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〔民衆闘争報道〕 「米軍Xバンドレーダー基地建設反対420現地集会」 (2014420日)

 

         米軍Xバンドレーダー基地建設反対420現地集会


 

○朝鮮を標的にした、米軍・Xバンドレーダー基地建設着工阻止!
  京都にも、沖縄にも、何処にも米軍基地はいらない!

○沖縄・岩国・神奈川〔相模、座間、厚木、横須賀〕と連帯し
 京都に米軍基地は絶対に作らせない!
○過半数以上の有権者が、基地建設に反対している宇川地区の住民の民意を蹂躙するな!



420日、宇川農業会館において、「米軍Xバンドレーダー基地反対・近畿連絡会<共同代表 服部良一・大湾宗則>主催による、「Xバンドレーダー基地着工反対!420京丹後現地集会が開催された。

会場となった、基地予定地区・宇川農業会館は、全国各地から集まった参加者で埋め尽くされ、会場外にもあふれ出た。



▲写真 京丹後現地集会が開催された宇川農業会館・会場 (写真出処 柴野貞夫時事問題研究会)

そもそも、Xバンドレーダー基地とは、米国の<MDミサイル防衛体系>と一体となった、<敵>のミサイルを迎撃する為の情報収集と同時に、<敵>攻撃のための情報を発信する兵器である。米国が常套的に世界で繰り返してきた、<先制攻撃>の為の最新鋭武器としてのレーダー基地でもある。日本のイージス艦の母港/舞鶴や、日本海に展開する米核潜水艦、核母艦と連携し、朝鮮半島と日本全域を戦争に巻き込む米国の前進基地である。だからこそ、経ヶ岬Xレーダー基地は、米国に攻撃された国が、自国の防御の為に、まず最初に、攻撃目標にされる標的と言うことになる。

米国の戦争の為に、何故我々が標的にされる危険に晒されなければならないのか?日本政府と防衛省は、この間の住民説明会で、この根本的な疑問に、“日本の防衛の為だ”と嘯いてきた。そもそも、日帝の敗北の後、朝鮮半島の分割を政治的に利用し、朝鮮に対し核攻撃の脅しを執拗に繰り返し、半島の戦争危機を煽ってきたのはアメリカである。挑発者米国の軍事基地は、日本国民にとって危険極まりない時限爆弾に他ならない。「日本の防衛」と言う言葉は、加害者が被害者を装って国民を騙す常套用語だ。どの国が日本を「攻撃する」と言うのか?どの国から日本を「防衛する」と言うのか?

近代アジアの歴史の中で、中国・朝鮮半島とその民族に、常に侵略と植民地支配を仕掛けてきたのは、米・欧列強と、(アジア唯一の列強であった)日本ではないか。今日、日本国民は、この歴史を否定し、正当化する者の言葉は、疑ってかからなければならない。未だに、自らの歴史責任を言い逃れる加害者の話を鵜呑みする事はできない。

オバマの日韓訪問を前にして、201434日、米上院外交委員会で、国務省東アジア太平洋担当次官補 ダニエル・ラッセルは、明確に次の様に証言している。

「日本のMDミサイルが、米国に向けられた弾道ミサイルを打ち落すためには、今年中に、日本が集団的自衛権を行使出来る様にしなければならない」と。

ラッセルは、<MDミサイル防衛体系>の一環である<]バンドレーダー基地>は、日本政府が宇川の地元説明会で弁明した様な、日本の「防衛の為」ではなく、アメリカの戦争に日本を加担させる為の基地であることを、明確に証言しているのだ。

安倍政権が、憲法を踏みにじって、「解釈改憲」に依る「集団的自衛権の行使」を急いでいる理由は、このラッセル証言によっても明らかである。日本の自衛隊が、この米国による<MDミサイル防衛体系>に組み込まれても、憲法の制約によって集団的自衛権の行使が出来なければ、日・米侵略軍事同盟は機能しないからである。

この京丹後の集会は、沖縄、岩国、横須賀、相模, 厚木など、日本各地の反米軍基地闘争との連帯の、今日的課題を鮮明に示す場となった。

 

