柴野貞夫時事問題研究会 本文へジャンプ

(韓国 ハンギョレ紙 2008年6月19日付)

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/294290.html

 

 


‘変化’の意思、読み取れない李大統領の会見

 

 

 

イ・ミョンパク大統領が、昨日国民の前に頭を垂れた。就任以後二回目だ。イ大統領の会見文を読んでみると、先月22日の対国民談話に比べては、はるかに正直で感性的だと言う印象をあたえる。かれは蝋燭(キャンドル)集会を見守った所感を明らかにし、米国産牛肉輸入協議を急いだ経緯を説明した。牛肉輸入を批判する世論を間違って把握した点などに対しては、“痛切な反省をしている”と言った。会見文の所々に、今までの国政運命の方式を顧みて、今後国民の意思を反映し正して進むと言う内容を盛ったことは評価するに値する。

 

しかし、‘率直な口ぶりの会見文’だけで、怒った民心を寝かせると言うのは難しい。重要なことは変化の信用だ。国民要求を、具体的に政策に反映し、基調を変えることを確信できなければならない。国民は流麗な表現より実質的な変化を願う。

 

まず、最も大きい関心ごとは、米国産牛肉輸入問題で‘30ヶ月齢以上の牛肉が我が食卓へ上ることが無いこと’と言う、イ大統領の発言では、国民の不安感を眠らせることは出来ない。未だ、韓・米協議が進行中ではあるが、国民が憂慮する他の問題など、例を挙げれば30ヶ月未満の牛肉の七種類の特定危険物質除去や、検疫主権の保障問題などに対しては如何なる言及もない。‘子女の健康を心配する母親の心’をイ大統領が真の理解をしたなら、再協議(米国との)が難しい理由だけを卑屈に解き明かすことではなく、国民が願う事案などを具体的に追加協議で盛って出すかを説明しなければならない。さらに、30ヶ月齢以上の牛肉の輸入禁止がどれだけ実効性があるかも未だ不透明だ。こんな程度で、国民を理解させることが出来るであろうと判断したと言うなら、イ大統領の状況認識は、いつも通り安易だと言う以外に見ることが出来ない。

 

大運河問題で、イ大統領は、“国民が反対すれば推進しない”と明らかにした。“どんな政策も民心と共にしてこそ成功することが出来ると言うことを切実に感じた”と更に付け加えた。‘国民世論を取りまとめ、推進の可否を決定する’と言った基準の態度には、一歩進展されたものとして見ることができる。しかし、最近の民心は、大運河をきれいさっぱり放棄しようと要求している。そうなのだが‘国民が反対すれば’と言う、こんな但し書きを掲げたことは、後にでも状況が変われば、また推進することが出来ると言う意味として聞こえる。どうしてはっきりと話をしないのか?こんな有様だからイ大統領が変化したと信じることは難しい。

 

可視的な時局収拾策として挙論された人事改編問題でも、イ大統領の変化の意思を確認するのは易しくない。イ大統領は、進歩や中道側に人材起用の幅を広げることはないかと言う質問に、“良い考え”と言いながらも“しかし問題となるときごとに、人を変えれば安定的に仕事が出来ない。”と付け加えた。この言葉だけでは人事プールの範囲が広がるのかわからない。国民がイ大統領の変化を、感じることが出来るようにしようとすれば、<YTN>を初めとする放送社に側近人事などを播くことから止めることだと、明確にすることが正しい。

 

大統領の真実憾を国民が理解するときは、百の言葉より一回の実践がもっと重要だ。イ大統領の昨日の記者会見では、具体的に何かを変えると言う実践意思を読み出すことが難しい。やや派手な言葉のご馳走でだけ終って、既存の国情運命の方式は、そのまま維持されるのではないかと言う憂慮が感じられるのが素直な心情だ。 (訳 柴野貞夫)