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(朝鮮民主主義人民共和国 労働新聞 署名論文 20151024日付)
http://www.uriminzokkiri.com/index.php?ptype=gisa2&no=214587


           朝鮮半島と、世界平和保障の為の先決条件

休戦協定を平和協定締結に置き換える事は朝鮮半島における核戦争の勃発を阻止する前提条件である

                                                           リ・ハクナム


 無条件の平和協定締結に応じない米国は、朝鮮半島に、戦争でも、平和でもない状況を固定化しようとしている

世界の焦点が、古い休戦協定を廃棄し平和協定を締結しようと言う我々の提案に、米国がどの様に出るのかと言う処に集まっている。
平和を願う多くの国々が,大胆に政策転換をして、我々の提案に応じ乗り出す事で、朝鮮半島で一日も早く平和的環境が用意される事を願っている。朝鮮半島の平和保障が、人類の運命と関連される極めて重要であって,死活的な問題であるからだ。
しかし、米国では依然として、万人の失望を生む無駄口が、往々にして飛び出している。政界はもとより、朝鮮問題に精通すると言う人物達が乗り出して、我々の提案が現実にそぐわないと言う声を上げるかと思えば、突拍子もない問題を持ち出しながら、朝鮮半島の平和保障の為には、それが第一義と言う理屈を捏ねている。さらに一部の人物達は、平和協定は朝・米間でなく、我々と南朝鮮間に締結しなければならないと言う、とんでもない主張までしている。
正常な思考をする人であれば、誰を問わず、米国の主張が荒唐無稽なものだと言う事を容易に知る事が出来る。今米国が、我々の主張が現実に合わないと言うが、事実はそうではない。平和協定を締結することに対する我々の提案は、朝鮮半島の実態を正確に反映し、我々人民と世界平和愛好人民達の念願に、全的に符号する最も現実的な提起だ。

 無数の核兵器を南朝鮮とその周辺に配備し、軍事境界線を間に置いて、膨大な武力で我が国へ銃口を定めている米国

今日、朝鮮半島は、世界で最も先鋭な,最大のホットスポット(熱点地帯)として公認されている。過去世紀、朝鮮戦争が終わって休戦協定が締結された時から、世界は遥かに前進し時代は変わったが、不安定な朝鮮半島の情勢だけは今も変わらなかった。
朝米間の矛盾と対立は日毎激化し、朝鮮半島では、停戦と言う言葉そのまま、戦争の一時的停止状態、戦争でも平和でもない不安定な状態が持続されてきた。今も朝鮮半島では、非常に緊張した情勢が醸成されているのであり、戦争の危機は日増しに大きくなっている。軍事境界線を間に置いて、膨大な武力が銃口を定めている。米国は膨大な核兵器を南朝鮮とその周辺に配備して置いているのであり、それは何時も、我々を狙っている。
偶発的な事件も、核戦争に拡がっていく危険千万な事態が、常に醸成されている。現在の停戦協定では、いろんな事態を阻止させたり、防ぐ事は出来ない。去る8月、原因不明の事件が、一瞬の間に一触即発の危機局面に拡がった朝鮮半島の情勢が、それを最終的に証明してくれた。
無論、我々の平和愛好的立場と堅忍不抜の民族守護精神に依って、北南間に辛くも合意が成し遂げられたが、それがそのまま、維持されたり、履行されるだろうと言う確証は、そのどこにも無い。

 時代錯誤的な対朝鮮敵視政策で、緊張激化の悪循環を醸成してきた米国

南朝鮮の実際的な主人の役割をするのは、米国であり、南朝鮮のあらゆる武力に対する統帥権も、米国・南朝鮮―連合軍司令官である米国人がしっかり握っているからだ。いま、軍事境界線で衝突が起これば、その誰も、統制する事が出来ない全面戦へと広がっていくだろうと言う事は、明らかな事実だ。
今まで我々は、朝鮮半島の平和保障の為に、数多い提案を発表し、その実現の為に努力して来た。しかし、そのどれ一つ、まともに実現された事はない。
過去時期、非核化問題を、まず論議しなければならないと言う関係筋らの主張を考慮し、六者会談で非核化論議を、まず、して見る事もしたし、核問題と平和保障問題を同時に論議して見る事もした。しかし、そのすべてが徒労に終わった。米国が、時代錯誤的な対朝鮮敵視政策に、執拗に縛られ走りながら、軍事的挑発で対決雰囲気を助長させ、朝鮮半島に緊張激化の悪循環を引っ張って来たからだ。
今米国が、非核化問題を先決条件として押し立てている事は、その前轍を再び踏むことで,南朝鮮を永遠に握り、ひいては全朝鮮半島を乗っ取ろうとする野望を実現する為だ。

 朝鮮半島の平和と安全を保障する問題は、世界の平和と安全を保障する問題と直結している

米国が平和協定締結問題の順序(訳注―‘朝鮮の核放棄が前提’などと言う米国の態度等を指す)について、何だかんだと言うのは、一つの詭弁に過ぎない。朝鮮半島で、焦眉の問題で口出しする内容は、戦争の危機を除去し、対決と緊張緩和の悪循環を断ってしまうと言う点にある。

