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(韓国 ヨンハップ<聯合>通信  20121210日付)

http://www.yonhapnews.co.kr/bulletin/2012/12/09/0200000000AKR20121209033100071.HTML

 

 

 

ジョエル・ウイット(前米国務省北朝鮮担当官)との[インタビュー]

 ○「米国は、強力な対北制裁は不可能だ 」
 ○「米国の‘戦略的忍耐政策’は破綻した」
 ○「韓国の選挙後の新政府は、対北政策転換の機会となる」
 ○北韓問題に対し現実的に対処しなければならない。対北政策のパラダイム(paradigm
   認識の枠組み―訳注)の転換が必要」

 

조엘 위트 '한국 새정부 미 대북정책 전환 기회'

 

       

ジョエル・ウイット前米国務省北朝鮮担当官が9日(現地時間)ヨンハップニュースと単独インタビューをしている。米国内で、北韓を最もよく知る専門家の中の一人として数えられる彼は、米国(がこれまで取ってきた)「戦略的忍耐政策(訳注―朝鮮民主主義共和国への、経済的制裁と軍事的抑圧政策によって、その体制崩壊を狙うと言う米国の対北政策を指す)を失敗として規定し、韓国の大統領選挙が、“オバマ行政府の対北政策を変える、唯一の契機”だと明らかにした。(20121210日)

 

 

 

“オバマ1期行政府の対北政策の失敗。北の勝利”

 

 

 

(於ワシントン= ヨンハップニュース)イ・チドン特派員

 

(ワシントン=ヨンハップニュース)イ・スングァン、イ・チドン特派員=ジョエル・ウイット前米国務省北朝鮮担当官は、9(現地時間)“米国政府は、北韓が長距離ロケット発射を強行すれば、強力な制裁を(すると)警告しているが、これは事実上、不可能だ”と語った。

 

ウイット前担当官は、この日、ヨンハップニュース・ニュースYとのインタビューで、この様に指摘した後、“こんな警告は、北韓()は無論であって、誰もこれ以上信じない”と強調した。

 

彼は又、“米国国防省は、キャビネットの中に積み上げて置いた、こんな種類の発表文(talking point)に依存する事を中断し、北韓問題に対し現実的に対処しなければならない”とし、対北政策のパラダイム(paradigm=認識の枠組み―訳注)の転換を迫った。

 

続いて彼は、白亜館(ホワイトハウス)が、最近、北韓に対し‘ミャンマーの道’に従えと迫った事に対し、“二国の(間の)甚だしい違いを知らない為”としながら、“北韓は、60年間専制主義体制を維持しながら、驚嘆に値する統制力を発揮しているが、ミャンマーは、過去から野圏(野党)勢力の力が強かった”と指摘した。

 

ウイット前米国務省北朝鮮担当官は、去る1990年代初、第一次北核危機当時、国務省北核特使だったロバート・カルーチ前次官補の選任補佐官として仕事をした後、韓半島エネルギー開発機構(KEDO)設立を主導するなど、米国政府で北韓政策を主として担当した。

 

公職退任後、ブルッキングス研究所で客員研究員として活動した後、現在ジョーズ・ホプキンス大国際関係大学院(SAIS)研究員として在職中だ。去る8月にはシンガポールで、チェ・ソンヒ北韓外務省−米国局副局長に会うなど、北韓当局者達とも接触を維持することで知られた。

 

 

 

以下は、ウイット前担当官との一問一答

 

○北韓の長距離ロケット発射時点(時期)の調整の理由は?

 

●温度が非常に低ければ、深刻な技術的問題が発生する可能性がある。ロケット発射には、天候の要因が重要なので、雪や風だけが重要なのではなく、温度も変数だ。冬季に発射計画を発表したのは、政治的な目的があった為と見る事が出来る。

 

 

中国の影響力が、作用したと言う分析がある。

 

●私は、推測よりは、事実的な根拠をもって言うのだ。北韓の技術者達は、(天気の為)非常に緊張したし、技術的な問題がもっと大きい要因として作用したものと考える。

 

 

北韓が、ロケット発射計画を発表した時点が、予想より早いと言う指摘が有るが。

 

●そうだ。特に北韓は、今まで長距離ロケット発射を冬季にした事がない。

 

発射を急いだ理由は、まず内部的に17日がキム・ジョンイル国防委員長の逝去一周忌である為であり、二番目に、南韓との関係で、イ・ミョンパク政府が終わる前に、最後の取引を願う可能性があって、南韓のロケット(ナロ号)発射計画を念頭に置いた可能性がある。

あわせて、一角では北韓のロケット発射に対して、単純に緊張を高めさせ、韓国と米国を話し合いのテーブルに引っ張り出す手段として考えているのか。実際に北韓は、ミサイルと核技術開発を真摯に進めている。

 

最後には、米国と韓国がいつの日か、話し合いのテーブルに帰ってくるものと予想して、それに備え、もっとも強力な体制を準備する事を願うのだが、それが即ち核とミサイルだ。

 

 

去る4月、ロケット発射当時には、外信記者達に公開し、失敗を認定したのだが、今回はどうなのか。

 

●失敗する場合、明らかに新しい計画があるだろう。それが、核実験であるか、他のものかは分らないが、新しい発表を出すだろう。ロケット発射は、彼等にとって唯一のカードではない。北韓としては損する事がない為に、強行するだろう。

 

 

米国政府は、強力な制裁を警告したのだが・・

 

●米国国務省は、この事に備えて、発表文を書いたメモを準備して置いているのであり、強力な制裁警告もこんな(程度の)ものだ。

 

