くと言うのだ。

これと時を同じして、米行政府は、国家核安全局の核兵器関連活動に、70US$を超える巨額を支出する事を予測した予算案を、国会に提出した。これは、前会計年度より六億24百万US$増えたものと言う。

同じ年の3月、オバマは、核兵器を縮減し、その役割を低くするのだと言いながら、米国が国家安保戦略に従い、依然として≪安全で、効果的な核抑制力≫を維持するものと力説した。

今年に入って、米国の或る民間団体は、米行政府が今後25年間に600US$を投入し、核武器庫を現代化しようとすると暴露した。

実際に米国は今、≪B61≫の核爆弾に対する現代化をせき立てている。伝えられたところに依れば、現代化過程で、爆弾が更に改善され、誘導装置も持つ事が出来る。2024年までの≪B61≫核爆弾現代化計画に、81US$が支出されると計画されていると言う。

米国が密かに、或いは公然と、核兵器現代化に拍車を加えている事実は、年毎に継続される核実験を通しても、如実に露見している。

≪核兵器のない世界≫を提唱した以後の、行跡だけ見てみよう。

米国は、20109月と12月、20112月、20122月、201212月など何度も、臨界核実験を進行した。今年にはプルトニウムを利用した核兵器能力検査試験を何度も敢行した。

この、全ての事実は、米国がこれから、≪核武器のない世界≫とか何とか言っても、後戻りして座っては、核兵器現代化策動に気が狂った様に走っていると言うことを示してくれる。

核軍縮を騒ぎ立て、その煙幕の中で続けて核兵器を現代化し、核実験禁止をうそぶき、≪臨界前≫と言う外皮のなかで核実験を継続する事が、果たして核兵器無き世界を願う行動なのか?

≪核兵器のない世界≫と言う決まり文句を、唾が枯れるように並べ立てる米国の俗心が何であるかは、あまりにも見え透いている。彼等だけが、核兵器を持っていたり、その決定的で絶対的な優勢を占めようと言うのだ。数々の核保有国の出現で、米国の核独占は、とうの前に水泡となってしまった。

米国の核優勢に依る世界制覇策動を牽制する為に、大国達は自分達の核武力強化に粘り強い努力を傾けている。数々の国々で、米国の執拗で持続的な核脅威策動を退けるために、その備えを考えている。米国は、≪核兵器のない世界≫と言う欺瞞的スローガンを持ち出して、核対決の先鋭な現実を招来した責任を、どの様にしてか、免れようとしている。
その様にして、数々の核大国の核武力強化を阻止させ、他の国々は絶対に核兵器を持つ事が出来ない様にして、どんな事があっても、世界制覇を実現しようと言うのだ。

ワニが涙を流す事が、決して善良なのでなく、オオカミが犬歯を隠したと言って、草を食べようとするのではない。米国の≪核兵器のない世界≫と言う決まり文句は、本質において米国の核だけが残っている世界であり、それは核で彼らの支配主義的野欲を充足させ様とする亡想の中に思い浮かんだラッパだ。

世界には、どうして核兵器がうまれたのか?世界には、どうして核兵器がなくならないのか/国際社会は、米国にこのように問いただしている。

核兵器のない平和な世界で暮らしたい人類の念願の前で、米国は、敢えて≪核兵器のない世界≫を云々する資格がない。

世界平和愛好的な国々は、≪核兵器のない世界≫を提唱する米国の世界制覇の野望を見抜いて、核兵器を振り回し暴れまわる米国の策動を、徹底して打ち砕くだろう。

(訳 柴野貞夫 2013121)

 

 

参考サイト

 

論考/米国と追隋国家の核攻撃戦争から社会主義朝鮮を防衛せよ(1)(2013年2月23日)

論考/米国と追随国家の核攻撃から社会主義朝鮮を防衛せよ(2) (2013年3月2日)

☆377 (朝鮮半島における核問題の発生、その主犯は米国 (ウリミンジョクキリ 2013年1月29日付)