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(論考)  最高裁は、大阪高裁判決を支持し、朝鮮学校の民族教育権を妨害した<在特>を断罪した
 (20141218



  “高校無償化から朝鮮学校除外”を継続する安倍・自民の行為は、民族教育権を妨害した
    <在特>と同罪ではないのか



                                        柴野貞夫時事問題研究会


● 最高裁は、「(在特が)在日朝鮮人の民族教育を受ける権利を妨害した」と断罪した大阪高裁の第二審判決を支持し、在特の上告を棄却した。

  政治的予断で、高校無償化から朝鮮学校を除外する安倍・自民は、<人種差別撤廃条約・自由権規約>を蹂躙し、(在特とともに)在日朝鮮人の民族教育を受ける権利を妨害している犯罪者だ。
● 安倍は、憲法と国際法を犯した犯罪者集団―在特会との密接な関係を、自ら、国民の前に明らかにする責任がある。
● 山谷えり子(前・国家公安委員長)、高市早苗(前・総務大臣)、稲田朋美(前・特命大臣)は、犯罪者集団−在特会、及び人種排外主義的ネオナチ集団・「国家社会主義日本労働者党(NSJAP)との密接な関係を、国民の前に明らかにする責任がある。


最高裁判所は、129日付で、学校法人京都朝鮮第一初級学校に対する集団的襲撃を繰り返し、朝鮮民族を罵(ののし)る人種憎悪発言、民族教育を攻撃する街宣活動、暴力的威嚇で教職員と児童生徒を脅かし、朝鮮学校の授業を妨害した卑怯卑劣な差別集団・<在特会(在日特権を許さない市民の会)>及び<主権回復を目指す会>などのメンバー8名に対し、上告を退ける決定をした。
最高裁第三小法廷(山崎敏充裁判長)は、5名の裁判官一致の判断で、京都地裁の一審及び大阪高等裁判所の二審を支持し、新たに移転した京都朝鮮第一初級学校の半径200m以内での街宣活動の禁止と、彼らに対する約1226万円の損害賠償を確定した。
3年間、19回にわたる公判のあと、2013107日の結審で、京都地裁橋詰裁判長は、在特の襲撃街宣を、「在日朝鮮人と言う民族的出身に基づく排除であって、在日朝鮮人の平等の立場での人権、および基本的自由の享有を妨げる目的を有するものと言える。我が国は、<人種差別撤廃条約>の責務に基づき、被告を罰する」とし「(在特の街宣活動が)人種差別行為である事を違法とし、同時に、<人種差別撤廃条約>に基づき、国内法を生かして、在特の違法行為から朝鮮学園を保護・救済するための措置として、賠償金額は高額を科す事とした」のである。
更に大阪高等裁判所の第二審は、第一審では不十分にしか触れられなかった、在日朝鮮人の民族教育を受ける権利に初めて言及し、<在特>街宣が、在日朝鮮人の民族教育を貶め、妨害して来た事実もまた、憲法13条、国連―人種差別撤廃条約に照らして違法と断定した。


1、“<人種差別撤廃条約>の責務に基づき、被告を罰した”京都地裁第一審判決

●京都地裁一審判決の要旨
@  日本が加盟する「人種差別撤廃条約」(あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約 )が、日本の裁判所に於いて大きな意味を持って解釈され、“人種撤廃条約の責務に基づき、被告を罰する”とし、しかも、同国際条約に適合する様に、国内法・民法709条を生かし、“無形損害に対し高額の賠償金を設定”したのである。
日本では従来、街頭での<差別街宣>や<差別示威>、さらには<ネット上での人種差別的書き込みと映像>などが、国家権力と司法のみならず、大手メデイアや多くの法学者によって、“不特定多数の集団に向けられたものであって、表現の自由であり、政治的発言に過ぎない”として、法規制は出来ないと野放しにして来た。

