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(韓国民衆言論 ハンギョレ 世界ニュース 2014620日付)


      日本政府は、韓―日間の調整過程を一つ一つ暴きながら、
       ‘慰安婦強制連行’を否定した



<河野談話検証>結果の発表、何故だ? 外交不文律まで壊し,河野談話の<核心価値>を毀損、慰安婦強制連行は確認出来ないと判断した。
後続措置に‘女性基金’を掲げ、“法的補償は終った”と再度強調した。



日本政府は、韓国政府の猛烈な反撥が火を見るより明らかな、(1993年の)‘河野談話’に対する検証を何故始めたのか?
慰安婦動員過程の強制性と、軍の介入を認定した河野談話は、日本が、過ぎし過去の恥ずべき歴史を、虚心坦懐に反省した、数少ない稀な事例として数えられる。それと同時に、<産経新聞>と「日本維新の会」など、日本の右翼達の目には、必ず取り除かねばならない恥辱として考えられて来た。

この様な張り詰めた対立の中で、去る220日、日本の衆議院予算委員会に出席した石原信夫前官房副長官(河野談話作成の実務責任者)は、“河野談話作成過程で、韓国と意見を調整した”と言う‘衝撃的な’証言を暴いた。彼は、これを暴露した理由について、“河野談話を通して解決された韓―日間の過去史が、最近再び提起されている状況を見て、もどかしさを感じた為”だと語った。この発言以後、安倍晋三日本総理は遅滞なく、<談話>に対する検証に出た。

△‘河野談話’の中、日本が韓国の要求で、調整したと、明らかにした部分

当初、<談話>に対する検証を指示した安倍総理は、<談話>自体を修正しようとしたものと見える。しかし事態は、彼が願う方向に流れなかった。昨年12月、安倍総理の靖国神社参拝以後、韓―日の歴史葛藤を扱う米国の態度が韓国側に傾いた為だ。結局安倍総理は、“(私の}政権期間には、<談話>を修正する考えは無い”と所信を曲げた。これに対し、パク・クネ大統領が、“良かった”と明らかにしながら、去る324日オランダ・ハーグで、韓―米―日首脳会談が成立したのだ。日本の言論等は、以後、‘河野談話’問題は既に安定化段階に入ったと言う分析を出す事もした。
しかし、日本政府は河野談話の検証を強行した。談話を検証しないと言う意思を明らかにする事はしたが、慰安婦問題を通じ国際舞台で、日本を全方位で圧迫している韓国政府の攻勢を削がなければならない必要もあった為だ。そのやり方は、この日公開された報告書で確認される様に、談話作成期間に韓―日間で扱われた水面下協議を、一つ一つ明らかにする事だった。河野談話作成過程で、日本が韓国に、‘善意’を見せたと主張しながら、慰安婦強制動員に対する日本政府の‘法的責任’認定など、追加措置を要求する韓国の主張を、削ろうとする計算が盛られていたと解析することが出来る。
      

 

△ 日本‘河野談話’検証報告書が公開した韓―日調停過程

韓国は、今回の報告書を、河野談話に対する事実上の‘否定’として受け止めている。日本が外交上の不文律を壊し、両国間の調停を一つ一つ公開し、<談話>の核心価値を否定しようとする様な姿を見せたからだ。

例えば日本政府は、<談話>の核心争点である、慰安所設置過程に日本軍が関与した問題に対し、日本は“軍当局の意向を受けた業者”によって取り扱われたと主張したが、韓国は‘指示’と言う単語を要求し、結局‘要請’と言う単語が使用されたと、検証報告書は明らかにした。また、他の争点である強制性部分に対しても、日本は“(業者の)甘言、強圧など本人の意思に反し、募集された事例が多数ある”と主張したが、韓国の反対を反映し、“甘言、強圧など全体的に本人の意思に反し募集された事例も多数ある”と言う程度の妥協案を選んだと日本側は主張した。河野談話が、過去に対する日本の徹底した反省に基づいたものでなく、外交的協議の結果だったと自ら宣言している訳{計算}だ。

報告書は続いて、日本政府が19956月、後続措置として‘アジア女性基金’を設置する過程で、韓国政府が日本に“韓―日間の法的な補償の問題は、(1965年の韓日協定で)解決された。その為に日本が扱うどんな措置も、法的補償ではない”と言う意思を伝えたと強調した。結局慰安婦問題は、1993年の河野談話と、1995年のアジア女性基金で、解決されたし、韓国もこれに同意したと言う事を強調したのだ。

一方、今回、調査を進めた只木敬一前検察総長は、“可能な限り、公正な立場で検証した。韓・日両国が、(河野談話作成当時)慰安婦問題を克服し、新しい未来志向の日―韓関係を作ろうとした。”と、今回の調査の意味を説明した。

韓―日両国の不信のゴールだけに、今回の報告書を巡る両国の解釈の違いも、和解するのに困難な深い差を見せている訳だ。

(訳 柴野貞夫 2014626)

 

<関連サイト>

 

記録吉見義明教授の講演記録<その3>(日本軍「慰安婦」被害者証言キャンペーン2013 in 奈良  2013年5月26日)

記録吉見義明教授の講演記録<その2>(日本軍「慰安婦」被害者証言キャンペーン2013 in 奈良 2013年5月26日)

記録吉見義明教授の講演記録<その1>(日本軍「慰安婦」被害者証言キャンペーン2013 in 奈良 2013年5月26日)

362 日本極右派、米国新聞に「慰安婦」侮辱広告 (韓国ハンギョレ国際ニユース 2012年11月9日付)

☆361 「慰安婦」問題の研究に終わりはない(韓国・統一ニュース 2012年10月16日付)

☆357 安倍元日本総理「植民地支配謝罪談話見直し」と、また妄言(韓国・ハンギョレ2012年8月28日付)