柴野貞夫時事問題研究会HP

　　　　　　　　　 関東の地を血で染めた、日帝の朝鮮人殺戮蛮行

関東大震災時における、朝鮮人集団殺戮犯罪91周年に
真相究明も、謝罪もしない日本政府の責任を問う

1923年9月1日、この日の午前、日本の関東一帯では日本の歴史上、稀な大地震が起きた。リヒート尺度で7,9の強い地震は、朝食の準備で家々毎に、風炉に火を起こしている時、突発的に起こったものとして、その結果は非常に破局的だった。10余の都市と村々が、火の海に変化した。120余万名の住民達が野外にうずくまった。

しかし、歴史に収録された関東大震災は、決して、自然的な災難だけではなかった。それは、在日朝鮮人弾圧の良い機会にした凶悪な日帝（日本帝国主義）によって、わが民族は、残酷で悔しい死を、強要されなければならなかった。

当時、破壊的な地震の結果で、災難を受けた被害地域の住民たちの中では、切迫した救助対策を取らない政府に対する抗議の声が高まった。切羽詰った日本当局は、極度に至った民心の不満の矛先を、在日朝鮮人達に向け、政府に対する国民の反感を静める一方、これを、大々的な朝鮮人弾圧と虐殺の機会にする恐ろしい陰謀を企んだ。

9月１日、午後、情報組織に、民心安定の為に手段と方法を選ばない事に関する命令が下達された。これによって情報組織では、“朝鮮人が放火する”、“朝鮮人が井戸に毒薬を注ぐ”などの流言飛語を捏造した。日本当局の謀略家達がかじり付いて、朝鮮人の大虐殺陰謀を考案して出した。９月2日、朝鮮人弾圧指令が各地方長官らに下達された。引き続き狡猾な日帝は、朝鮮人殺戮の必要性と合法性を日本人達に＜納得＞させる為に、＜朝鮮人暴動説＞を捏造し、朝鮮人を敵として規定し、無慈悲に虐殺する事についての内容を盛った日本王（天皇）の＜勅命＞－401号を公布した。

日本の法律によれば、戒厳令は、戦時、或いは事変が発生する場合にだけ宣布することが出来たのであり、事変である場合にも必ず、内乱もしくは暴動の発生が認定されてこそ、下されることになった。しかし、自然災害の救済とは関係なく、日帝は、無垢な在日朝鮮人を、根拠なく敵として規定し、弾圧する事に対する戒厳令を公布したのだ。

日本反動政府の、直接的な関与下に最も悪質な将校らで、関東戒厳司令部が組織された。数万名に達する軍隊と警察武力が、関東一帯に集結されるなど、この地域の情勢は、物々しい戦時状態を彷彿とする様だった。警察署、派出所などには、＜不良朝鮮人達が蜂起＞したと言う捏造説と共に、＜（朝鮮人が）反抗すれば、殺しても構わない＞と言う、掲示文が張り出された。

警察官達はメガホンを持って都市を巡回し、＜朝鮮人達の暴行に対しては、殺しても構わない＞と、日本人達に公然と扇動した。（日本人）不良輩（やから）達も、組織された＜自警団＞などが、軍隊と警察などと協同した。

歴史に、地殻運動が引き起こした自然の災難である関東大震災とともに、人工的な災難として収録された日帝の極悪非道な朝鮮人集団殺戮犯罪の幕は、この様に開かれた。

　　▲自警団によって殺害される朝鮮人被害者

元来、サムライ気質を生まれつきにした上に、民族排他主義が体にすっぽりと染み付いた日帝殺人鬼達は、小銃、日本刀、短刀、竹槍、棍棒、鉄のとび口など、各種凶器などを持って、朝鮮の人々を次から次へ、無残に弾圧虐殺した。

