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(韓国民衆言論 チャムセサン 世界記事 2014915日付)

http://www.newscham.net/news/view.php?board=news&nid=79961&page=1&category1=38


     米国のISIS(イスラム国)空襲はシリア政権交替の為の戦争である
       −ロシア、中国に対する永遠の戦争の始まり


                            ベリー・クレイ(WSWS ―ワールドソシャリストウェブサイト)

                                            原文英文―http://www.wsws.org/
                                            朝鮮語訳−チョン・ウンヒ記者


オバマの新しい戦争の核心目標は、親イラン、親ロシアのシリア政権を転覆し、米国の傀儡政権を打ち立てる為のものと、次第に明らかになっている。
‘イラクレバントシリアイスラム国家(ISIS)’に対し、軍事作戦をした昨年9月、撤回されたダマスカスに対する戦争を実行し、イラクに対する米国の統制を堅固にする為の一つの偽装術だ。
イラク、リビアとシリアで、米帝国が創造したISISは、米国が中東を抑圧することが出来るようにする新たな口実を提供してきた。ワシントンが組織した国家連合は、パシャルアル・アサドのシリア政権と、その同盟イランを直接狙っている。これは、12日、ジョン・ケリー米国務長官が、米国は15日パリで予定された外交会議にイランとシリア全てを、除外しようとすると明らかにし、強調した事実だ。
この連合で、核心の役割をするサウデイアラビアは、演出された反ISIS運動のうしろに隠された戦争の、実際の目標が何であるかを示唆している。サウデイは、ISISの最も大きな後援者の内の一つだったのであり、湾岸土侯国とCIAと連盟し、武器と資金を支援して来た。彼等はアサド除去を、イランのシーア派政権を転覆するための、本質的な第一歩と見ている。

 

   
    <出処−ニューヨークタイムスのスクリーンショット>

●ISIS
は、アサドに対抗して‘帝国主義勢力が支援した勢力’である


シリアの‘穏健’反軍を、ISISに対抗した代理軍にするのは難しい事だと言う米国政府当局の懸念は、シリアの地上にそんな反軍が実際には存在しないと言う事実を、反映する。
912日、<ニューヨークタイムス>は、いろんな事例を通して、ワシントンが‘穏健だ’と表現した‘反’軍は、ISISの極端なイスラム主義の観点を共有しているのであり、殆ど世俗主義武装勢力さえも、米国務部がテロ組織として登録したアルカイダ−シリア支部であるヌスラ戦線と揃って戦っていると言う記事を掲載した。
<タイムス>は、カーネギー国際平和基金のアロン・ルンドを引用し、“あなたは、人権を尊重する、立派で間違いなく準備された世俗的な反軍を探すことは出来ないだろう。彼等は存在しないからだ。これは、極めて汚い戦争であり、我々は何を与えるかについて、協議しなければならないだろう”と、報道した。
イラクとシリアの前米国大使、ライオン・C・クロッカーは、“我々は、誰がISIS反軍なのか、調べる為に、あらゆる事をする必要がある。素直に手がかりを持っていない”と語った。
彼等は実際に手がかりを持っていない。ワシントンとその同盟が、資金と武器を出した反アサド反乱軍は、アルカイダ連携勢力が、圧倒的に優勢で、反動的な帝国主義の支援を受ける運動であり、この内最も強力なものが、ISISである為だ。

●米国民の背後から遂行された、シリアに対する戦争準備

米国は、昨年9月、屈辱的な決定で戦争が撤回されて以降、自国民の背後からこの戦争を強度高く計画してきた。当時英国は、差し迫った戦争から抜け出たし、米国は、依存する程度の国際的な支援基盤を構築することが出来なかった。
ワシントンは、部分的にはロシアの反対と衝突拡大の可能性の為に内部的に分裂されていた。同時に、軍事行動は殆ど、大衆的な支援を受けることは出来なかった。
昨年919日、WSWSworld socialist web sitehttp://www.wsws.org/)は、次のような、デイビッド・ノースWSWS国際編集委員会委員長の講演内容を、掲載したことがある。
“米国が即刻介入する脅威は、少なくなった様だ。しかし、戦争の遅延は大戦争勃発の可能性、実にこの不可避性を下げはしない。ワシントンが噴出する挑発的な諸声明が、明らかに表している様に、‘軍事的オプション’は、テーブルの上に相変わらず残されている。シリアだけが、軍事攻撃の対象であるのではない。シリアに対する米国の作戦は、イランとの衝突の舞台を仕掛けることだ。

