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(韓国 ハンギョレ 2008113日付)

http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/319640.html

 

 

             航空幕僚長、「日本が侵略国家でなかった」

 

 

『軍国日本を侵略国家とみるのは、居直り強盗格の濡れ衣であって謀略だ。韓国の独立をはじめとして、二次大戦以後、アジア・アフリカの多くの民族解放(植民支配からの独立)は、日本が、米国など西欧帝国主義列強と戦った御蔭で達成されることが出来た。日本の韓半島植民支配と中国占領は合法的基礎の上に遂げられた正当なものだった。

日本が中国を攻撃したのは、合法的手続きを経て中国大陸に駐屯していた日本軍に対して、蒋介石軍が、絶え間なく不法なテロを加えて詐欺を働いた為に、やむなく反撃したものであり、その為に、願わぬ戦争に巻き込まれて入って行った。考えて見よ、今日本に、米軍が安保条約によって駐屯しているが、日本自衛隊がその米軍基地を攻撃し米軍を殺傷すれば、米国が黙っているだろうか。日本が朝鮮と中国大陸を武力攻撃したのは、それと同じ道理だ。』(アン・ジュンクン〈安重根〉義士の、伊藤博文暗殺をテロと規定し、その為に、日帝が仕方なく願わない韓半島の強制併合に至ったと主張する日本の識者も多い)

こんな荒唐(無稽)な主張を公開的に並べ立てる、航空自衛隊の田母神俊雄(60)航空幕僚長(空軍参謀総長)が更迭された。

驚くべき事は、彼の更迭ではない。そんな思考方式の所有者が、長い歳月、日本の自衛隊で出世を重ねて来たと言う事実であって、その最高位職まで登って行くことが出来たと言う事実だ。いま日本が正常でない事実を見せてくれる、また一つの明確な事例だ。彼を更迭した麻生政権の核心閣僚達が、実は、田母神と同じ考えの所有者だと言う事は、公然たる事実である。麻生総理からしてそうなのだ。

田母神のそんな考えは、われわれがこの間、耳に慣れるほど入ってきた日本の右翼団体新しい歴史教科書を作る会(新歴会)の亜流に過ぎない。麻生総理こそ、新歴会の最も強力な後援者であり、今もそうだ。

田母神は、こんな虚言(たわごと)を日本は侵略国家だったか?と言う題目の論文で整理した。この論文は、ホテル運営、マンション、建設・分野で多くの金を儲けた元谷外志雄と言う者が代表取締役社長であるアパ(APA)グループが掲げた真の近現代史観懸賞公募で、最優秀賞(賞金300万円)を受けた。

田母神の首が飛んでいったのは、この最優秀賞を受けたと言う事実をマスコミに知られ、騒ぎにおびえた結果だ。その公募選には、田母神の他にも多数の自衛官ら(自衛隊将校達)が応募した。元谷社長は、麻生総理と一緒に日本政界の代表的右翼人士である安倍晋二前総理の後援会である安晋会の有力メンバーだ。

田母神の驚くべき思考は、決して突出的でも、例外的でもない。むしろ、今日の日本の政界、財界、官僚組織、軍部をひっくるめて、一般的思考に近いものだ。田母神が更迭されたのは、タレント気質がある彼が、若いコメディアン達の様に、うけのある発言を濫発してきたことに対して、平素から心配してきた人達が指摘したように、不適切な時に、不適切な場所で、不適切な遣り方で内情をぶちまけた為だ。彼の平素の所信を心配してきた人達も、決して彼の考え自体が間違っていたと言う話はしなかった。ただ単に、気をつけないとと、叱責しただけだ。

この人達が、精神病者だと言うことは予め周知の事実であったが、その程度が救済不能に至ったと言う事実を、今回の事件はもう一度確認させてくれた。空軍参謀総長の思考水準、世上を見る目がこの程度に、しかならない呆れた日本の現実、それらを有力企業が、最優秀作品として選び3000万ウオンの賞金まで与える、水準以下の悪だくみを、そのまま突発的ハプニングとして(だけ)、心に刻むことが出きるだろうか?この人達の、その、ぞっとする極めて酷い自己愛と、歪んだ、どんな根拠も無い選民意識を見よ!その水準以下達が、あのぐらいとんでもないパワーを掌握している現実に対し、ひやりと恐怖を感じるのが正常ではないのか?半世紀前、数千万名を殺戮したあの戦争が、どんなにして始まったのか?

下に、田母神俊雄の問題の論文の全文を翻訳して載せる。(訳注・本文は韓国・朝鮮語のため、アパグループのサイトより日本語の原文を参照)http://www.apa.co.jp/book_report/index.html

精神病の程度がどんな状況に至ったのかは、田母神自身の言葉を直接覗いてみれば良く知ることが出来る。この文を読む人達の中には、韓国の新右翼(ニューライト)の主張を、同時に思い浮かぶ人も少なくないだろう。一皮だけ剥いて見れば、彼等の主張が、どれだけくらっとするほど似ているか、たやすく確認する事ができるだろう。

もし、論文を読んでいく途中で、田母神の主張がもっともらしく見えたり、何処が間違っているのか、よく区分が行かない方が居るかも知れない。例へそうしても、別にそれ以上に為らないかも知れない。我々は事実、光復(朝鮮民族が35年間の日本帝国主義国による植民地支配から独立を勝ち取った日 1945815日を指す)以後、すぐる半世紀以上、むしろそれが正常であるかの様に思われる世上で、暮らしてきた。

田母神をはじめとする日本の右翼は、英国、フランス、米国などの西欧帝国主義列強も一緒だと言う論議で、日本の侵略行為を正当化する見え透いた手法を使っている。米国が帝国主義国家であって、悪であると言う事実を想像さえ出来ない多くの韓国人たちは、従って、自身らが米国と異なるところが無いとか、むしろ、その被害者だと言い張る日本の右翼の論理の、何処が間違ったのか、こんがらかっているかも判らない。強盗殺人犯達同士、戦利品を置いて互いに多く占めようと争うが、結局力が足りず、更に奪われた者が、奪った者を悪いやつだと罵るのは、彼等同士のもめ事だから関係は無いが、奪っていく奴が悪いと言って、戦利品を更に奪われた強盗が自動的に善い人ななることはない。どの悪い奴が、奪われたり奪ったりしようと、彼等は全て悪い奴だ。その上、最初に物を奪われた弱者達に向かって、自分も同じ被害者だとか、実は、自分がその弱者達の為に、奪った奴と戦ったと、ずうずうしく主張する事まで言えば、罪質は最悪だ。

いずれにしろ、田母神に象徴される、今日の日本右翼支配勢力の世界観を、彼等自身の話を通して確認してみる事を願う。

(訳 柴野貞夫)

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