我々は、既にこの問題で、現実の場合となったのであり、この発表文(talking point)に依存する事を中断する時となった。こんな警告は、北韓は無論、誰ももう(これ以上)信じない。米国が国連に行って、強力な制裁をする事が出来ると言っても、中国の為に強力な制裁は不可能だ。

 

北韓は、ほとんど50年間制裁を受けたし、今も事実上、すべての種類の制裁が成されている。

全世界で、制裁を受けながら最も効率的に生存する事が出来る国家が、即ち北韓だ。

 

 

北韓が、継続してミサイル、核実験をするだろうと言う意味か。

 

●勿論だ。北韓は自己防衛の為、核武器とミサイル、運搬システムを開発し、ウラニューム濃縮プログラム(UEP)を継続して進めている。

 

特に、今後5年内に最大50個の核武器を保有するものと予想されている。運搬システムは域内すべての国家に到達する事が出来、米国本土まで行くと言う事は出来ないが、深刻な脅威だ。

 

 

北韓の歩みは予測が難しいが・・

 

北韓問題に関しては、多くの専門家が、実際に知る事より、もっと多く知るかの様に話をする。私はこれを、‘微視的分析(micro analysis)’と名前を付けた。私を含んだ専門家達が、言論に出て、北韓についてよく知るように語るが、実際には理解することが難しい。

 

 

○‘戦略的忍耐’‘管理戦略’などとして、呼ばれるオバマ行政府の対北政策が失敗だと見るが

 

●失敗だと言うのは、疑いの余地がない。ミサイル試験発射も、一つの明らかな証拠だ。北韓のプログラムは継続されているのであり、我々は北韓を止める事が出来なかった。

 

戦略的忍耐政策は、成功しなかったし、状況は徐々に悪くなった。実際に北韓が勝った。

 

 

年初、北・米間の‘229合意’があったが、北韓が破った?

 

●私がそこに居たなら、協議の場を蹴って、出て行ったであろう。北韓が合意したと言う文書がなかった。北韓は過去数年間、文書で合意した事も破棄したのに(訳注―このウイット前担当官の指摘は事実でない。米国と北韓との合意を破ってきたのは米国側である)文書もなかったと言う事(訳注―米国側が、人工衛星の打ち上げについて、229合意文書で否定していない事を指しているのか?)を、(米国側が)どのように正当化できるのか、(その時もし)協議が決裂されていたなら、北韓がミサイル実験をしても、最少限、(米国が)赤恥を掻く事はなかったであろう。

 

北韓当局者達と時々会うが、彼等は、時は自分達の側にあると言う。

北韓政権は、米国と韓国が今の様な接近方式を続ける事を願っている。継続して、核武器とミサイルを開発する事が出来る為だ。

 

 

韓国の大統領選挙の結果が、対北政策また韓米同盟に及ぼす影響は?

 

誰が当選し様が、程度の差はあるだろうが対北対話(engagement)を追求するだろう。来年初めに米国を訪問し、オバマ大統領と会い、共同の接近方式を論議するはずだが、米国が戦略的忍耐政策から抜け出る大きな機会となるだろう。

 

したがって、韓国大統領選挙は、米国が戦略的忍耐政策から脱皮する事が出来る重要で、唯一つの機会だ。北韓との対話を願う韓国の新しい大統領は、我々にそんな機会を与える事が出来る。

 

 

○パク・クンヘ、ムン・ジェイン候補が、すべて北韓問題で、外交的努力を強調しているが、オバマ行政府と衝突の可能性は?

 

●同盟だと言って、いつもすべての事に、最初から共感出来ると言うことはないと言う点を忘れるのは駄目だ。不協和音があっても、その範囲を作って、その中で共同戦略の為に努力するのが重要だ。

 

 

一部では、米国が対北対話を願ったが、同盟関係を勘案して、対北強硬基調を願うイ・ミョンパク政府に従ったと言う指摘があるが・・・・。

 

オバマ行政府は、イ・ミョンパク政府の‘政策下請け業者(subcontractor)’と見られ、それは明らかな間違いだ。同盟はともに共同戦略を作ろうと努力しなければ、無条件に相手方が主導した通り、従わなければならないと言うものではない。

 

 

○イランの核技術者が北韓にいると言う報道があったが・・

 

驚く知らせではない。二国は、極めて緊密な同盟である為、ミサイル、核開発で協力すると言うことより、大量殺傷武器の関連で協力がないと言えばもっと驚く事だ。

(訳  柴野貞夫 20121211)

 

 

<参考サイト>

 

○朝鮮半島の戦争危機を煽る張本人は誰か (1)
[2011年12月31日更新]


○論評[
国連安保理の役割と、朝鮮民主主義人民共和国に対する制裁](1) 
[2012年3月31日更新]

 

世界を見る−世界の新聞から/「米国のダブルスタンダード−北韓とインドのミサイル発射−」(韓国・チャムセサン 2012年4月23日)[2012年4月27日更新]

界を見る−世界の新聞から/「北外務省,安保理議長声明全面排撃(韓国・統一ニュースコム 2012年4月18日付)[2012年4月22日更新]

世界を見る−世界の新聞から/「西海油田を探査する光明星3号」(韓国・統一ニュースコム 2012年4月6日付[2012年4月15日更新]

世界を見る-最新の世界情勢を分析する/「論評 国連安保理の役割と、朝鮮民主主義人民共和国に対する制裁(1)」 [12年3月31日更新]

世界を見る-世界の新聞から/「朝鮮外務省代弁人談話」(朝鮮民主主義人民共和国・朝鮮中央通信 2012年3月23日付)[12年3月27日更新]

世界を見る-世界の新聞から/「米国は、衛星発射計画を知りながらも、どうして北韓と合意したのか」(韓国・PRESSIAN 12年03月24日付)[12年3月25日更新