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(朝鮮民主主義人民共和国 労働新聞 情勢論解説 2015118日付)

http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2015-01-18-0026&chAction=L


         米国によるどんな制裁や圧迫も、我々には通用しない
          −<砲艦外交>は破綻している



● 戦争の危険を除去し、平和環境を準備する我々の提案を拒否する米国

新年、年の初めから、米国の対朝鮮敵対視政策が悪辣に敢行されている。我々は、最近米国に、南朝鮮との合同軍事演習を中止する事に対する、画期的な提案を発表した。(訳注―去る9日、共和国は、朝鮮半島で戦争の危険を除去して、緊張を緩和し、平和的環境を用意するために、米国が3月に予定している「韓米連合軍事演習」を停止すれば、共和国も「核実験を一時的に止めることができる」と米国側に提案した)
これは、朝鮮半島で戦争の危険を除去し、緊張を緩和し、平和的環境を準備する為の我々の真摯(しんし)な努力の一環として、内外の積極的な支持と共感を受けている。しかし、これと関連した米国の立場は、極めて挑発的であり、挑戦的である。
北侵戦争演習を中止する事に対する、我々の合理的で建設的な提案を、米国は相手の譲歩を引き出そうとする対話攻勢だと中傷しながら、3月初めから合同軍事演習を実施するだろうと言うことを公開した。

    ピョンヤン占領を目標にした‘米・韓合同軍事演習’は、朝鮮半島情勢を戦争の瀬戸際に追い込もうとするものだ

<キーリゾブル>、<トクスリ>合同軍事演習が、<防衛訓練>である為に中止する事が出来ないと言うのが、彼等の弁明だ。これと時を同じくして、米国内では、我々を極度に刺激する挑発的な妄言が流れ出している。新年に召集された国会聴聞会で、種々雑多な連中が、“北朝鮮に核武器やミサイルを放棄するように、可能な手段をすべて動員し、圧迫しなければならない”と、口を集めてほざいた。
彼等は、我が共和国に、如何なる国際法規と規範遵守を要求すると言うのか。我が国を、テロ支援国として再指定しなければならないと言いながら、彼等の追従勢力達は無論のこと、朝鮮半島周辺諸国まで引き寄せて、対北制裁圧迫を加えなければならないと、それぞれ(の連中)が大騒ぎしている。
世論は、新年に米国内で、対北朝鮮強硬論が権勢を得ていると伝えている。総体的に見て、米国は今年にも、緊張緩和でなく対朝鮮圧迫政策で朝鮮半島情勢を戦争の瀬戸際に追い込もうと画策している。
これは、決して憶測ではない。年毎に、南朝鮮で敢行される大規模北侵戦争演習は、朝鮮半島の情勢を不断に激化させる根本原因になっている。
米国と南朝鮮は<防衛訓練>を標榜するが、核戦争準備などを含んだ、そのままで一つの戦争をやり遂げる事が出来る大兵力が動員されて繰り広げる<ピョンヤン(平壌)占領>を目標にした合同軍事演習は、防衛訓練とどんな所縁(ゆかり)もない。


● 米国が、朝鮮半島の平和と安全に真に関心があれば、合同軍事演習を中止出来ない理由はない

米国は、南朝鮮で数十年の間、合同軍事演習を繰り広げて来た事をもって、(今回の軍事演習を)中止する事が出来ない根拠の一つとして例を挙げたが、1990年代に、我々の正当な要求に沿って核試験戦争である<チームスピリット>合同軍事演習を中止した前例がある。(訳注−クリントン政権時の199312月、共和国は核問題解決の一環として、「軽水炉」導入を条件に、申告済みの各施設へのIAEA査察受け入れを認め、米国は、『チームスピリット演習』を中止した。)
米国は、年毎に南朝鮮で敢行する合同軍事演習を正当化して見ようとするが、北侵核試験戦争を数十年の間敢行して来たと言うその事自体が、戦争狂達の正体を自ら暴露しているのを、知らなければならない。
南朝鮮で狂乱的に敢行される北侵核戦争演習が、中止されない限り、北南間の対話は無論のこと、朝米間に、如何なる実際的な対話も前進することが出来ないことは明白である。我々の提案通り、今年に米国が、南朝鮮との合同軍事演習を止めれば、北南間に対話が順調に進行され、朝鮮半島の情勢は無論、東北アジアの平和と安全を保障する事にも、画期的な前進が成し遂げられるのは疑う余地もない。

