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(民衆闘争報道 韓国民衆言論ミンプラス 社説 2017年8月7日付)
http://linkis.com/m.minplus.or.kr/news/rHXNh


  文在寅は、トランプの<戦争辞さず論>に対し、どうして何も抗議しないのか

韓米同盟の素顔は北への戦争同盟であり、米国への従属同盟だ

 

    ▲ムン・ジェイン大統領が、7日、トランプ米大統領と電話通話をしている(写真出処 青瓦台)

ムン・ジェインの<対話提案>は欺瞞である

トランプ米大統領が“もし、戦争が起こっても、そこ(韓半島)で起きるものであり、数千名が死んでも、そこで死ぬのであって、ここ(米本土)で死ぬのではない”と言い放った。この<戦争辞さず論>が、韓半島に衝撃を与えている中で、87日、ムン・ジェイン大統領は、トランプとの電話通話で、これについてどんな遺憾表明もしなかった。
ムン大統領は、この日の電話通話で、“北韓に対する最大限の圧迫と、制裁を加えよう。堅固な韓米連合防衛体制を基盤として、北韓の追加挑発を抑止し、対応する為の共助を持続していこう”と提案した。さらに、“米国が堅固な対韓防衛公約を基礎として、多様な対北武力示威措置を取ってくれた点を評価する”と言い、むしろ、トランプの<戦争辞さず論>に力を載せる様な発言まであった。
ムン大統領はトランプの<戦争辞さず論>には真意の把握もしないまま、“北韓核問題は、韓米間の緊密な共助を基礎に、平和的・外交的方式で解決して行かなければならない”という、至極、原論的な立場を伝達することにとどまった。
(ムン・ジェインは)これまで、機会ある毎に、韓米同盟は血盟であり、リンチピン(linchpin:車輪が抜け落ちない様に車輪の中に差し込む核心軸)だと強調してきた。

暴かれた《韓米同盟》の素顔は、対話を妨げる戦争同盟

しかし今回の事で、韓米同盟の素顔が暴かれた。韓米同盟は、南北間の対話を妨げる戦争同盟だ。韓米同盟は力を押し通す米国に、引きずられる従属同盟だ。世上の何処にも、“お前の土地で、戦争を起こしたい。死んでも、お前が死ぬので私は関係ない”と言う同盟はない。
しかも同盟が壊れるかと恐れて、‘戦争辞さず論’に一言半句も反論できない、卑怯でくだらない同盟はかつてなかった。この様に、韓米同盟の本質が明白に暴かれた以上、戦争同盟は平和同盟へ、従属同盟は自主同盟へ、転換しなければならない。



8月末におこなわれる韓米合同軍事演習は戦争の雷管だ

きたる8月末、ウルジ(乙支)フリーダムと、来年初めのキー・リゾブル韓米合同軍事演習は、戦争の雷管だ。その時まで、韓米間の従属的な戦争同盟を継続維持したなら、韓半島にむごたらしい事が、起きないとは限らない。
現在の様な韓米同盟の下では、ムン大統領の対話メッセイジが、北側に伝わるはずがない。戦争を引き起こすと言う国と同盟関係である南側の対話提議を、北側が受ける事が出来ないからだ。韓米間の70年以上の関係を、一夜に辞める事も、変える事も、容易ではない。しかし、やらねばならない。更に、遅れてはならない。
今年中に訪韓してほしいと言うムンの提案に、トランプは同意した。もしかしたら、この時が、韓米関係を再設定する絶好の機会になる事が出来る。ムン大統領は、救国の決断をしなければならない。
                                                         (訳 柴野貞夫)


<解説にかえて>

 トランプは南朝鮮と日本の民衆を米国の先制核侵略戦争の人身御供として位置づけている

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1日、米共和党のリンゼー・グラム上院議員が)NBCテレビ番組に出演し、“トランプ大統領は、北朝鮮が長距離核ミサイルを開発するのを放っておくよりも北朝鮮と戦争をする。その戦争は、ここ(米本土)ではなく、向こう側(韓半島)であるはずだ。この戦争で数千人が死ぬ場合、韓半島で死んで、米本土で死なないはずだ”と自分の面前で語ったと報告した。
即ち、リンゼー・グラムの報告によれば、トランプは、「軍事的オプション」一般ではなく、「戦争」と言う明確な表現を使い、韓半島での先制核侵略戦争について語り、その場合、米国本土が戦場になるのではなく、朝鮮半島とその住民が米国の盾となってくれる戦争だと言ったのだ。
トランプは、<韓米同盟>下の南朝鮮民衆が、米国の侵略戦争の人身御供となる事を、赤裸々に自供したのである。
南朝鮮の保守媒体でさえ、“トランプは死者数千人というが、韓半島で戦争が発生すれば、(国民の)数十万−数百万人が死亡することになるはずだ”と、指摘している(韓国・中央日報83日付社説)。<韓米同盟>が、南朝鮮民衆を、米国の血の人身御供と位置図ける、米国の為の朝鮮に対する侵略的核戦争同盟であることが明白になったにも拘らず、“最大限の圧迫と制裁、堅固な韓米軍事同盟”を主張するだけでなく、パククネでさえ、躊躇(戸惑い)のポーズを取った、<韓・米・日>三角同盟にさえ言及し、公約を破り、サード配置を強行するムン・ジェインは、最早、蝋燭蜂起の理念に対する冒涜権力になりつつある。
一方、<韓米同盟>下の南朝鮮民衆と、全く同じ立場に置かれているのが、<<日米同盟>下の日本民衆である。トランプの“その戦争は、ここ(米本土)ではなく、向こう側であるはずだ。この戦争で数千人が死ぬ場合、向こう側で死んで、米本土で死なないはずだ”と言う話の<向こう側>には、<朝鮮半島>だけがあるのではない。世界にも類のない米国の軍事列島である日本列島が明確に位置図けられている。
日本の民衆は、130以上の米軍基地が一斉にアジアに対する核侵略戦争に動員された時、自分達が標的の列島に住んでいたことを初めて自覚するのでは、手遅れである事を、悟らなければならない。“挑発する朝鮮”などと言う、帝国主義者と待女媒体の見え透いた欺瞞に踊らせられるのではなく、朝鮮とアジアの民衆に対する帝国主義者の戦争準備を阻止し、日米同盟の解体、米軍基地の全面的撤去と、朝鮮に対する戦争犯罪の清算と国交正常化を推進する事が、トランプと安倍の目論見を粉砕する道である。
しかし、“北との戦争で死ぬのは、ここではなく向こう側だ”と言うトランプの戦争に対する展望は、ほとんど否定されつつある。朝鮮の自衛的大陸間弾道ロケットは、トランプの脳髄をしっかり狙うところまで来てしまったからだ。