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(世界の新聞/ 激期を知らせる3つの兆候 「ミンプラス」 2021524日付)
http://www.minplusnews.com/news/articleView.html?idxno=11729


           激変期、韓半島の選択は<3>

敵対関係に転じた南と北

(1) 激変期を知らせる三つの兆候

(2) 北、反米全面抗争準備に拍車

(3) 敵対関係に転じた北と南 (今回

(4) 激変期、韓半島の選択は(次回)




“戦争演習と対話、敵対と協力は絶対に両立する事は出来ない”
(キム・ヨジョン副部長)

南北関係は、全く別の局面に突入した。その核心は、北が、対南事業を対敵事業に転換した事である。3年前の春の日は、再び戻ってこないだろう”と言うキム・ヨジョン副部長の談話には、この点が良く出ている。これは、南側が韓米合同軍事訓練を敢行した事について、“戦争演習と対話、敵対と協力は絶対に両立する事は出来ない”とし、“南朝鮮当局が、対話を否定する敵対行為に性悪にしがみ付いて,執拗な火遊びで信頼の基礎をすっかり破壊している現情勢では、これ以上存在する理由がなくなった対南対話機構である祖国平和統一委員会を整理する問題を、日程に挙げざるを得なくなった。そして、我々を敵として向かい合う南朝鮮当局とは、今後、どんな協力や交流も必要ないものとして、金剛山国際観光局を始めとする関連機構も、葬り去ってしまう問題も検討している。この様な重大な措置は、既に我が最高首脳部に報告した状態にある。”と明らかにした。
事実、北側が、対南事業を対敵事業として転換したのは昨年6月から始まった。当時、対北ビラ散布に関連して、南北間の全ての通信回線を遮断し、対南事業を敵対事業に転換する事を明らかにしたのに続き、616日の南北連絡事務所爆破を断行した.当時キム・ヨジョン副部長は、次の段階、‘対敵行動’を予告した。“次回、対敵行動の行使権は、我が軍隊の総参謀部に引き渡すつもりだ。”と述べ、軍事行動である事を暗示した。確実ではないが、今回、韓米合同軍事訓練に対抗して断行したミサイル発射が、この時予告した軍事行動であるかもしれない。

南北関係は、6.15局面とは完全に異なった局面に進入した
(訳者注―「6.15局面」とは。2000615日、金大中・韓国大統領と金正日・朝鮮民主主義人民共和国国防委員長は、ピョンヤンで、南北統一、経済協力、その他の諸懸案について、民族同士が自主的に解決する事で合意したー事を指す) 
明らかな事は、北のこの様な‘対敵行動’が、一貫した方針と一連の計画の下で遂げられており、南側の態度が変わらない限り、その強度を増していくだろうと言う点だ。“我々は今後、南朝鮮当局の態度と行動を注視するものであり、敢えて更に挑発的に出て来るなら、北南軍事分野合意書も破棄してしまう特段の対策まで見越している”としたキム・ヨジョン談話が、これを良く物語っている。
この様な事実が、教えてくれることは明らかである。南北関係は、6.15局面とは完全に異なった局面に進入したと言う事である。6.15局面は、南北が和解と交流協力を通して、根本問題の解決の為の土台を構築する時期だった。政治軍事的問題は後回しにして、金剛山観光、開城工業団地など、経済協力と社会文化交流などが行われた。この局面は、北・米の交渉局面と噛み合う。北は核武装の為の時間が必要であったし、米国は中東に力を集中しなければならない状況で、太陽を照らし、北を改革解放に引き出すと言うキム・デジュン(金大中)政府の‘太陽政策’に手を挙げてくれた。
パンムンチョム(板門店)会談から、平壌宣言まで、南北の自主交渉によって達成された事実上の南北平和宣言は、米国の対北敵対政策から抜け出せないムン・ジェイン政権によって空手形になった。パンムンチョム(板門店)会談(訳者注―2018427日に板門店で開催された、金正恩国務委員長と文在寅大統領の両者により行われた首脳会談)で始まった南北対話局面は、北の核武装が完成された状態で展開されたと言う点で、6.15局面とは異なる局面だ。北米間に、平和体制問題と関係正常化問題が実質的に上がって来た条件で、南北関係、また政治軍事的根本問題に進むのは必然的だった。どうしてかと言えば、南北間の軍事的対決と、北・米の軍事的対決は一つに連結されているからである。
9.19平壌宣言(訳者注―2018918日から20日まで、平壌で行われた南北首脳会談によって決定された宣言)が、事実上、南北間の平和宣言するぐらい、軍事的敵対解消と、平和定着問題を扱ったことが、これを良く物語っている。そして、最も重要な出発点は、米韓合同軍事訓練の中断だった。韓米合同軍事訓練の中止は、北の立場から、対北敵対政策中断の出発点だったからだ。そしてもう一つは、対北制裁問題だ。この二つの問題で、北・米関係が一歩も進まなかったし、南側政権は米国に徹底的に統制されたのは、天下承知の事実である。
先に述べた様に、北・米平和交渉は完全に終わった。残ったのは力の対決である。6.15局面では、南側政権が米国に隷属された条件でも、南北間の和解と協力を推進する事が出来たが、北の核武装完成で北・米間の力の対決が本格化する現局面で、ムン・ジェイン政府が米国の対北敵対政策から抜け出せない限り、南北関係は一歩も進むことは出来ない。
朝鮮が見る時、核武力の完成以後、本格化する北・米間の力の対決局面で、南側に、自主統一の道に行くのか、それとも、米国と共に力で制圧されるのかを問う事を意味する。他の側面では、南側資本の牽引を通じて経済危機を克服しようとした6.15時代の思想的、政策的残滓(ざんし)を完全に清算し、自力更生による正面突破戦で勝利を勝ち取ると言う意思の表現だ。金剛山観光中断宣言に続いて、施設撤去と開城工業団地整理手続きを予告している事が、これを物語っている。

                                                      (訳者―柴野貞夫)

<関連サイト>


南北首脳、板門店(パンムンジョム)2回目の首脳会談電撃的に開催
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_634.html

9月平壌共同宣言」に関する、朝鮮民主主義人民共和国の発表文
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_653.html

平壌市民の「歓呼」の中、南北首脳対面
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_651.html

[平壌におけるムン・ジェイン大統領の演説]一つになる為の、平和の大きな一歩を踏み出そう
http://vpack.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_654.html