米国が、朝鮮半島の平和と安全に、真に関心があれば、合同軍事演習を中止出来ない理由はない。米国が、我が共和国に対する制裁の棍棒を振り回しながら、如何なる<国際法規と規範遵守>を云々するのかについて言えば、それはどんな妥当性もない。

    米帝の対朝鮮敵対視政策に便乗した、国連安保理の‘共同声明’と制裁決議は、国際法に違反する侵略行為である

国連安保理事会が、我が国の平和的衛星発射を問題視し、核活動中断と核抑制力放棄を要求する<共同声明>と言うものを発表したが、それは米帝の対朝鮮敵対視政策に便乗し、我が共和国の自主権と、平和的な宇宙と核利用の権利を侵害する重大な不法行為だった。主権国家の尊厳と権利を蹂躙抹殺する為に採択した、何かの<声明>なるものが、国際社会の要求を代弁したものに成る事は出来ないと言うのは、誰にとっても明白だ。
我々は、(その‘声明’なるものと)正義と公正性とは、あまりにも距離が遠いそんな物を、国際法規と規範として認めた事はない。(訳注―共和国は201212月の人工衛星打ち上げに対し、20131月、国連安保理が2087号決議<http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/missile_12_2/anpori_2087_jp.html>を全会一致で採択したことに対し、‘宇宙の平和的利用に関する普遍的な国際法に準じて自主的且つ合法的な、平和的衛星発射の権利’であるとし、共和国と他の国々を差別する、その決議の<二重基準>性を批判した。)
我が共和国は、我々の自主権を侵害する為に敵対勢力が考案して出した、あらゆる形態の卑劣な<制裁決議>と言うものを、過去と同じ様に、これからも認めないものであり、それに徹底して拘束されないであろう。
真実を語れば、国際法の遵守に関して言えば、それは我々が米国に対して言う話だ。反共和国制裁策動は、国際法と諸国間の相互関係の規範を無視した不法な行為だ。
国際法は、どんな国も、他国の経済発展を侵害する事を禁止するだけではない。自分の利己的目的実現のために、他の主権国家の利益を侵害する事を許容していない。
1930年代に採択発効された<侵略の定義に関する条約>を始めとした、一連の国際的な条約、決議などには、他の国の自主権とその経済的独立を侵害し、国の経済の命脈の基調を脅かす経済的圧力措置をとる事、他の国に経済的封鎖を加える事などが、侵略行為として、国際法に対する違反として、規制されている。

    米国とその追従勢力達の反共和国<制裁>は、我が人民を窒息させる為の悪辣な民族抹殺策動だ

しかし、米国は我が共和国に、最も長い間、そして最も不当に、悪辣に制裁を加えている。歴代の米国反動統治輩達は、我が共和国を孤立窒息させようと、貿易と金融、投資は無論、社会経済生活のあらゆる分野に対する体型的で、全面的な制裁策動に、執拗にしがみついた。

現在米国が我々に対し、敢行している制裁は、軍事分野は語るに及ばず、人民生活に必要な物資に至るまで、殆ど全ての分野の取引を制限、禁止させている。
各国の自主権を尊重し、侵害しない事を規制している国連憲章と国際法規範をむやみに踏みにじり、あらゆる専横と強権に没頭している米国に、どんな<国際法と規範遵守>を論ずる体面があるのか。
米国とその追従勢力達の反共和国<制裁>は、その悪辣性、危険性にあって前例がないものだ。それは我が国に対する科学発展の抑制、経済破綻策動であり、長期的に、科学技術と経済発展に制動を掛け、社会主義強盛国家建設と人民生活向上目標を貫徹出来ないようにすることで、我が人民を窒息させる為の悪辣な民族抹殺策動だ。
それはまた、我々の軍事的潜在力弱化させ、北侵戦争を挑発する事ができる条件を準備し、力で、我が国の社会主義制度を崩壊させるための露骨な戦争策動だ。我が共和国に反対する米国とその追随勢力の、<制裁>策動が、国際法に違反する不法非道な犯罪行為になると言う事は、これ以上論ずる余地もない。