<京丹後・]バンドレーダー基地建設反対闘争の現場からの報告>

  

▲写真 地元を代表して挨拶する 三野みつる 米軍基地を憂う宇川有志の会代表(写真出処 柴野貞夫時事問題研究会)

 

 

  「米軍基地建設を憂う、宇川有志の会」事務局長 永井友昭氏


昨年以降の基地反対闘争の経過を踏まえながら次のように報告した。「日本政府と防衛省は、京丹後市・経ヶ岬に、米軍Xバンドレーダー基地を14年度中に建設すると一方的に発表してから、如何なる地元同意も無い中で、5月着工を強行しようとしている。

この間の住民説明会で、防衛省は、住民から出される数多い疑問や質問に対し、逃げ口上と不当極まる曲説を繰り返し、時間制限まで行って、住民の不安と疑問を踏みにじっている。

朝鮮半島全域を網羅する1000km以上の探査距離を持つレーダーが生み出す強力な電磁波による漁業・環境への影響や、技術者を含む米軍人と警備兵〔警備兵の実態は、米国の戦争請負会社―ブラックウオーター社の武装要員〕160名とその家族らが、現地で引き起こす犯罪行為が、沖縄の例を見るまでも無く、日米安保の地位協定によって治外法権として野放しになっている事実への不安、新たな基地拡張への疑念など、地元住民の基地建設にたいする際限なき疑問に、納得できる回答を、いまだ一切して来なかった。

2013919日、京都府・山田啓二知事と、京丹後市・中山泰市長は、防衛大臣によって、「住民の安全安心の確保が確約された」として、「協力表明」をおこなった。しかしその後の事態は、住民に対する「安全安心」を全面的に蹂躙し、無視を決め込む防衛省の犯罪的行為が横行しているだけである。知事と市長は、どんな落とし前をつける所存なのか?

年間3億円の「米軍再編交付金」を受け取る代償に、他国の戦争によって、標的にされてしまう危険に、京丹後市住民を晒してしまう事があってはならない。また恐らく、その危険は、京丹後市住民に留まるものではないであろう。

「基地受け入れ撤回を求める」署名は、既に宇川地区1000人有権者の内、過半数以上の560筆を越え、基地建設に反対する民意は明らかである。この民意を無視する事は絶対に許されない」と主張した。

 

<全国各地の、反米軍基地闘争からの報告>

 

  沖縄平和運動センター議長・山城博治氏

  

▲写真 沖縄平和運動センター議長・山城博治氏 (写真出処 柴野貞夫時事問題研究会)

沖縄の現実は、ここ京丹後の状況と全くおなじだと指摘。共通の反米軍基地闘争として連帯することの必要性を強調した

「あらゆる被害が当然予想される米軍基地建設を、地域住民には全く秘密裏に計画を進め、ある日突然打ち上げる。地元説明会は肝心な内容を一切明らかにせず形だけ。自治体や一部関連部門に適当に金をばら撒き、振興策なるものを与えて黙らせ先に了解を取り付け、一番肝心の地域住民の声に一切耳を傾けない。それどころか、自民・安倍自公政権は、特定秘密保護法を強健発動し、反撥する地域住民の声を圧殺しようとしている。地域の生活に関る問題を押し付ける権利は国家にはない。住民こそ主権者だ。他国の為の戦争は無論のこと、日本の戦争国家への動きに断固として反対しましょう」と訴えた

 

  山口岩国市議・リムピース代表 田村順玄氏

 

▲写真 山口岩国市議・リムピース代表 田村順玄氏 (写真出処 柴野貞夫時事問題研究会)

「近畿地方に1箇所もなかった米軍基地を、ついに京都に作ろうとする意図こそ、日本全国で自由に、米国と自衛隊が連携し軍事行動を展開しようとする狙いに他ならない」と指摘した。