互いが互いを狙った対決状態で論議をすると言うのは、話にもならず、仮に、合意が達成されるとしても、それは実現出来ない空の紙切れに過ぎないものとなるだけだ。それは、朝・米対決の歴史が見せてくれる。
ここから我々が見つけ出す事となる結論が、即ち、休戦協定を平和協定に変える事を、全ての問題に先行させなければならないと言うことだ。
朝・米平和協定が締結されれば、朝鮮半島に平和な環境が醸成され、北・南関係と朝・米関係で肯定的な変化が起きる事となるだろうと言うのは、疑いのないところである。
朝・米平和協定の締結は、朝鮮半島だけでなく、世界の平和と安全保障の為にも、第一次的な問題として提起されている。
朝鮮半島で、平和と安全を保障する問題は、世界の平和と安全を保障する問題と直結されているのであり、朝鮮半島の平和と安全を離れては、世界の平和と安全に関して考える事は出来ない。

 先鋭な情勢が持続している朝鮮で戦争が起これば、それは必ず世界的な核戦争に拡大する

朝鮮半島は、地政学的に諸大国の利害関係が最も複雑に絡み合っている東アジア地域に位置している。東北アジアは、軍事力の集中度や経済的潜在力の豊富性に、新しい世界大戦が起こりうる処となっているのであり、将にその中心に、朝鮮半島が置かれている。
朝鮮半島で、先鋭な情勢が持続されれば、任意の時刻に戦争が勃発し、朝鮮で戦争が起これば、それは必ず世界的な核戦争に拡大し得る。
この様な条件で、朝鮮半島の現事態は、我が人民だけでなく、我々の周辺諸国と、世界全ての国の人民達にとって重大な脅威とならざるを得ない。
将にそうであるからこそ、世界の平和愛好人民達は、朝鮮半島で緊張状態が緩和され、北・南関係と朝・米関係が改善される事を願っているのであり、我々が発表した朝・米平和協定締結提案を、積極支持している。

 米国が、真に朝鮮半島と世界の平和・安全を願うなら対朝鮮敵視政策を放棄し平和協定を締結しなければならない

平和協定締結は、我々と米国が膝を突き合わせ、原則的な合意を見なければならない問題だ。停戦協定に署名したのは、我々と米国だ。
将にそうであるからこそ、停戦協定を平和協定に変える問題は、朝・米の当事者同士が討議しなければならない。
米国は、今まで、朝鮮での≪平和≫と≪緊張緩和≫について、言葉多く語って来た。北・南関係改善と我が国の統一問題に関しても≪歓迎≫すると言って来た。これが真実であるのか、嘘であるのかと言うのは、我々の提案に対する米国の態度が検証してくれるだろう。
米国が、本当に我が民族の統一と、朝鮮半島と世界の平和・安全を願うなら対朝鮮敵視政策を放棄し、我々と平和協定を締結する事に、応じて出てこなければならない。これによって、朝・米間に、信頼に基づいた真情で恒久的な平和関係を樹立して行かなければならない。
全てのことが、米国がどの様に出るのかと言う態度如何にかかっている。
万一米国が、我が人民と世界平和愛好人民達の念願に逆行する道に出ていくなら、我々は朝鮮半島と世界の平和保障の為に、核武力(核兵器)を中枢とする自衛的国防力を強化する事で、対応して行くであろう。平和協定を締結する事を無視し、最後まで他の道を固執する場合、米国は我々の強力な革命的武装力に直面する道以外にない。米国は、今でも、我々の提案に慎重に向かい合い、責任ある選択をしなければならない。
                                             (訳 柴野貞夫 2015年10月28日)

参考サイト>
以下のサイトは、朝鮮民主主義人民共和国の、<停戦協定を平和協定の締結に変えよう>と言う再三の提案を拒否して来た、米国の対朝鮮政策の欺瞞と本質を暴露する論考と記事である。

☆404 朝鮮半島「停戦体制から地域の平和体制へ」<その1> (韓国・プレシアン 2013年8月29日付)

☆405 朝鮮半島「停戦体制から地域の平和体制へ<その2> (韓国・プレシアン 2013年8月30日付)

☆477 米国によるどんな制裁や圧迫も、我々には通用しない(労働新聞 2015年1月18日付)

482 朝鮮を狙った米国の核兵器は、どれ程のものなのか(労働新聞 2015年2月6〜12日付)

477 米国によるどんな制裁や圧迫も、我々には通用しない(労働新聞 2015年1月18日付)

476 米国の将軍がキム・ジョンウン暗殺を公開的に言及した(韓国・プレシアン 2015年1月11日付)

461 朝鮮半島での核兵器使用計画は、いまだに維持(韓国・オーマイニュース 2014年10月9日付)

432 韓米、20余年ぶりに最大規模の「双龍訓練」を実施 (韓国・統一ニュース 2014年3月31日付)

☆431 粗暴な爪をむき出した、侵略のトクソリ韓米軍事演習
(労働新聞 2014年3月24日付)


☆424 核先制攻撃を狙った重大な挑発 (労働新聞 2014年1月25日付)