しかし、彼らの行為は、憲法が保障する(外国人を含む)基本的人権の尊重と擁護のために司法が本気になれば、現行法による刑罰法規を発動し、(脅迫/暴行/殺人予告)罪などで、十分取り締まるべき事案であったはずだ。しかし、彼等はそれをしてこなかった。その事が、人種差別主義者の暴力的街宣や、ネット上での露骨な人種差別の扇動と、人非人的発言の垂れ流しを許容し、“朝鮮人を殺せ”などの<殺人予告>にまで、尋常ならざるエスカレートを許してしまった要因だ。これは決して、法で保護される<政治的発言の自由>などではなかった。
京都初級朝鮮学校に対する<在特>の暴力的街宣は、2009124日に行われ、その後も2回に渡って継続され、いずれも京都府警がその場に居たにも拘らず、学校と児童にたいする脅迫・暴行行為を阻止せず黙認した、しかも、一度は地裁の仮処分命令にも拘らず襲撃が実行され、警察は彼等を現行犯逮捕・拘引しなかった。京都府警は、朝鮮学校側からの告訴の受理さえ拒み、学校側が民事訴訟をおこしてから8ヶ月後に始めて、2名を逮捕したに過ぎない。
京都地裁は判決において、この三回の襲撃事件毎に、<在特>に、700万円〜300万円→計1226万円の損害賠償を命じた。京都府警が、これほど明確な犯罪行為に対する学園側の告発を受理しなかった理由は、警察が<犯罪者集団・在特>と何らかの形で内通していたか、或いは、日本の警察が、憲法が保障する基本的人権から、在日朝鮮人を除外する排外主義的・人種差別政策を推進する安倍自民政権の指示に従ったかのいずれかだ。
A 判決は、「在特の街宣行為は政治的主張などではなく、単なる人種差別行為の扇動」だと断罪した。 彼等の「政治的主張」なるものが、既に撤去が決まっている事を知っていながら、学園の「公園占有」なるものをでっち上げ、「自分達の人種差別を煽る格好のネタとして利用したに過ぎない。」と論告した。
B「本件示威行為と本件映像公開とは、密接不可分の加害行為であり不特定多数に対する名誉棄損と業務妨害による無形損害を日々増幅させるもの」と、在特のインターネット映像を断罪した。
C 判決は、在特の<組織としての当事者能力>を認定した。裁判において、在特は組織として当事者能力はなく、「ファンクラブであって、団体として行動はしていない。何となく個々人の判断で行動している。」との主張に対し、「会則があり、構成員の資格が決められ、会としての財産があり、意思決定を会として行っている。役員、会長が子分に指示をしている事実」を指摘し、不法行為の使用者責任も判決は肯定している。

しかし、この京都地裁第一審判決では、<在特>の人種差別行為の違法性を断罪し、彼等の行為が、民族教育を行っている朝鮮学校の運営主体である京都朝鮮学園の業務を妨害した事実を認め、高額の賠償金支払いを命ずることで、間接的に在日朝鮮人の「民族教育権」を擁護しているのであるが、<在特>の暴力的襲撃と人種差別街宣行為が、朝鮮民族の「民族的教育権」を攻撃し、侵害している事実への明確な言及がなかったと言う点が、課題として残った。


2、<在特会>による朝鮮学校への襲撃が、民族教育権への妨害である事を認めた大阪高裁・第二審判決

  大阪高裁二審判決の要旨
201478日、大阪高等裁判所・森宏司裁判長は、<在特会>と、8名の特定されたメンバーに対し、<街宣>が、国連人種差別撤廃条約の責務に基づく「人種差別行為」と断罪するだけでなく、“朝鮮学園には、民族教育を行う利益がある。在日朝鮮人の民族教育に重大な支障をきたした”とし、「在特街宣」が、在日朝鮮人子弟の民族教育を受ける権利を侵害した事実も、明確に断罪した。
@ “<在特会>の ‘街宣活動’は、在日朝鮮人とその子供、朝鮮学校への社会的な差別意識を助長させ、増幅させる悪質な行為であり、在日朝鮮人を嫌悪・蔑視する発言は、下品かつ低俗で、人種差別にあたり、公益目的はない。法の保護に値しない強い違法性が認められる。(朝鮮学校襲撃の)映像を、インターネット上に公開したことで、今後も、被害が拡散、再生産される可能性がある。

