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〔韓国 キョンヒャン(京郷)新聞 国際記事 201434日付〕http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=201403042129125&code=970203

 

[東日本大地震3]福島原発―解体作業の労働者に単独インタビュー
     原発労働者は‘(先に死んで危険を知らせる)カナリヤ’の様な存在
      −許容量に近づいた時は解雇


                       韓国キョンヒャン新聞(東京特派員)ソ・ウイドン記者

 
“原発労働者は‘鉱山のカナリヤ’の様な存在ですよ。ガス中毒でまず死に、人夫達に危険を知らせると言う(ガス感知の為の)あの鳥です。日本政府が、東京オリンピックに費やす金があれば、福島第1原発事故収拾と避難住民達に使うことこそ当然です。
事故収拾現場の労働者は、“重層的下請け構造のピラミッドの中で、労働者達は危険手当も受け取れず、搾取され捨てられる。”と言う“不安定労働の典型的な構造”のなかで、苦しんでいる。

東日本大地震と福島第1原発事故発生の3年(11日)を前にして、キョンヒャン(京郷)新聞が、先月28日東京都内の或るレストランで、福島原発事故現場で勤務した解雇労働者と単独で会い、事故収拾の混乱の様相と日本政府の原発事故対応の問題点を挙げた。20121月から10月末まで勤務するが、解雇された後、原発労働者支援団体で活動中の小保(仮名・30代中盤)は、“事故現場は、日本の不安定労働の構造的問題が凝縮されている所”だとし、“多段階(訳注―下請けー孫受けー曾孫受けなど、重層的な)の下請け構造下で、労働者達が搾取され捨てられる体制のなかでは、まともな事故収拾を期待するのは難しい”と語った。
福島原発事故現場は、原発運営者である東京電力(発注企業)と源泉業態である大企業、その下の多くの下請け業態が、多段階にピラミッド構造を成しているのであり、この過程で、‘ピンハネ’と呼ばれる賃金の横取りがやられている。北海道や沖縄からまで、労働者達が押し寄せているが、放射線量が時間当たり数百ミリシーベル・mS成人基準値は、年間1mS)に達する建物内の残骸処理作業などに動員される途中被爆し、早ければ2週間で解雇される。
小保は、“労働者達がたびたび入れ替わる為に、汚染水流出、浄化装置作動中断など、失敗による事故が頻発する”とし、“東京電力や大企業が、労働者達を直接雇用し、安全性を高め、医療・生活保障対策を用意するなど、労働環境を改善しなければ、事故収拾作業に大きいつまずき(失敗)が引き起こされる”と語った。小保は、写真撮影は無論、身元公開もしない条件でインタビューに応じた。

[写真]  国際原子力機構の安全点検要員らが、昨年1127日福島県にある福島第一原発を点検している。国連は先月13日福島原発から流出された冷却水が、を汚染させているとして日本政府の対策を迫った。[写真出処―国際原子力機構提供、AFPヨンハップニュース]

●事故収拾労働者の頻繁な交替で、汚染水流出などの事故が頻発している。“住民達が見れば、帰還をためらう”ので、重装備の防護服を、簡単な防護服に変えさせられた結果、被爆労働者が増大した。

● 問い 何時から、福島原発事故現場で働き、どんな仕事をしたのか?

“知人の紹介で、20121月から10月末まで働いた。原発事故収拾本部がある免震重要棟に付属した仮建物で、原発労働者達の放射線管理を受け持った。作業員達の装備着用を助けてやったり、放射線量測定器を配って回収する。防護服とブーツを脱ぎ終わった後、一日の被爆量をチェックする。外部の現場には行かなかった。”

    問い 防護服とマスクを使うとしても、被爆を避ける事は難しいのではないか?