そして継続して、地球的優位の為の、米帝国主義推動の論理は、ロシアと中国との対決に導くだろう。主要帝国列強―例を挙げれば、米国とドイツ−間の利害争いが、特定した条件の下で、武装衝突への転移の可能性も排除できない。“
極めて正確な指摘だ。ISISは、便利な事に、米国がシリアに戦争のドライブを再開する為の条件を提供した。彼等は米国の記者二名を凶暴に斬首し、米国政府が戦争を扇動する様にしただけではない。少なくとも、一時的には反戦感情を弱めた。
ワシントンに強大な影響力を持ったワシントンのシンクタンク−国際戦略問題研究所のアンソニー・コーズメンが、オバマの水曜日演説の前日発表した論評を見ると、米国は新しい戦争の為に、既に相当期間準備して来たと言うことを知る事ができる。
コージュメンは、“大統領は、米国が戦略を持っていないと、最近間違って話し、絶えず罠に掛かった。しかし、米国の措置のタイムラインを見ている人であれば、今米国は、既に7月にこの計画を開発しただけでなく、部分的には、イスラム国家が,初めて201312,主要な成果を記録した後始まった一つの戦略を、今公式的に発表すると言うことを確認することになる。”

●ロシアと中国に対する、永遠の戦争の始まり

201312月、この時点は、キエフの集会が始まった時だ。この示威は、ふた月後、親ロシア政府を転覆させ、過激に反ロシア政権設置を主導した自由党(スバボダ)と、右翼セクター(プラビセクトール)出身の武装ネオファシスト勢力が主導し、米国とドイツが支援したものだ。ワシントンは、モスクワを孤立させ弱化させようとする目的で、軍事的な衝突地点で対決的な局面を、絶える事無く押し付けてきた。
ロシアに対し、高まる危機と戦争ドライブは、アラブ世界にあるロシアの唯一の同盟であると同時に、ロシアの主要海軍基地があるシリアに対する戦争計画と、密接に関連されている。
新しい戦争は、全中東とその向こう側で米帝国主義の抑圧が大々的に拡大されている事を表している。オバマの演説後、国際戦略問題研究所のアンソニー・コーズメンは、結局、核で武装したロシア、そして中国との軍事衝突として展開される、永久的な戦争に対する米国支配階級の視角を説明したのだ。
コーズメンは、“暴力的なジハード主義と、極端主義の深刻な脅威は、近づく数年の間、持続するものであり、これはまた、モロッコからフィリピン、そしてサハラ以南のアフリカから、ロシアと中国まで到達する類似の脅威とともに、放物線を描いて再出現するだろう”とし、“これは、ある限られた場所での'長期戦‘ではなく、暴力的な不安定性が始まったものとして、例外なき法則となる様だ。”と指摘した。
永遠の戦争への転換は、より広い歴史的な文脈の中だけで理解される事が出来る。スターリン官僚主義のソヴィエト連合の解体は、19901991年、第1次湾岸戦争と一致する。この戦争は、国際的に帝国主義が噴出した時期だ。
後に続く数十年の間、米帝国主義の戦争、或いは、引き続く軍事攻撃が持続された。イラク(3回)、ソマリア、ハイチ、スーダン、セルヴィア、アフガニスタン、パキスタン、リビアとイエーメンが標的となった国の中の一部だ。(帝国主義にとって)抑制要因だったソビエト連合の除去に、帝国主義は植民主義の新しい形態を施行する為の、その本質を、公開的に暴露してきた。
今日、米国支配階級は、23年前、第1次湾岸戦争で駆り立てたものと、全く同じ基本的な課題を、強行している。それは、中東の広大なエネルギー資源に対する統制と、世界全てに対する侵攻と略奪の為に、この地域を軍事的、政治的な踏み台にするものだ。
                                     (訳 柴野貞夫 2014925日)