日帝は、朝鮮の人々を見るだけで、撃ち殺し、刺し殺し、火を点けて殺したり水に投げ込んで殺したのであり、父母達が見る前で子供達の体を切ったり、朝鮮の人々の手足を鋸で挽き、包丁で目をえぐり出すなど、殺人鬼的本性をそのまま、剥き出しにした。＜人間屠殺人＞達は、＜久しぶりに、法が許す‘人殺し’なので、興が乗った。電柱に鎖で繋いだあと、殴って蹴り、金具で頭に穴を開け、竹槍で突き刺した。＞と自慢しながら快楽に浮かれた。

血に飢えた悪党達は、街角毎に検問所を作っては、我が人々が発音するのに苦労する難しい日本語を遣らせて見ながら、朝鮮の人々を選び出し、その場で仮借なく殺した。関東地方で、日帝の虐殺蛮行を直接目撃した、或る日本人の証言を反芻して見よう。

“・・・或る、うら若い朝鮮女性の死体もあった。その女性の腹は、切裂かれていたし、6～7ヶ月位になって見える胎児が、はらわたの中にあった。それを見た瞬間、私はあまりにも驚いて、横に飛んで退いた。我々日本人がこれまでに残忍な振る舞いをしたと言うのか。・・・私が日本人だと言う羞恥感を、この時の様に痛感するのは初めてだった。

関東地方は、言葉通り、無垢な朝鮮人達の血で染まった。日帝に無残に虐殺された朝鮮人達の数は、凡そ2万3千名を数える

それだけではない。人間狩を一つの道楽と考えた日帝殺人鬼らは、けだものも顔を赤らめる残虐無道な虐殺をしても足りず、九死に一生で生き残った朝鮮人達を、捕虜収容所に閉じ込めて置き、牛や馬より、もっとひどく酷使した。日帝の野獣達は、在日同胞達を捕虜として取り扱いながら地震被害地域に追いたて、強制労働をさせた。この過程で、数多い我が同胞達が無残に虐殺され、飢えて死に、労働災害で倒れた。

実に、在日朝鮮人達に濡れ衣を着せた関東大地震の惨禍は、その目的と実行に至るまで、日本反動政府の主導精密な計画の下、捏造された野蛮的な朝鮮人集団的虐殺事件、血にまみれた反人類的大殺戮蛮行として、日本反動支配層の民族排他主義と朝鮮民族抹殺政策の産物だった。

関東大震災があった時から、91年と言う歳月が流れた。しかし、今までも日本反動達は、この事件の真相さえ明確に、明らかにしていないのであり、これに対するどんな罪の意識も、責任感も感じていない。どれほど日本の良心的な人士達と市民達が、＜関東大地震朝鮮人虐殺の国家責任を問う会＞まで結成し、朝鮮人虐殺蛮行に対する政府の責任認定と謝罪を要求していることか。

その、どんな術策によっても、殺人罪悪に満ちた過去歴史を歪曲することも、埋めてしまうことも出来ない。日本当局は、関東の地に恨を抱いて死んだ数千数万の霊魂の怨恨に満ちた絶叫を深く刻みつけ、一日も早く、その罪悪を清算しなければならない。

（訳　柴野貞夫　2014年9月2日）

日弁連　関東大震災人権救済申立事件調査報告書

http://www.azusawa.jp/shiryou/kantou-200309.html

朝鮮新報　「関東大震災下の朝鮮人虐殺問題１」　恐るべき国家犯罪

http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2008/01/0801j0402-00001.htm

朝鮮新報　「関東大震災下の朝鮮人虐殺問題６」　戒厳司令部が作成した「虐殺記録」

http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2008/01/0801j0801-00001.htm

朝鮮新報　「関東大震災下の朝鮮人虐殺問題５」　内務省の組織的伝播で自警団発生

http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2008/01/0801j0702-00002.htm

壺井繁治と関東大震災　　代わりに詠んだ「十五円五十銭」

http://www1.korea-np.co.jp/sinboj//j-2003/j06/0306j0917-00001.htm