A  朝鮮学園(運営主体)には、在日朝鮮人の、民族教育を行う利益がある。日本での在日朝鮮人の民族教育に重大な支障をきたし、社会的評価を低下させ、人種差別と言う不条理な行為によって、何の落ち度も無い朝鮮学校の児童が被った精神的苦痛も多大だった。
B  国連人権差別撤廃条約の趣旨と、個人の孝福追求権を定めた憲法13条等に照らし、この街宣を、違法な人種差別と判断し、在特会と8名に対し、 計約1220万円の損害賠償の支払いと、新たに移転した朝鮮学校に対する街 宣の差し止めを命じた第一審判決を支持、<在特>側の控訴を棄却する。
C  森宏司裁判長は、日本が加盟する「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」の責務に基づき、「在特会」の ‘街宣活動’を人種差別行為と断罪し、人種差別行為が「無形損害」を生み出し、民法709条に基づき被告を罰した第一審を支持した。
更に第一審では触れられなかった、在日朝鮮人の民族教育を受ける権利に初めて言及し、<在特>街宣が、在日朝鮮人の民族教育を貶め、妨害して来た事実もまた、憲法13条、国連人権差別撤廃条約に照らして違法と断定した。
この事は、在日朝鮮人の民族教育権を法的に確認し、またそれへの攻撃を不当と認めたことは、安倍政権の、<朝鮮学校の無償化除外>の差別的不法行為を、より鮮明にした。安倍は、見せ掛けの総選挙<勝利>に浮かれて居る場合ではない。直ちに高校無償化から朝鮮学校を除外する、人種差別的方針を撤回しなければならない。
日本も締結する国際法‘市民的また政治的権利に関する国際協約’(自由権規約)とその委員会によって幾度と無く指摘されてきた、日本政府の人種差別的教育政策−民族教育権の否定は、今回の最高裁の上告棄却によって、その違法性がますます明らかと成った。
また、最高裁の差し戻し判決は、<在特会>を始めとする人種差別集団の「表現の自由に基づく、政治的発言」を装った、人種差別的街宣活動や、暴力的示威行動を規制し、同時に、彼等を泳がしてきた安倍自民勢力・国家権力と警察を縛る、大きな力となるに違いない。またその為には、今後も反差別大衆運動を組織し、彼等を追い詰めなければならない。
元 百合子(もと ゆりこ)・大阪女子学院大学教員は、民族教育権は、日本政府が無条件に守るべき責務として次の様に指摘している。
「国家は領域内のあらゆる人々に、人種、民族的出身、国籍、性別、階級、経済力、社会的地位、思想、宗教や、政治的意見などに関係なく、差別を受けず平等に保障しなければならない義務がある。これが国際人権法を貫徹する無差別平等原則と言うものだ
教育に対する権利(right to education)は、世界人権宣言、人種差別撤廃条約、教育での差別禁止条約などで、規定されており、国家は、無差別平等原則を厳格に適用し、保障しなければならない義務が課せられているのだ。さらには、‘公的機関によって規律され保護されるあらゆる分野にあって、法律上、或いは事実上の差別を禁止する’と言う規定、言い換えれば、差別を受けない権利が‘市民的また政治的権利に関する国際協約’(以下、自由権規約)に規定されており、教育の権利にもこれが該当する」と
http://www.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_398.html
<在特会>の朝鮮学校に対する差別街宣と暴力的襲撃を、<人種差別撤廃条約>によって裁いた日本の司法は、同様に、朝鮮学校を差別し、朝鮮人の民族教育権を否定する日本政府と安倍自民の犯罪行為を、裁かなければならない責務がある。安倍は、自らが裁かれる前に、朝鮮学校に対する差別政策を撤回しなければならない。