“重装備を体にまとい夏に作業をすれば、手袋と顔面のマスクが水まみれとなる。視野が濁り、マスクを途中で脱ぐので、そうすると被爆を避ける事が出来ない。私は室内で勤務したが、停電が頻繁で、室内でも汗まみれだった。後では、マスクを脱ぎ仕事をした。防護服を挟みで裂く途中切る場合もあるので、内部被爆が懸念されるが、線量系で再見したあと、絆創膏で貼ってしまう。始めは注意したが、次第に‘一人大騒ぎで振舞っている’と言う考えになって、小保は、201112月、民主党の野田佳彦総理が事故収拾宣言をした後で装備の簡素化が推進されたと言った。“作業員達が重装備を着用する姿が、避難した住民達の帰還に障害となると見た様だ。全面マスクと放射性ヨードをふるいわけるフィルターが、収拾宣言以後には、半面マスクと防塵フィルターに交替されました。装備が簡素化されて、労働者達はおまけで被爆されたのです。事故収拾宣言前には、形式的にしろ癌検査も受けたが、これさへ無くなりました。”

写真上―福島原発・解雇労働者小保が、自分の管理手帳を広げて見せている。20126月、ひと月間の被爆量が2.7ミリシーベルトに達するものと明らかになっており、勤務場所が<東電福一>(東京電力福島第1原発)と、表示されている。[写真―小保提供]

    問い どうして10ヶ月で辞めたのか?

“大抵、20 mSv(ミリシーベルト)くらい被爆すれば、いろんな理由を付けて解雇する。作業員達の年間許容被爆量は50 mSv(ミリシーベルト)であるが、後で健康異常が発生した時、責任を負わない様にしようと早いうちから切り捨てるのだ。はじめは、日当1万円(10万ウオン)に、宿舎と朝/夕食費は会社が負担する様にされていたが、途中で宿食費支援が絶たれ、抗議するや急に‘ひと月後に解雇’通報を受けた。”

    問い どんな作業が、最も危険なのか?

“爆発が、出た建物の内部作業と、敷地の残骸処理の被爆量が最も高い。2週で切られる人もある。労働者の交替が頻繁なので、失策で電源を切ったり、配管を間違って触り、汚染水を浴びる事が茶飯事だ。”

    問い 労働者達の間で、意思の疎通は満足なのか?

“会社の事を口外し、東京電力や源泉業態(元請)に目を付けられたら、切られる。宿舎付近の酒場にも行くなと教育を受ける。近所全体に‘関係者’達が散らばっている。‘スパイ’も多いためだ。東京電力に抗議すれば、当事者だけでなく所属会社さえ、事業契約が解約され同僚達まで連帯責任を負わされる。(匿名で)相談センターに不満を提起すれば該当会社に‘職員教育を良くさせろ’と通報する。そうして犯人探しが行われる。元請会社の職員に会う場合もあるが、歯向かえば‘アウト’だから我慢する。‘沈黙と服従’のシステムが確立されている。

上記表(訳文)

福島第1原発閉鎖日程(東京電力HPより)

 

●水槽にある燃料棒の数―

1号機・392、 2号機―615、 3号機―5664号機―1533(内・ 引き出し数―374)

●水槽内核燃料棒引き出し作業開始時期−

1号機・2017年 下半期 、 2号機・2017年 下半期,  3号機・2015年 上半期 

●溶解した核燃料引き出し作業開始時期―

   1号機 2020年 上半期、 2号機 2020年 上半期、 3号機 2021年下半期

●原発閉鎖完了予想

   20432053年(20134号機燃料棒引き出し開始後、3040年)


小保〔仮名〕は、“多段階〔重層的〕下請け構造のピラミッドの中で、労働者達は危険手当も受け取れず、搾取され捨てられる。”とし、“不安定労働の典型的な構造”だと語った。小保は、原発作業を辞めた後、疲労・倦怠感と憂鬱症、皮膚感覚喪失で、夏でも寒さに反応する後遺症に苦しんでいる。彼は、“戦死すれば、靖国神社で神として祭られると言う、耳障りのいい話同様に、原発労働者達も一時は救国の英雄の様に持ち上げられる時があった。しかし、被曝に遭い、解雇された人々の将来には誰も関心を持たない”とし、原発労働を戦争に例えた。
小保は、福島原発事故収拾を、国家の大事として考えるなら、原発労働者達が被曝された後にも、生活保障が成されるようにして、作業も労働者の安全を基本にしなければならないと言った。
小保が属している‘被曝労働を考えるネットワーク’は、23月を‘被曝労働者春闘’の期間として定め、来る14日、東京電力と関連部署を相手に賃金未払い、労働環境改善を要求する抗議行動に出る。
原発事故3年を迎え、事故現場の労働問題が、日本社会の懸案として本格的に浮かび上がることとなる訳だ。

(訳 柴野貞夫 201438日)

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