「岩国基地では、2014年の政府予算で、岩国市の年間予算の2倍近い903億円という巨額の思いやり予算が準備され基地整備が進んでいます。京丹後でも地権者や立地自治体へのあめと鞭の、いろんな策動が展開するでしょうが、現地をしっかり支える皆さんの更なる戦いが、計画撤回に向かう力となります。私達は、岩国基地強化に反対し、愛宕山米軍住宅建設に反対して、粘り強く戦います。経が岬]バンドレーダー基地建設反対の戦いと連帯し共に戦う事をお誓いします。」

 

●神奈川県の、<基地撤去を目指す県央共闘会議 副代表・檜鼻達実氏

 

写真 <基地撤去を目指す県央共闘会議 >副代表・檜鼻達実氏 (写真出処 柴野貞夫時事問題研究会)

2000年、神奈川県央にいくつも点在する、米軍基地の撤去を求めて、県の労働組合、住民団体で結成された組織の戦いを紹介しながら、次の様に訴えた。

04年から始まった日米軍事再編によって、神奈川中央部に点在する相模、座間,厚木の主要な3つの陸空米軍基地と、2008年、核空母ジョージ・ワシントンの母港化が強行された横須賀米海軍基地等の、恒久化が狙われている。米陸軍司令部のあるキャンプ座間には、20133月から、自衛隊の海外派兵を前提にした落下傘部隊を率いる、<陸上自衛隊中央即応集団司令部>が移駐してきた。海外侵略のための日米軍事同盟の具体的姿が生まれつつある。

爆音被害に苦しむ厚木基地周辺住民による第4次訴訟、空母艦載機の度重なる墜落や、部品落下事故、米兵の相次ぐ犯罪行為、欺瞞的「再発防止」のから約束は、情報の非公開・機密扱いによって、基地の存在と米兵の犯罪は遣りたい放題だ。

「国家安全保障会議の創設」、「特定機密保護法の採決」、「集団的自衛権の行使」への動きは、神奈川の4つの米軍基地反対闘争と、京丹波]バンドレーダー基地反対闘争が、安倍政権の軍事化路線と真っ向から対決する共通の戦いである事を示している」と。

集会は、各地参加者代表の挨拶、外国(韓国、フィリピン、米国、ドイツ等)からの連帯メッセイジのあと、集会宣言を採択し。その後宇川農業会館から、米軍基地予定地を取り囲む全集落を通過する約4kmのデモ行進に移った。


<集会宣言>(要約)

「・・・・この経ヶ岬・宇川での地元住民と連帯した私達の戦いは、「国民〔人民〕主権から国家主権」への、憲法改悪を進める安倍内閣と戦う、近畿における最前線です。

皆さん、423日、経ヶ岬に米軍基地を押し付けるオバマが來日します。強く抗議するとともに、東アジアの緊張を煽り、特定秘密保護法で国民の「目と耳と口」をふさぎ、集団的自衛権と海外派兵を目論むファッショ的な安倍内閣を打倒する日まで、共に戦いましょう!!」

 

▲写真 宇川地区を行進する示威隊(写真出処 柴野貞夫時事問題研究会)

 

 


  写真 沿道に出て、デモ隊に歓迎の拍手をする地元・袖志地区の住民達、基地予定の宇川地区では、過半数以上の住民が、基地反対の意思を明確にしている。(写真出処 柴野貞夫時事問題研究会)

 

 独立メディアIWJUSTREAMのライブに記録された、宇川地区・袖志地区住民の声―デモ隊が通過する途中や、その後に収録―


<その@

(質問)基地建設をどう思われますか?(50代〜60代男性に対し)

大反対です。私達に何のメリットもありません。ここは過疎地です。米軍の基地が出来て、何か悪い事が起こっても良いことは無いでしょう。我々はどうでもよいが、後の子供達が大変です。可哀相です。デモ隊に参加したい位です。

(質問)ご自身のお仕事は?

