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(韓国民衆言論 ハンギョレ 国際ニュース 20131121日)http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/612229.html

 

秘密保護法、必ず止めなければならない!

              −東京など14か所で大規模な反対示威行動

 

 

東京−キル・ユンヒョン特派員


 

<秘密保護法>は、米―日が共に戦争を遂行する場合に備え、日本政府が、軍事機密の流出と市民社会の監視を、源泉的に遮断し様とする意図で推進しているものだ。(キル・ユンヒョン)          

  

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21日午後、東京千代田区日比谷公園野外音楽堂で、市民10000名が殺到した中開かれた「秘密保護法を止めろ11.21大集会」で、海渡雄一弁護士は、秘密保護法の危険性について講演している。[出処 ハンギョレ キル・ユンヒョン]

日本の各界で反発が拡散している

東京だけでも、市民1万余名が殺到、“国民の知る権利無視の法、許さない”と言論・法曹・学界も反対声明。与党は、26日衆議院通過を狙う。自民党出身の野中元官房長官は、“戦争の足音が聞こえるようだ”と。

“何が秘密なのか?それが即ち秘密なのだ”

21日午後630分、安倍晋三日本総理が、立法を推進中である「特定秘密保護法」に反対する日本市民達が、東京千代田区日比谷公園野外音楽堂に殺到した。この日、秘密保護法に反対する日本市民達は、東京を始めとして全国14か所で、‘秘密保護法を止めろ11.21大集会’を開いた。東京だけでも、行事開始前から集会場内外に、市民1万余名が殺到した。主催者側では“入場出来なかった人達が2,000名にもなる”と明らかにした。

市民達がこの法案に反対するのは、政府が自分の隠したい情報を、‘特定秘密’として指定し、永遠に隠す事が出来ると言う懸念の為だ。この日行事を準備した海渡雄一弁護士は、“自民党の法案には何が特定秘密であるか、確認・監視する手段がない。市民達は、何が特定秘密として指定されているのか知る事も出来ない。総理が(法案の客観的な監視をする)3機関の役割をするのだと?ふざけてはいけない”と語った。この日の行事に参加した民主党の近藤修一衆議員も“この法は必ず廃案にしなければならない。”と主張した。

志位和夫共産党委員長は、“米軍基地の被害が深刻だと考え、市民が写真を撮り、インターネットに上げれば処罰を受ける。この様に、国民の知る権利無視する法を許す事は出来ない。”と声を高くした。

議員達の発言が続く瞬間、客席では“ふざけるな”“法案を廃止しなければならない”と言う喚声が続いた。集会を開催した‘新聞労連’‘平和フォーラム’‘秘密に反対する学者・研究者連絡会’などは、この日配られた資料で、“核発電関連情報や、環太平洋経済同伴者協定(環太平洋経済連携協定)TPPの様な国民の生命と生活に関連した情報も、秘密として指定してしまう事が出来る”と訴えた。

秘密保護法は、核発電政策とともに、日本の政治圏と民心の乖離現象を見せる代表的な事案として数えられる。

<毎日新聞>12日世論調査の結果を見れば、この法案に対する反対意見が59%で、賛成意見(29%)を2倍超えている。法案を今回の臨時国会時、慌てて処理せず慎重に扱わなければならないと言う意見も80%を超える。

それだけではなく、日本新聞協会など言論界、日本弁護士連合会など法曹界、市民団体、学界、女性界全てが、法案に反対意見を明らかにした状態だ。

そうであっても、法案制定作業は着々進められている。自民党は最近、みんなの党、日本維新の会などと協議を終え、共同提出案を準備する事に意見を集約した。野党は、初めは、特定秘密に指定する事が出来る情報を外交・国防分野に限定し、政府の恣意的法運用を防ぐ事が出来る第3者機関の監視等の内容を、包含する計画だったが、自民党の反対に押され、退いてしまった。

<朝日新聞>は、21日、“野党との調整でも、法の核心的な部分は変わらない。”とし、“自民党が25日、福島で地方公聴会を開いた後、26日、衆議院通過を企図するだろう。”と指摘した。

この日現れた市民達の不安は、誇張ではない。20日、赤嶺政賢共産党議員は、衆議院国家安全保障特別委員会で、政府が福島第1原発の事故状況を撮った衛星写真を、‘極秘保全’を理由に東京電力に提供していない事実を指摘した。共産党機関紙<アカハタ>(赤旗)、核発電所、自衛隊海外派兵活動靖国神社なども、機密になると警告した。

自民党幹事長をつとめた野中務元官房長官も、懸念の声をぶちまけた。彼は16日、兵庫県で開かれた或る後援会で、“戦争の足音が聞こえる様だ。何故秘密保護法が必要なのか、秘密を国民の視線が触れないところに隠そうとするのではないか”と懸念した。太平洋戦争当時、政府が軍機密と言う理由で、国民の耳目を塞ぎ、戦況をろくに知らせず、国家を存亡の危機に追いやって行った歴史を喚起させたのだ。

この法案は、日本の民主主義を質的に後退させる危険だけではなく、米国の公開的な支援を受け,推進される安倍政権の集団的自衛権行使の為のものだと言う指摘も続いている。集団的自衛権行使が指摘され、米―日が共に戦争を遂行する(事となる)場合に備え、日本政府が軍事機密の流出と市民社会の監視を源泉的に遮断し様とする意図で推進していると言うものだ。  

(訳 柴野貞夫 20131124) 

 

 

<参考サイト>

 

論考安倍政権下の日本の情勢@ 「秘密保護法案は、立憲的ファシズム体制を狙う治安立法である」(2013年11月2日)
 

民衆闘争報道/大阪弁護士会が「秘密保護法案」に反対するデモ行進 (2013年11月12日)
 

☆世界を見る−世界の新聞/冷戦解体以後、米国の対日本戦略(韓国・タハムケ「レフト」2013年11月9日付)