● 10年余の過酷な経済制裁の後、譲歩したイラクは、米国による戦争の惨禍を浴びた

帝国主義者達の制裁には、露骨な軍事的強権行為が後に従う。新しい世紀に入って、米国が敢行したイラク戦争は、帝国主義者達の過酷な経済制裁が10余年間も持続された後に繰り広げられたものだった。
米帝は、イラクの経済を混乱に追い込みながら、その潜在力を最大に弱化させた。その次に、<大量殺戮武器開発阻止>と言う看板を押したて、イラクを軍事的に押さえつけた。イラク侵攻は、帝国主義者達の制裁策動に屈服し、一歩、二歩と譲歩したら、結局は戦争の惨禍を浴びると言う深刻な教訓を残した。
経済制裁や封鎖は、米国が、彼等の気に食わぬ諸国を、孤立窒息させる為にしがみつく常套的手法として、一種の銃砲性のない戦争行為だ。
我が共和国に対する経済制裁、封鎖ですっかり参れば、米国は軍事的力を発動すると脅しつけているのは、経済制裁、封鎖が、戦争と繋がっていると言う事を、そのまま反証してくれる。
米国が、自主性を命として考える我が人民を、制裁で屈服させる事が出来ると、考えるなら、それは大いなる誤算だ。米国は我が共和国に半世紀以上制裁と圧迫を加えてきたが、結果は反対の効果だけを持たらした。
米帝の卑劣な制裁策動は、むしろ我が人民の反米感情、反帝意識を、更に強くしている。それは、自分の力で必ず社会主義強盛国家を奮起して立ち上げようとする民族自尊の精神を最大に発揚することとなっている。


● 我が共和国の権威、我が民族の尊厳は、帝国主義勢力の制裁が、これ以上通じる事が出来ない時代錯誤的なものにしている

我々は、帝国主義連合勢力の粘り強い政治、軍事的圧力と脅威、封鎖の中でも自体の力と技術、知恵で、世界の人々にこれ見よがしに、最先端科学技術の将軍、総合体と言う人工地球衛星を、一度に成功的に打ち上げたのに続いて、核実験を成果的に進めた。
我が共和国の権威、我が民族の尊厳は、最上の境地に至っている。我が国は、核保有国、衛星発射国の地位に登ったのであり、遠くない将来に、経済強国の隊列に堂々と入ることになるのだ。全世界を驚嘆させ、政治軍事強国に勢いよく立ち上がった我が国の現実は、米国を始めとした帝国主義反動勢力の制裁が、これ以上通じる事が出来ない時代錯誤的なものになっていると言う事を、はっきりと実証している。
圧力は、問題解決の方途ではない。我々は、米国がどれだけ圧力を加えて来ても、びくともしない。米国が、対朝鮮敵対視政策を放棄する代わりに、我々に対する国際的圧迫騒動にしがみ付くのは、事態をさらに悪化させる結果だけを招来するだろう。
我が軍隊と人民の前には、米国の<砲艦外交>は力を出す事が出来ない。何時の日か、以前の米国防長官ペリーは、“経済制裁を通して、北朝鮮に圧力を加えても成功しないようだ”と、言いながら、そんな“楽観的な考えは無邪気な人だけが言う事が出来る”と語った。
(米国が)相手を分からず襲いかかれば、大きな失敗を見ることに成るだろう。米国は、相手を真っ直ぐみて、向かい合わねばならない。偉大な先軍政治があり、一心団結の威力ある武器を持っている我々には、どんな卑劣で悪辣な術策と方法も、絶対に通じない。
米国は、これを肝に銘じ、これからでも時代錯誤的な対朝鮮圧迫政策を止めるのが良いだろう。無意味な<制裁>の小包みを持ち歩く米国に、我々が分け与えられるものがあるとすれば、‘鶏を追った犬、屋根を見上げる(周囲の景色が見えない)’(様な)品性の境遇の他にない。米国は、無分別な対朝鮮敵対視政策にしがみつくのではなく、大胆に政策転換をしなければならない。

                                           (訳 柴野貞夫 2015年1月21日)

<関連サイト>


朝鮮半島の戦争危機を煽る張本人は誰か (1)

☆ 論評[
国連安保理の役割と、朝鮮民主主義人民共和国に対する制裁](1)


380 第3次核実験は米国の対朝鮮敵対行為に対処した自衛的措置(朝鮮中央通信 2013年2月13日付)

☆377 (朝鮮半島における核問題の発生、その主犯は米国 (ウリミンジョクキリ 2013年1月29日付)

☆376  国連の対北制裁、北の理由ある抗弁 (韓国・統一ニュース2013年1月23日付)


☆375  「人工衛星発射に関する決議2087号」に対する外務省声明 (朝鮮中央通信 2013年1月23日付)