3、 安倍は、憲法と国際法を犯した犯罪者集団―在特会との密接な関係を、自ら、国民の前に明する責任がある

        
▲写真上 安倍の横に仲良く納まる男は、2009年当時、<在特会>関西支部長で<救う会大阪>の代表者―増木重雄である。(この写真は、増木のHPに掲載されたが、現在削除されている。‘マスキクン’とは増木の事だ) 

     
▲写真上 街頭で、社会排外主義を煽る増木重雄 2009年以降から、激しさを増した大阪鶴橋でのヘイトクライムデモは、増木が主導したものだ。

    
上記写真中、西村斉と荒巻靖彦は、2009年の京都朝鮮初級学校への襲撃、2010年徳島県教組襲撃事件、ロート製薬強要行為等で、建造物侵入、器物損壊、侮辱などで、それぞれ計−3年、3年の懲役刑を食らい、服役中だ

上記写真は、<在特会>、<救う会>と安倍政権の人的接点を、余す所無く示している。増木は、2009年、小学校校長を脅し、暴力行為等違反容疑で逮捕された経歴もある。増木は、それを理由に、<在特会>から距離を置くが、増木が事務局長を務めるNPO法人「教育再生・地方議員百人と市民の会」(http://www1.ocn.ne.jp/~h100prs/)には、前国家公安委員長・拉致問題担当大臣の山谷えり子や松井仁などが顧問を務め、安倍との関係は極めて深い。
安倍自身と、その内閣の中枢の人間が、犯罪者を取り締まるどころか、犯罪集団の仲間である事を示す明らかな資料である。安倍も山谷も、国会と言論の「追及」に対しシラを切っているが、安倍・自民の病巣は、留まる所を知らないほど深刻である。もはや安倍/自民は、非人倫的、反道徳的、反道義的腐敗集団である
最高裁の上告却下は、彼等を犯罪人として刑罰に処すべきことを要求している。山谷国家公安委員長と安倍を監獄にぶち込むのは、これからの、日本民衆の巨大な戦いの組織化にかかっている。

<関連サイト

論考/<在特街宣>に対する大阪高裁判決が意味するもの(2014年7月15日)

民衆闘争報道/京都地裁が「在特会」による朝鮮人学校襲撃事件を断罪2013年10月8日)

☆民衆闘争報道/「朝鮮学校への高校無償化適用、子どもたちの学ぶ権利を守ろう」3月24日、大阪・扇町公園に2600名が集まった

論考/安倍政権の朝鮮学校無償化の根拠法令削除に抗議する (2013年1月23日)

☆民衆闘争報道 「在特会の水平社博物館差別街宣に対する裁判闘争」 (2012年6月26日)

☆排外主義を許さない5・30関西集会に1200

3月5日、「<高校教育無償化>からの朝鮮学校外しを許さない京都同胞緊急集会」が開かれた 

☆456 高市早苗・総務相と稲田朋美・自民政調会長−極右団体代表とツーショット写真(韓国・ハンギョレ 2014年9月10日付)

☆451 日本政府による朝鮮学校の「無償化制度」除外は、差別である(韓国・ハンギョレ 2014年8月26日付)

☆400 日本の右翼化・・・犠牲になる朝鮮学校(リ・スンヒョン弁護士) (韓国・PRESSIAN 2013年8月6日付)

☆398 朝鮮学校問題は・・・日本が作った、日本が解決する問題(元 百合子・大阪女子学院大学教員)(韓国・PRESSIAN 2013年7月31日付)

☆397 
朝鮮学校は依然として日帝時代、同化と差別の歴史(藤永壮・大阪産業大学教授)(韓国・PRESSIAN 2013年7月23日付)


☆394 国連社会権規約委員会が朝鮮学校支援排の除是正を要求(韓国・ハンギョレ 2013年5月23日付)