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(韓国民衆言論 ハンギョレ 国際ニュース 20141120日付)http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/664888.html




       ―普天間基地「移転」反対現場を行く−

      酷暑にも、3863日目の連座籠城、“辺野古に米軍基地、絶対駄目だ”




文・写真―キル・ユンヒョン特派員


  写真 日本の沖縄島北東に位置する、辺野古海岸で行われている住民達のテント籠城が、15日現在、3863日目を迎えた。311福島原発事故を経験した日本の東北地方の市民達が応援し、ここに訪ねてきて、沖縄米軍基地の実態に対する説明を聞いている。文・写真―キル・ユンヒョン特派員

“海の地質調査する落とし穴と、漁民たちの毎日の衝突”

老人達がキャンプ正門前道路で、“大浦を守ろう”と踊り、掛け声する

“あっちに、拳骨の様な一つの岩が見えるでしょ。あそこがX字模様の滑走路が始まる所です。”
15日、日本沖縄の中心都市那覇から、56号国道に乗り、北上した自動車は、1時間半程度を走り、島の北東側海岸である名護市辺野古に着いた。11月の沖縄の太陽は、相変わらず暑く、目の前の海は穏やかに波打ち、柔らかい青い光をほとばせていた。
辺野古海岸で最も目立った構造物は、静かな田舎の漁村の風景を侵犯している米軍の鉄条網だった。鉄条網の向こう側は、米海兵隊基地‘キャンプシュワブ’、そこから200mほど離れた所に、沖縄米軍基地反対運動の中心である‘沖縄テント’が場所を構えている。
テント前には、在日米軍普天間飛行場の辺野古移転を阻止しようとするテント籠城を、1115日現在、3863日間継続して来た事を見せる表示版が立っている。籠城場で会った安次富浩68)辺野古テント村・村長は、目の前に広がる風景を一つずつ説明した。
“向こう側の海の上に聳える岩から、あの遠くにオレンジ色の2階の建物側へ、長さが1800mの滑走路が作られます。海に向かってに所々に浮かんでいる船は、接近禁止区域である事を表示する(日本)海上保安庁艦艇です。ここで毎日、漁民たちと海上保安庁との衝突続いています。
日本政府は、この春から海岸埋め立ての為の海中地質調査を始めた。しかし、住民達の抵抗と、激しい台風の影響のせいで、日程が遅れる途中だ。沖縄を強打した引き続く台風で、政府が海上境界を表示しようと浮かべた朱黄色(ダイダイ色)の浮標が、途切れてばらばらに固まった姿が目に入って来た。
辺野古を取り巻く住民達の闘争が始められたのは、1997年末〜1998年初めにさかのぼる。199612月、米・日政府は、沖縄米軍基地に対して怒った民心をなだめすかす為に、‘沖縄に関する米―日特別行動委員会’(SACO−サコ)をつくり、米海兵隊普天間飛行場など、11箇所の基地を返還すると言う報告書を発表した。報告書が出た後、米・日政府が飛行場を、国外でなく沖縄県内の辺野古海岸に移転すると言う計画が知られた。基地反対運動に参加して来た東恩納たくま(52)名護市議員は、“基地移転を阻止する為に名護市民たちは、市次元の住民投票を進めると同時に、工事を防ぐための連座籠城を始めた。法的効力があるわけではないが、199712月住民投票で、住民達は政府の経済支援策を拒否し‘基地移転反対’(52.8%)を選択した。賛成派市長は、結局辞退する他はなかった。
今も、住民達の連座(座り込み)闘争は、へたばる事なく続いている。辺野古の老人達は、C40度を越える沖縄の灼熱の中でも、籠城を解く事はなかった。この過程で富山まさひろ(60)沖縄民衆連帯代表は、疲労骨折で一方の足を使う事ができなくなり、警察との体当たり闘争の末、連行される市民たちの数は、いちいち推し量る事は骨が折れる。
テントでは、チェジュ(済州)カンジョン村海軍基地建設計画に反対する‘チキムイ(守り)’のカン・トンソク(26)氏にも会う事ができた。
現在までに知られている辺野古基地造成計画を見ると、米・日政府は、X字型の長さ800m滑走路2本以外にも、水深が深い大浦湾側に、長さ271.8mの接岸施設も作る計画だ。この規模なら米軍の大型上陸艦が接岸する事ができる。
米国は、普天間飛行場に配備されている米海兵隊の新型輸送機であるオスプレイ(MV22)を、ここに移した後、港湾施設を活用して陸・海・空合同作戦を準備する事が出来る複合基地として使用するものと見える。
午後3時、キャンプシュワブの正門側に席を取るもう一つのテントで、住民達の抗議の示威が始まった。“米軍基地反対”“大浦を守ろう”“サンゴを守ろう”“ジュゴンを守ろう”

沖縄のハルモニ達がキャンプ正門前を通る392号道路に立ち並んで、踊りを踊り、スローガンを叫んだ。通りすがった自動車が警笛を鳴らし、示威隊に手を振った。
この様な沖縄の民心を16日行われた沖縄県知事選挙で‘米軍基地反対’を掲げた翁長雄志(67)候補の当選に引き継がれた。                辺野古(沖縄)/文・写真 キル・ユンヒョン特派員

(訳 柴野貞夫 20141120日)