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 (韓国社会主義政治組織「タハムケ」機関紙 <労働者連帯>133201491日) http://wspaper.org/article/14832

 

 

             虐殺者―イスラエル、再び敗北だ

イスラエルが、ガザ地区住民の頭上に投下した爆弾は、NT火薬に換算して、1945年、広島に落とされた核爆弾よりもっと多かった。

 

 


イスラエルは、歴代最長の期間である50日の間、パレステイナ・ガザ地区を攻撃したが、勝つ事が出来なかった。勝利することが出来ないと言う事が明らかになるや、イスラエル総理(ネタニャエフ)は、大臣達の表決要求も無視し、職権で休戦に合意した。イスラエルは、2012年に引き続いて今回でも、目標とするところを達成する事が出来なかった。

イスラエルは、パレステイナの抵抗団体であり、同時にガザ地区の選出された執権勢力であるハマスが、もっとロケット砲を撃つことが出来ない様に壊滅させるとしたが、休戦が公式宣布される直前までも、ハマスのロケット砲が国境を越えて来るのを防ぐことが出来なかった。

イスラエルは、ハマスを根絶やしにするとか、武装解除させるどころか、むしろハマスが軍事的に以前より強くなった事を確認した。2008年〜09年の攻撃に比べ、今回の交戦で死亡したイスラエルの軍人が大きく増え、イスラエルの地上軍は、事実上ガザ地区国境を越えられなかった。ハマスのミサイル攻撃で、イスラエル国際空港を行き来する航空便が、相次ぎ取り消されたのも、イスラエルには衝撃だった。

ガザ地区の攻撃で、(イスラエルが)目標としたものも達成できず、むしろ予定外の被害を負うや、イスラエル総理の支持率は、空襲初半の82%から休戦直前、38%に急落した。

イスラエルは、過去どの時よりも、もっと多くの爆弾をガザ地区に浴びせた。イスラエルがぶちまけ注いだ爆弾は、およそ爆薬―TNTで換算して、1945年、広島に落とされた核爆弾よりもっと多かった。韓国の高陽市ほどの180万名が密集し居住する場所の話だ。

‘(ハマスを指して言うところの)テロリストの根拠地の精密打撃’と言うイスラエルの主張に、(うしろ盾になっている)米国国防長官ジョン・ケリーさえ、“虚言”と言った。(ケリーは、マイクのスイッチが入っているのを知らず、うっかりした様だ)

“たわごと”

こんな無慈悲な攻撃で、50日の間にパレステイナ人2200名が命を失った。7080%は民間人で、数百名が子供だった。

こんな莫大な犠牲にも、パレステイナ人達は、ガザ地区封鎖を解けと言う要求を最後まで曲げなかった。封鎖は‘徐々に、勝手気ままに行われる虐殺’と違うところは無いからだ。イスラエルは、2007年からガザ地区に向かう陸路と海路を封鎖し、基礎生活必需品の搬入さえ遮断して来た。

こんな点で、今回の休戦以後、国連食料機構が公式検問所を通してガザ地区に食料を搬入した事は、注目に値する。封鎖が始められた2007年以来、初めてだ。無論、こんな状態がどれ程持続されるかは、分からない。イスラエルは、2012年と2008年〜09年にも、封鎖緩和、再建に必要な物品搬入の許容等を約束したが、守らなかった。

イスラエルは国際的に孤立する‘シオン主義に反対する国際ユダヤ人ネットワーク’が、<ニューヨークタイムス>にイスラエルの攻撃を非難する広告を載せた

長い間、イスラエルは‘巨人コルリアに立ち向かう、少年ダビデ’と言うイメージを維持しようとした。しかし、史上最悪の人命被害を生んだ軍事作戦は、こんな嘘を丸裸にし、イスラエルを国際的に孤立させた。

無論、米国、パン・キブン(潘基文)に代表される国連、韓国を始めとする親米国家の支配者達は、イスラエルを助けたり、虐殺を幇助しただけの話だ。

イスラエルが、攻撃を勝手気ままに行った50日間、全世界で、パレステイナに連帯しイスラエルに抗議する集会が絶えなかったし、多くの場合、過去の示威規模を飛び越えた。

米国、オークランド港では、労働者と示威隊がパレステイナに連帯を示し、イスラエル船舶の荷役を二日間、遮断した。

ヒトラーが、敢行したユダヤ人虐殺の生存者と、その子孫数百名が、‘シオン主義に反対する国際ユダヤ人ネットワーク’と言う名前で、<ニューヨークタイムス>にイスラエルの攻撃を非難する広告を載せた事も、‘ユダヤ人の守護者’と言うイスラエルの名分に、大きい打撃を負わせた。

韓国でも、民主労総、反戦平和連帯(準)、労働者連帯、パレステイナ平和連帯などが、パレステイナに連帯する集会・記者会見・行進を何度も開いた。
一方、教育放送EBSは、この渦中に、駐韓イスラエル大使館の後援を受け、‘イスラエルドキュメント、特別展’を開催しようとした。しかし、韓国の<イスラエルボイコット運動>は、この計画を霧散させる初めての成果を収めた。

この様な国際連帯は、ガザ地区民衆に大きな力となった。今回の攻撃で、家族を失った或るパレステイナ人は、次の様に書いた。

“この‘休戦合意’が、勝利である理由は、我々が屈服しなかった事を見せたからであり、イスラエルを後退させ、孤立させる事が出来たと言うことを、我々が立証した為だ。人種差別的なイスラエルと、そんなイスラエルに絶える事無く武器を供給する米国の凶悪な真相を、我々が暴き出した為であり、世界至る所で前よりもっと多くの人々が、今力を集め、可能なあらゆる手段でパレステイナに対する不義を終らせると、立ち上がっているからだ。”

(訳 柴野貞夫 201495日)

 

 

(訳者 付記)

外電は、米国帝国主義と、シオン主義・強奪国家=イスラエルが、‘テロリスト’と喧伝する、パレステイナ・ガザ地区の執権政府であるハマスが、イスラエルの50日にわたる殺戮攻撃にも拘らず、地区住民の圧倒的支持を受けている事実を示す世論調査の結果を伝えている。

パレステイナの民間機関である<政策調査研究センター(PSR)>が92日発表した世論調査は、イスラエルとハマスが長期休戦で合意した826日から30日まで五日間に渡り、ガザ地区だけではなく、ヨルダン川西岸を含む1270人の回答によるものであった。●パレステイナ評議会選挙で、ハマスに投票すると回答した人が46%、ファタハ(現自治政府主流派)に投票すると回答した人は31%●パレステイナ自治政府議長を次回選ぶとすれば、ファタハのアッバスに投票すると回答した人が32%、ハマスのハニヤに投票すると回答した人は61%に上った。

パレステイナの民意は、米国とイスラエルの意に反して、圧倒的にハマスにある。ガザ地区に対する<イスラエル帝国主義>の人種清掃的・反人倫的行為は、全世界の民衆の戦いで、断固として粉砕して行かなければならない。

参考サイト>

 

☆364 パレスチナも自らを防衛する権利がある。西欧列強の一方的イスラエル支持路線はかえるべきだ(韓国PRESSIAN 2012年11月21日付)

世界を見る−世界の新聞/帝国主義の亀裂、イスラエルのあがき (韓国<週刊ハンギョレ21> 2014年8月18日号)

☆136 “イスラエルは今、‘人種清掃’の最中だ” (韓国・チャムセサン 2009年1月14日付)

☆131 イスラエルの五つの嘘 (韓国・チャムセサン 2009年1月6日付)