漁師です。 「たいざ」で、大型船の蟹漁をしています。今年は海が荒れ、漁獲が少ないです。320日に終りました。この地区は、一本つり漁師も多いですが、航空隊分屯地や、米軍のレーダー予備調査などで、試験電波を出しているらしいとの噂もあって、魚が居らん様になったと言っています。家の中で変な震動があるとも。地元の船で調査発信をしているのか。516日、17日の地元説明会には、蟹漁で参加できませんでした。


<そのA>
(質問)Xバンドレーダー基地について聞かせください(自宅前で、家族・近所の人々56人で
デモ行進に拍手を送っていた60前後の男性に対し)

はい、もう大反対です。 私は、基本的に米軍が日本に基地をおく事自体に似反対です。

そもそもここは、敗戦後、進駐軍が駐留しました。その時の話を、聞かされています。恐ろしい目に遭った人達が居たと言うことです。また再び起こる事だってある。断固として、来て欲しくありません。私は、沖縄をみるにつけ、日本全国から(米軍は)は撤退すべきと思います。

(質問)隣近所でこんなお話をする思いはどうですか?

こうして、立って拍手を送る事も、結構勇気がいります。本音では、反対の人がほとんどです。声をあげると名指しで圧力がかかる場合があります。

例えば、ここは「袖志地区」ですが、宇川で過半数の反対署名を取っていますね。本当はもっといます。 署名をすると、具体的に公表される事になりますね。だから『圧力の目標になって』書きにくい。
ですから、「憂う会」の人達もそれを配慮して、敢えて入らなかった所もあるのです。入ると、中を引き裂く場合もある。「会」は、そんな状況を踏まえ、配慮をしてくれているのだと思います。

(質問)反対しても無理なんではないかと言う人も居るようですが?

一部にはあるんでしょうが、それは、“地権者が契約をすべて終っただから、それで終わりだ”と言う様に、思わせられているからです。防衛省は、先日の説明会でも、「契約は終った、あとは工事に入ります」と言った説明ばかりで、私達が昨年の説明会で、出した沢山の疑問、質問には、何一つ答えていません。「国が遣る事だから安心してくれ。心配しなくとも良い。知事も、京丹後市長も、国を信用しようーこればっかりだ。治外法権を持った米軍が、交通事故や犯罪を犯したらどうなるのか、責任はだれがとるのか、国はどうするのか、沖縄のように、殺傷事件、性犯罪が起こった場合、誰も責任を取っていないではないかなど、何一つかいとうがない。

回答と言えば、「検討します。米軍を教育します、」と言った根拠のないはなしばかりです。16日の説明会もそうでした。

私は沖縄の「標的の村」を、映画になる前のユーチューブで、見ました。あれをみれば、この宇川の米軍基地の先が良く分かります。一目瞭然です。自分達も同じだと、想像通りと言うか、国の遣る事は何時も一緒なんだと。

今日の新聞に載っています。この先の高浜原発のある、高浜で、福島・双葉町の町長さんが講演し、「国の言う事は信用してはいけん。うそばっかりだ。一番安心なのは、原発を廃止する事だ」といっています。同じだとおもいます。

(質問)山田知事が、初登庁のとき、「地元住民が心配をかかえている。今日のデモも踏まえて、国にも言って行く」と言わざるを得ない状況は、この戦いが一定の成果を生んでいるという事でしょうね?

その通りですね。まだまだ地元はくじける訳には行きません。しかし、地元だけでなく、今日の様な大きな皆の力を集める事が必要だと思います。

沖縄の山城さん、饗庭で戦う人達、岩国、神奈川―横須賀・厚木・相模原、全国の基地反対の戦いのなかで、京丹後のXバンドレーダー基地反対闘争が、今日、全国の問題になったといわれていますよ。

 
 

 


(写真出処 柴野貞夫時事問題研究会)

▲写真 車も殆ど通らない小さな村落に、似つかわしくない面々。何をしに来たのか?彼等は、地元住民からも胡散臭がられていた。(写真 柴野貞夫時事研)


▲写真 基地予定地を示すトラロープ  (写真出処 柴野貞夫時事問題研究会)



<参考サイト>


民衆闘争報道/米軍基地(経ヶ岬・米軍Xバンドレダー基地)は、京都にも、沖縄にも、何処にもいらない(2013年12月15日)

論考/オスプレイ沖縄配備と、規制なき米軍基地の実態を暴く(2012年10月10日)

論考/日米安保条約と日米地位協定の歴史と、その反憲法的・反民衆的本質(2012年11月1日)